まだまだ桜は咲きませんが桜のお話。
桜という木は春に葉っぱより先に花を咲かせます。
「花が散って葉桜になった」といいますよね。
木は葉っぱがあってはじめて養分がとれるので、長い冬の後に花を真っ先に咲かす桜のような木は人間で言えば・・・飲まず食わずで何日か過ごし、その後に全力でフルマラソンを走るようなものです。
ですので桜で何百年も生きることが奇跡的な事なんです。
岐阜県の庄川村に庄川桜という樹齢4百数十年という桜があります。
ダムに沈んでしまう中野村にあった2本の桜なんですが、住民の気持ちを少しでも和らげようと電力開発株式会社の初代総裁で通産大臣も経験した高崎達之助氏が私費を投じて移植を決意。
ですがどの大学の教授も引き受けてはくれない。最後に民間の桜研究家として名高かった笹部新太郎氏が引き受けた。
ちなみに笹部氏は大阪造幣局通り抜け桜の育成管理で実績がある人です。
この時高崎氏75歳、笹部氏73歳。
すごいすごすぎる。私は自分が恥ずかしくなります。
世の中の学者はこぞって失敗すると言うは工事も難航を極めました。
一本の桜は38トン、もう一本も42トン。
がなにより2人を悲しませたのが村人の「このまま死なせてやればいいのに荒縄でグルグルまいて、わざわざ山へ連れ出して殺すなんてむごい事じゃ」という言葉。
が2人の老人の命がけの執念に桜は翌年にほんの少し花を咲かせ、数年後には以前よりも勝るとも劣らないくらいの新芽を吹き、しっかり花を咲かせたそうです。
各地に散らばっていた荘川村の人達が満開の桜の下に集まった時に、1人の老女が桜に近づき、樹皮をなでまわし声を上げて泣き崩れたそうです。
「おーい。タノムワーイ、タノムワーイ」と。
花が咲いてない時は行った事がありますが・・・今年は行ってみようかな。
福井の良材屋の明日はどっちだ!
ぽちっ