臨床心理士の第一歩

2015年に臨床心理士(CP)試験に,2018年に公認心理師試験に合格しました。もうすぐ68歳。CP5年目の更新年です。

◆失言暴言大賞

2015-12-02 13:22:28 | 女性の人権
私は文芸評論家,斎藤美奈子さんの評論の大ファン。

12月から,朝日新聞から東京新聞に変えて一番の楽しみは,
斎藤さんのコラムだった。
(と,言いたい。実はあまり意識していなかった
でも,斎藤さんの評論は読むと,まず必ず納得してしまう!)

◆失言暴言大賞(東京新聞 2015.12.2)
東京新聞の斎藤美奈子さんのコラム「本音のコラム」より抜粋させていただきます。
今回はソフトな感じがするが,忘れてしまってはいけないものばかり。

1.字面に拘泥

衆院憲法審査会で憲法学者3人が安保関連法案を違憲と判断
 ↓
高村正彦自民党副総裁の発言
「憲法学者は九条二項の字面に拘泥する」
 ↓
斎藤さん
学者が字面に拘泥せず何に拘泥する?


2.たくさん
170名の憲法学者による法案反対声明に対して。
 ↓
菅義偉官房長官
「(合憲とする)憲法学者はたくさんいる」
 ↓
斎藤さん
「たくさん」の内実は3人だけというお粗末。


3.憲法を法案に

中谷元・防衛相
「現在の憲法をいかにこの法案に適応させていけばいいのか」
 ↓
斎藤さん
「てにをは」を取り違えただけで,こんなに意味が変わるという見本。
(本心だったんじゃない?)


4.法的安定性
 
礒崎陽輔首相補佐官
安保法案の合憲性について「法的安定性は関係ない」
 ↓
斎藤さん
自分が何を言ったのかわかっていたのかな。


5.利己的考え
自民党の武藤貴也衆院議員
SEALDsの活動に対して「『だって戦争に行きたくないじゃん』という自分中心,極端な利己的考え」
 ↓
斎藤さん
民主主義のイロハをご存じなかったようで。


斎藤さん
こういう発言を経て成立した法律。爆ですよ,ほんと。


<由良理人のその日暮らし日記>というブログをたまたま見ると,
斎藤さんの以下の「本音のコラム」が紹介されていた。
(由良理人さん,すみません。勝手に引用させていただきました)

1901年に出版された、幸徳秋水「二十世紀の怪物 帝国主義」の、光文社古典新訳文庫の現代語訳(山田博雄訳)を紹介していっての結びの言葉がこれだ。

「秋水は主張する。政治家が軍備拡張に走る動機は『自国民の保護』なんかじゃない。『その動機とは、一種の熱狂、意味のない誇り、好戦的な愛国心であり、それがすべてである』。ほらね、まったくいまの政治家みたい」 
(2015.7.29のコラム)


<スポーツ・遊び・体・人間>というブログでは,
“中立って何”が書かれていた。
(スポーツ・遊び・体・人間さん,すみません。勝手に引用させていただきました)

「二十一日のNHK午後七時のニュースが『”政治的中立への配慮”が相次ぐ』と題して講演会や展示会に対する自治体の対応を報じていた」

「この件が暗に発するメッセージは『政治的な意見を持ってはいかんよ』『政府に楯突く意見などもってのほか』という言論統制が平気でまかり通っている現実だろう。
 笑っちゃうのは,この種の『配慮』には熱心な自治体が,選挙になると急に投票を呼びかけるバカバカしさだ。『政治的に中立』で,どうやって誰かひとりに投票するのさ。このように建前と本音を使い分けるダブルスタンダードが人々の政治離れを助長する。投票率が低いと嘆く資格はないよ。」
(2014.4.23のコラム)

いや,まったくその通り!!






◆流行語大賞 ◆ブラック企業大賞

2015-12-02 10:57:44 | エトセトラ
◆流行語大賞

ユーキャンの新語・流行語大賞は,
「爆買い」「トリプルスリー」だとか。
トリプルスリーって,えーっ?っていう感じ。
別に新語でも流行語でもないよなー

今年は政治に関連する言葉がたくさん上がっており,
そちらのほうがよっぽど新語・流行語なんだけど,自主規制したのか?,どうしたのかな?
トップテンの「SEALDs」,「アベ政治を許さない」の他には,
「五郎丸(ポーズ)」「一億層活躍社会」「ドローン」「エンブレム」等々。

五郎丸さんはカッコいいけれど,
以下の記事を見るとげんなり。
自民式典に五郎丸選手
カッコよさが消え去った!

候補の言葉として以前発表されたものは,以下らしい。
今年はこれほど「戦争法案」への関心が高かったのだろう。

・粛々と
・切れ目のない対応
・存立危機事態
・駆けつけ警護
・国民の理解が深まっていない
・レッテル貼り
・テロに屈しない
・早く質問しろよ
・アベ政治を許さない
・戦争法案
・自民党、感じ悪いよね

こんな記事もある。

「流行語大賞決定でネトウヨがまた的外れ攻撃! ベスト10 に「アベ政治を許さない」「SEALDs」が入っただけで…」
LITERA 2015.12.02


◆ブラック企業大賞
これをもっとたくさん報道して欲しいけど,
どうもほとんど報道がないらしい。
以前ワタミが入った時などはかなり報道されたと思うが,今回の報道されなさは,なぜか?

ブラック企業大賞

上記サイトによると,
ブラック企業大賞とは以下。

パワハラ、セクハラ、残業代未払い、長時間労働、派遣差別、偽装請負・・・。日本の労働環境はいまますます悪化の一途をたどっています。それらの職場はここ数年で「ブラック企業」と称され、社会的にも注目されつつあります。しかし個別事例の調査やその問題の発信・解決も簡単ではなく、ブラック企業で働く当事者は、不当な処遇を受けていても声をあげられる状況ではありません。さらにはブラック企業を生み出す社会・経済的な構造についての分析や提言についても不十分であるため、きわだったブラック企業の存在は一時的に取り上げられても、企業全体・働く場全体の質の向上にはなかなか結びついていません。そこで私たちは、ブラック企業の個別の事例はもちろんのこと、それら企業を生み出す背景や社会構造の問題を広く伝え、誰もが安心して働ける環境をつくることをめざして「ブラック企業大賞企画委員会」を立ち上げました。


【ブラック企業を見極める指標】
●長時間労働
●セクハラ・パワハラ
●いじめ
●長時間過密労働
●低賃金
●コンプライアンス違反
●育休・産休などの制度の不備
●労組への敵対度
●派遣差別
●派遣依存度
●残業代未払い(求人票でウソ)
※ただし多くのブラック企業が上記の問題を複合的に持っているので、判断する際も総合的に判断する。


うん,うん,絶対必要事項があがっている!!

ブラック企業大賞企画委員会
●古川琢也(ルポライター)
●白石 草(OurPlanet-TV 代表)
●河添 誠(首都圏青年ユニオン青年非正規労働センター事務局長)
●佐々木亮(弁護士)
●川村遼平(NPO法人POSSE事務局長)
●松元千枝(レイバーネット日本)
●内田聖子(アジア太平洋資料センター〈PARC〉事務局長)
●須田光照(全国一般東京東部労組書記長)
●水島宏明(ジャーナリスト・法政大学教授)
●竹信三恵子(ジャーナリスト・和光大学教授)
●土屋トカチ(映画監督)


しっかりした方々だ!!

これこそ報道すべき内容でしょうに,なぜ報道されない?
マスコミはコマーシャルに大金を出す企業に強く出られない。
私たちが有用な情報を得ようと思うときは,
マスコミは役立たないということの証だなあ。


ノミネートされた会社は以下。

株式会社セブンイレブンジャパン
暁産業株式会社
株式会社エービーシーマート
株式会社フジオフードシステム
株式会社明光ネットワークジャパン(明光義塾)
株式会社引越社関東(アリさんマークの引越社)


会では,DVD『ブラック企業にご用心!』も作っている。
キャリアカウンセラーとしては,中学生ぐらいのキャリア教育に取り入れたいなあと思う。
教育委員会さん,買ってくださーい!

アジア太平洋資料センター「ブラック企業にご用心!―就活・転職の落とし穴」

2008年に26歳の新人女性社員が自死したワタミ過労自死事件、同じ年に起きた民間気象予報会社ウェザーニューズ過労自死事件、コンビニエンスストアSHOP99の「名ばかり管理職」事件、フォーカスシステムズの飲酒事故裁判に象徴されるSE業界に蔓延する超長時間労働...。
私たちが普段利用する商品やサービスの現場で引き起こされている事件の数々とその実態はあまり知られていません。事件の当事者・ご遺族、そして専門家へのインタビューによってブラック企業の実態と、それを生み出す社会構造を明らかにしていきます。


★相談窓口も載っている。

相談窓口一覧

LITERAには,以下の記事がある。

「セブン-イレブンのブラック企業大賞受賞をマスコミが完全無視!
最強セブンタブー支配されたメディアの実態とは」

LITERA 2015.11.30

今回の受賞理由にも挙げられているが、セブンイレブンでは奴隷契約のような本部有利のフランチャイズ契約に追いつめられ、加盟店オーナーの自殺も続出し、契約のしわ寄せがさらに末端にまで及びアルバイトも低待遇で酷使されている。フランチャイズシステムそのものに搾取の構造が組み込まれており、個別の案件だけでなく、本来ならセブンイレブンの企業体質そのものが問われてしかるべき問題だ。

 自殺者まで出ているにもかかわらず、セブンイレブンのブラック体質が一向に改善されないのには、このメディアにおけるセブンイレブンタブーの影響も無関係ではない。

 本サイトでも繰り返し指摘したが、ひとつはセブンイレブンの巨大広告費の存在が大きい。たとえば2014年2月期には524億円もの広告費が投入されるなど、マスコミとってセブンイレブンは貴重な大スポンサーだ。