音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

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【和声分析】ショパン/エチュード op.10-1

2020年11月10日 | ショパン Frederic Chopin

【楽曲解説・和声分析】

ショパン作曲《エチュードEtude練習曲 第1番 作品10-1》

 

ピアノ弾きの大勢が憧れる名曲!!

 

「爽快」なC-Durハ長調の調性の内に

右手アルペジオの連続

左手の朗々たる低音Bass旋律

 

全てが、美しく壮大♪

 

その〔和声〕の魅力に迫りました♪

 

 

(P.S.・・・その爽快さとは裏腹に、コンクール等で弾かれる際には

非常に厄介な曲としても知られています・・・ノーミスで弾き通すのが実に困難!)

 

 

【楽曲解説・和声分析】ショパン作曲《エチュードEtude練習曲 第1番 作品10-1》

 

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↓ 時間をクリックすると表題毎にスキップできます

0:00~ ショパン作曲《エチュード op.10-1》、F.リストに献呈されている

0:50~ 《10-1》は、爽快な!ピアノ弾きにとって憧れの名曲、しかしミスタッチ無しに弾き通すことが困難・・・コンクールで弾くのに危険な曲とも言われる!?

 

1:17~ 和声解析

2:30~ 1小節、調性はC-Durハ長調、Doが第I音

3:05~ 楽譜の段上に括弧(C)でコードネーム、段中には和声〔T〕

3:40~ 2小節、アルペジオ頂点の音、Miは第III音〔性格音〕。長3度だと長調、短3度だと短調

5:22~ 頂点が第I音になると、両端を主音で挟むことにより、とても安定し、終わりの雰囲気になる(曲の終わりの77小節を参照)

 

7:05~ 3小節、(F)Faは第IV音〔サブドミナント〕

7:29~ 大文字〔S〕と書くと長調、小文字〔s〕だと短調(←7小節)(ドイツ流の和声の書き方)

8:27~ 【II,IV,VI和声解析法】、II,IV,VIの音に盛り上がり

 

10:47~ 4小節、Fa♯第IV↑音は、第V音へと解決しようとしている〔ドッペルドミナント〕

12:42~ ④拍目は〔DD7〕、①②③拍は〔DD79(根音省略)〕

 

15:20~ 5小節はC-Durの〔ドミナント〕、だけどG-Durの〔トニカ〕として転調

16:39~ それとも3小節④拍目で既にG-Durの〔D7〕として転調?

 

18:12~ 7小節、低音SolはC-Durの第V音

18:39~ 右手は〔s6/。II7〕、c-mollから借りて来た短調の和音

20:07~ 左手は第IV音で伴奏していない、敢えてショパンが避けた?

 

21:35~ 8小節、属七〔D7〕、④拍目は(Daug7th)、第V音上方変位(←後期ショパン《バルカローレop.60》等で多用される)

23:00~ 〔上方変位した第V音〕により、9小節の〔トニカ〕へと盛り上がる、全終止で落ち着くのではなく

 

25:09~ 11小節、La第VI音に伴奏される(Fの第1転回型)、3小節はFa第IV音伴奏との差、歌い込み方の違い

26:55~ 〔第1転回型〕の際、低音の第3音を上で重複させない、だから右手はFa,Doのみ

 

28:08~ 12小節、Fa♯ だから〔ドッペルドミナント〕(4小節と同じ)

28:58~ 13小節、(Gsus4)、ちょっと引掛りある音

29:40~ 14小節、普通の〔Dドミナント〕

30:00~ 15小節、〔Tトニカ〕だけどまだちょっと引掛りある(C9th)、音楽がまだ続く予感

31:03~ 16小節、ちゃんと〔T〕で落ち着く、全終止で減衰デクレッシェンド

 

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31:46~ 17小節、いきなりa-mollイ短調の音楽

32:32~ 左手Laは第I音だから、落ち着いた音で始める(ショパンの音楽性に見合う。LaをC-Durの第VI音として盛り上げると強過ぎる)

 

35:37~ 18小節、右手Fa第VI音、だけど右手はあまり情感を込め過ぎない方がいい(アクセントが書かれている場合は例外)

36:26~ 左手Siは第II音、感じて

36:42~ 21小節、左手Faは第VI音、しっかり盛り上げて

36:57~ 19小節は〔D〕、20小節は〔t〕だから静かなまま

 

37:19~ ★18小節、ペダルを踏み変えない、音が濁るので強いまま弾かない、弱めに弾くことで19小節へと静かにつながる(ショパンっぽい)

 

39:52~ 21小節、(FMajor7)、素敵な和音

41:33~ 24小節、Mi第V音〔D〕で終わる半終止、a-mollのまま

42:30~ 22小節、Re♯はMi第V音を目指す〔ドッペルドミナント〕

42:53~ 〔DD5↓7〕第V音下方変位

44:10~ 〔イタリアン6th〕における〔増6度(減3度の転回)の音程〕

46:15~ 根音あるのが〔イタリアン6th〕、〔フレンチ6th〕は根音省略

47:11~ 属七みたいな響きに聞こえる〔ジャーマン6th〕は根音省略・第V音下方変位・第7音・第9音

 

49:29~ 25小節、(a minor)と思いきや(A7th)になる〔代理終止〕、J.S.バッハ《平均律1巻 第1番 前奏曲》

52:25~ 〔IV度調のV度〕、26小節は〔IV〕

53:35~ 26小節④拍目、Fa♯はC-Durの第IV↑音〔ドッペルドミナント〕

 

56:01~ 28小節、属七〔D7〕、29小節でまた〔代理終止〕

56:46~ 30小節、いきなり転調、(29小節④拍目に音が変わる)

57:45~ 31小節、b-moll〔D7〕、なので30小節は〔s6/II7〕、第VI音も〔性格音〕

1:00:58~ 32小節、いきなり転調、es-mollの〔s〕

1:02:29~ 34小節、〔イタリアン6th〕、Sol♯ はd-mollの〔ドッペルドミナント〕で転調

 

1:06:48~ 37小節、また〔代理終止〕

1:07:52~ 36小節、dim.で落ち着かせて、37小節~〔5度の滝〕(C-Dur)

1:09:50~ 〔5度の滝〕、Bassが5度下がり続けるゼクエンツ

1:11:53~ 40小節、〔S7,11〕あるいは最高音Siは〔倚音〕

1:15:09~ 39小節、左手Bassが単音の時は、落ち着き気味の音

 

1:16:28~ 42小節〔III7〕〔VI7〕、43小節〔II7〕〔D7〕、44小節〔T7〕〔S7〕

1:17:30~ 45小節と41小節は同じ和音、41小節はC-Durの〔II6〕、45小節はa-mollの〔II7〕

1:20:03~ 45小節は「fフォルテ」でa-mollに転調

1:21:14~ 42小節、まだC-Durのまま、「cresc.」と書いてあったら【pピアノにする】裏技・奥儀

1:22:52~ 44小節、〔T〕だけど全終止で減衰しないで「cresc.」で転調a-mollを目指す

1:23:42~ 46小節、Re♯ 〔ドッペルドミナント〕、47小節は〔D〕だから減衰気味(大きく弾かない)

 

1:25:45~ 49小節、〔再現部〕、a-mollではなくC-Dur、48小節④拍目で転調、★〔D〕>〔T〕と落ち着く

 

1:27:19~ ★45&46小節、ペダルを踏み変えない、④拍目が音量の中に減衰する(踏み変えると次を大きく弾きたくなってしまう)

1:30:47~ 46小節の音量をよく聴いて、より47小節は落ち着く音量で

1:32:45~ 48小節、「dim.」と書いてあったら【fフォルテにする】裏技・奥儀

1:33:30~ ③拍目裏あたりから「*」=ペダル無し!? その後の〔D>T〕の減衰がし易い

1:36:10~ 「dim.」と「>」が両方書いてある、「>」は上半身の使い方で表現

 

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1:37:46~ 60小節③拍目、Mi♭に変わる、〔減七の和音〕がこの後多く出てくる

1:39:47~ ④拍目、La♭とFa♯ 〔増6、ジャーマン6th〕

1:40:39~ 60小節、★ショパンが「Ped」の後の「*」を書いていない時、奏者に委ねられている

 

1:42:47~ 62小節は半終止、63小節は再びFa♯〔増4度〕の音を強めに感じて

1:43:18~ 64小節、(F7th)はB-Durへの転調!?、Mi♭が③拍目に異名同音Re♯に変わり、a-mollの〔増4度〕として転調

1:45:10~ しかも〔イタリアン6th〕、アクセントが③④拍に2つあるから65小節の〔D〕が大きめになってもいい?(46小節の〔DD〕ではアクセントがなかったから47小節の〔D〕へ減衰)

 

1:47:31~ 67小節、Reはa-mollの第IV音〔s7〕、左手は単音だから強過ぎず

1:48:40~ 68小節、Sol♮が出てくることでC-Durに転調、左手オクターヴだから大事に

 

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1:49:20~ 69小節~、Coda

1:51:47~ 70小節、①②拍目はFa♯〔減七の和音diminish、IV度調のV度〕、③④拍目はSol♯〔減七、DD〕だから一瞬a-mollに転調? ちょっとした「心の闇」の表現?

1:53:28~ 71小節、Sol♮でC-Dur

1:53:55~ 72小節、Fa♯〔DD〕は③拍目〔D〕へ半終止

1:54:46~ 73小節、〔代理終止〕で〔IV度調のV度〕、

1:55:56~ 74小節、Fa♯〔DD〕、Re♭は〔倚音〕、③拍目アクセントを大事に④拍目に落ち着く減衰

1:56:41~ 〔IV度調のV度〕から〔ドッペルドミナント〕へ、〔DD〕から〔サブドミナント〕へ行っちゃう、当時からドイツ系の作曲家・批評家から批判を受けていた!?

1:59:31~ 76小節に「dim」。77小節の〔トニカ〕は落ち着くのがショパンの音楽性 (79小節フェルマータは⑥拍伸ばす?)

 

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▼ベートーヴェン【ピアノソナタ全32曲 楽曲和声解析】動画一覧▼ https://www.youtube.com/playlist?list=PL8FTK8c0NoEhrnP5arfRUU3nOC_q9qQ63

 

☆ 瀬川玄 Gen Segawa (@pianistGS) · Twitter▼ https://twitter.com/pianistGS

 

☆ ブログ 、音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」▼ https://blog.goo.ne.jp/pianist-gensegawa

 

☆ 瀬川玄プロフィール▼ https://blog.goo.ne.jp/pianist-gensegawa/e/9425cd34602248ab643083e80489c13c 


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