わがままZyZyの徒然日記

ペットロスから復帰中の父たまに娘が日々の出来事や想いを書いてます
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美しい生物学講義

2021-04-14 13:42:01 | 地球とか命とか
こんな本を読んでみた。


「若い読者に贈る」って書いてあるから、ちょっと気が引けたけどwww。
それはともかく、儂がこの本を読んでみたいなと思ったきっかけは、この本の第14章「進化と進歩」に出て来る「トカゲはヒトより優れている?」という所に、興味を覚えたから。もちろん、フトアゴヒゲトカゲのぼあちゃんを飼ってるからだけどw。
この章はこんな書き出しで始まる。

「そんなにヒトは偉いのだろうか」
私たちは、すべての生物の中で、ヒトが一番偉いとも思いがちである。・・・何を偉いと思おうが、それは人の自由である。・・・個人的な問題であって、一向に構わない。構わないけれど、それが事実だと言われると、少し問題が出て来る。・・・

そして、


 
脊椎動物の体に含まれるタンパク質が古くなってできて来る有害なアンモニアを、水中に住んでいる魚類は、周りの水に溶かして直接捨てられる。しかし、陸上生物はそれができない。そのため、人間を含む哺乳類はそれを多量の水に混ぜて捨てている(つまり、オシッコ)。爬虫類や鳥は、それを水に溶けない尿酸に変えているので、捨てるために水をほとんど使わない。陸上生物にとって水を手に入れることは大変なことなのに、哺乳類はその水をたくさん捨てているが、爬虫類や鳥類は水を捨てずに済んでいる。つまり、爬虫類や鳥類は、哺乳類よりも陸上生活に、より適している。
・・・・・
系統樹A(上の写真)だと、ヒトは進化の最後に現れた、一番優れた生物であるかのような印象を受ける。しかし、陸上生活への適応という意味では系統樹Bの方がわかりやすく、これだとニワトリが一番優れた生物であるかのような印象を受ける。
「走るのが速い」ことを「優れた」と考えるなら、一番優れた生物はイヌ、「泳ぐのが速い」ならコイ、「計算が速い」ならヒトと、何を「優れた」と考えるか、つまり何を「進歩」と考えるかによって、生物の順番は入れ替わる。

といった内容のことが書かれている。
儂、これってまったく正しいことだと思う。と言うか、昔からこういう考え方。
さらに、

いろいろと考えてみると、客観的に優れた生物というものは、いないことがわかる。陸上生活に優れた生物は、水中生活に劣った生物だ。走るのに優れた生物は、力に劣った生物だ。チータのように速く走るためには、ライオンのような力強さは諦めなくてはならない。
そして、計算が得意な生物は、空腹に弱い生物だ。脳は大量のエネルギーを使う器官である。私たちヒトの脳は体重の2%しかないにもかかわらず、体全体で消費するエネルギーの20~25%も使ってしまう。大きな脳は、どんどんエネルギーを使うので、その分たくさん食べなくてはいけない。もしも飢饉が起きて農作物が取れなくなり、食べ物がなくなれば、脳が大きい人から死んでいくだろう。だから食糧事情が悪い場合は、脳が小さい方が「優れた」状態なのだ。

と続く。
儂、やっぱり今こそ、この地球で一番優れているのは人間だという価値観を変えるべき時だと思うんだよね。

これ以上書くと、ネタバレ、いや著作権侵害とかにもなりそうだからやめておくけど、とにかく面白い。
もちろんこの本は、こんなことばかりが書かれているわけじゃない。上述したこと以外にも、今流行の免疫のこととか、あるいはがんのこととか、あるいは一気飲みのこととかw、いろいろと興味深いことがたくさん書かれている。
そして、本の帯にある推薦者の名前を見てもわかるように、その筋の専門書ではないので、誰にでもわかると思うし、生物に興味がある人や動植物が好きな人が読めば、絶対に面白いと思うはず。

儂、「生物学」っていう括りの本を読んだのは、大学受験の時と大学1年の時以来かも。儂の専門分野は「生物学」や「化学」なんかが基礎になるから、その後もずっとなんらかの形で関わりはあった。でも、専門が進むにつれ、だんだんと限られた領域や範囲のことばかりになって、例えば、「遺伝」と付く事柄だと、遺伝子、さらにRNAとかDNAのことは勉強してたけど、いわゆる遺伝学はまったく記憶の外、といった感じだった。
だから、この本を読んで、いわゆる生物学のことをもう一度おさらいできて良かった。忘れてた事も新しく知ったこともたくさんあって、とっても勉強になりました。

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6 コメント

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Unknown (アコ)
2021-04-14 13:55:44
へーー!
でも、確かに、見方を変えれば見る世界が変わりますよね!
人間は全然偉く無いですよね。むしろ害だなぁと思うくらいで…
でも進化して、人間社会になんかなっちゃったから、偉いってなってるんだろけれど、二酸化炭素は出すし、なんと、おしっこまで害だとは…(∥ ̄■ ̄∥)
にゃんこやトカゲさんたちは生きるということだけで、欲もなく持ち物もない。スッキリ生きていていいなぁと猫を見ていつも思います。しかも人に癒しまで与えてくれてる。素晴らしい生き物ですよね^^
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>アコさん (Tristan)
2021-04-14 14:16:44
そうなんです。
人間って、実は意外と良くできてないんですよね~。
それがたまたま知能なんていうものを身に着けてしまったので、偉そうにしてますけど、その知能の所為で、食糧難になれば真っ先に滅びるかもしれないっていうわけです。
水も無駄に捨ててるしw。

私もうちの子を見ていて、この子達の方がよっぽど仏さまの教えの通りに生きてるんじゃないかって、いつも思っちゃうんですよね~。
仰る通り、欲も持ち物もないし、執著っていうものがないと思います。
>人に癒しまで与えてくれてる
まったく
この通りだと思います。ホントにすばらしいです\(^o^)/
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こんにちは♪ (マリコ)
2021-04-14 15:35:19
この本の趣旨とは違うと思うけど、私も人間が万物の霊長と名乗るのは間違って居ると思って居た。
誰が名付けたのか知らないし、どんな思いでそう思ったのかもわからないけど、動物たちと一緒にいると、どんなにつらい病気をしても、じ-っと黙って頑張っているから偉いなぁと思う。
人間もあっさり、きっぱりできたらなぁと動物たちの神々しさに打たれっぱなし。
もうここらで、人間を頂点に置く考えをやめて欲しい。
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>マリコさん (Tristan)
2021-04-14 18:03:10
こんにちは。
いやいやいや、まったく仰る通りです!!!
この本というか、この章にはそういう意味合いもあるんじゃないでしょうかね。それを生物学という科学で客観的に説明していると思います。
多分、生物学者と言われる人達の多くは、こういう考えだと思います。(第2弾も書こうかなと思っていますw)
人間はちっとも偉くないですもん。
この本に「ヒトは地球に何をしてきてか」というところがあるのですが、ここを読むと、やっぱり地球にとって人間は害なのかなと思ってしまいます。もっともそれで人間自身も滅びると思うんですけど、他の生物を巻き添えにする権利はないと思うんですよねえ。

ホント、マリコさんが書かれた通りだと思います!!!
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Unknown (mamesuama)
2021-04-15 00:22:40
おもしろいです!

人間も生き物の一種なはずなのに、道具を使う便利さからか。無駄は多いし欲も強い( ˘・з・)他の生き物からしたら災いでしかない進化をしましたよね( ˘・з・)でも、たいして優れていないとは嬉しい話です(*・艸・)本屋産で探してみます!

関係ないですが、遺伝の話になるとカメは爬虫類から外れます(〃ω〃)
さらに関係ないですが、ネットで鬼滅の刃が現代の法話という記事を読んでおもしろかったです!仏教の要素が強いんですね(°▽°)
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>mamesuamaさん (Tristan)
2021-04-15 08:23:24
今の人間が一番愚かだなと思うのは、自分たちは他の生物とは違う存在だと思ってることだと思うんですよね~。もちろん全員じゃないですけど、偉い人や権力がある人ほど、その意識が強いんじゃないでしょうかねえ。
こういうことがわからない人間は、決して優れてなんかいないと思います。

カメさん達は遺伝子的にはずいぶん最初の頃に恐竜なんかから分かれ始めたんですよね。だから、他の爬虫類とはずいぶん違うんですよね~(◎_◎;)。

鬼滅が現代の法話と言われているのは、初めて知りました!
そう言われれば確かにそうかもですね~。
命なんてはかないものだけど、それでも、いや、だからこそ必死に生きなくちゃいけない、決してあきらめちゃいけないとか、仏さまの教えの通りだし、鬼は煩悩の塊っていうことですかね。
なんか、ちょっと別の見方ができました。ありがとうございました(^O^)
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