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pcfx復活ブログ

チェルノブ 戦う人間発電所

2011年07月25日 | げーむ
CPUに68000と6502、音源チップは2203と3526及びPCMという、データイーストらしいバランス
の良い組み合わせで動くゲームが「チェルノブ」だ。1988年に登場した。

ゲームについては適当にググってwikiでも読んでもらうとして、ここでは基本知識があるもの
とした上で話を進める。



このゲームはとかく「チェルノブイリ原発事故」と一緒に語られる。このゲームが出ようと
出まいと、原発が危険なものであることに変わりはない。不謹慎厨はいつの時代にもいるが、
「良識」を軽薄に弄ぶ者は愚かであり、問題にすべきはパロディではなく技術開発と政治だ。
原発反対派や良識派がバカなのは、この基本をいつも見失っている点で証明される。



で、ゲーム自体は操作にクセのあるアクションゲームであり、プレイヤーキャラである
「チェルノブ」は走り続ける。レバーを入れなくても勝手に走るので後退ができないのだ。
この「後退できない」という要素が原発そのものであり、エネルギー需要に奔走する
インフラの象徴が見事なエスプリとなっている。このゲームがゲーセンに出回った当時、
マップ画面下部に表示される「Lets GO GO GO」という言葉がゲーマーの間で流行った。
GOが1つだと単に「進め」であり、2つだと「速く進め」で、3つだと「止まるな」という
ニュアンスになる。今はどんなに困難でも、核エネルギー開発なくして人類が人類たりえる
未来などない。現世は後退している場ではないのだ。



このゲームの得点要素に「円高ドル安」というものがある。コインが二種類あり、円コインの
ほうが得点が高い。チェルノブが仮にロシア人だったして、道に1万円札と100ドル札が合計総数
10枚落ちている場合、外資が欲しいロシアとしてはどちらが欲しいのだろうか。
因みにこのゲームを開発していた1987年の為替相場は大体140円台だった。



ゲーム自体の難度はさほど高くない。操作にさえ慣れればそのうちにクリアできる程度だ。
武器はそれぞれクセがあり、またジャンプもパワーアップしていくのでゲームの展開は
流動的だ。完璧にパターンを作らなくても臨機応変なプレイができる。

最終ステージでは、アメリカの象徴である「自由の女神」の頭部が破壊される。タイトル画面に
表示されるのがソ連の国旗である事を考えると面白い。またエンディングの最後に出る「エンド」と
巨大なカタカナが表示されるのも印象的だ。このゲームの国内版には、日本語・英語・ローマ字
と、このカタカナ表記が混在していて面白い。他社ではちょっと見られない、データイースト
ならではのデザインだ。





現在では基板・X68000・メガドライブでプレイできる。メガドライブ版はストーリーなどが
変更されてマイルドになっている。基板で遊ぶのがお勧めだ。