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「でにをは」別口入力・三属性の変換による日本語入力 - ペンタクラスタキーボードのコンセプト解説

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テンキーの配置はライト作法のユーザーを意識したもの

2022-08-05 | アルファベット液晶入力+テンキー部

前回記事でテンキーに触れたのでここらあたりをさらに掘り下げていきたいと思います。
一般的なPCのキーボード右側のテンキー部には加算(+)、減算(-)、乗算(*)、除算(/)の記号に加えて
NumLockキーが必須となっておりますがペンタクラスタキーボードではタイピング用途・場面というのをゼロベースから考え直して
吟味・検討を重ねてまいりました。

まずNumLockキーについてはNumLockがオフになっているときに←↑→↓のポインタ操作を代替する用途があるためだとは思いますが
この用途は今では廃れて形骸化しているので思い切って除外しました。
最悪マウスポインタが使えないときであってもタッチ液晶部というのがありますし形式主義的に墨守しても仕方がないとの判断です。

代わりに何を入れたかというと、「~」(波ダッシュ)であります。
波ダッシュには似たようなマークの全角チルダとの競合・混用問題が影を落としており
文字コード界隈でもはっきりしない領域なのでアンタッチャブルな存在だとは思うのですが
ペンタクラスタキーボードでは文字コードから抜本的な見直しを進めていくためにかえってこういう"境界線上の"懸案というものに
きっちり決着をつけていきたいという動機も手伝ってかこうして打鍵単打の一次レイヤーの操作体系として大胆に取り込んでいこうとの方針であります。
特に日本語の長音(ー)の代替として(~)が使われる頻度も高く、また日時・時刻・タイムテーブルの表記として
縄文~江戸、10:00~12:00、エスカ&ロジーのアトリエ~黄昏の空の錬金術士~ のような副題部の括弧相当のような使い方も一般的となっているため
日常での頻用性、要請性も高いニーズがあるので新キー案の筆頭事項にあげても文句はないでしょう。

次に四則演算記号についてですが
(+)(-)はいいとして(×)記号については盤面手前の別口入力部にある
(〇R)キー、(×r)キーの刻印をうまく利用して、+シフト押下時に「〇記号」と「×記号」を素早く出せるようにする、というベースがあります。
ちなみに、「×記号」はもちろん言うまでもなく掛け算記号、倍率記号としても使われるばかりではなく(*よりもむしろこっちが重要)、
商品名やタイトルの表記やカップリング表記に欠かせない要素となっているのは日本語環境で特に意識される潮流なのではないでしょうか。

【参考:かける記号のつくアニメタイトルや曲名】
LOVE×HEAVEN
れでぃ×ばと!
ひだまりスケッチ×☆☆☆(ほしみっつ)
SPY×FAMILY
黄昏乙女×アムネジア
サーバント×サービス
ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS
ペケ×ポン
Answer×Answer
妖狐×僕SS(いぬぼくシークレットサービス)
HUNTER×HUNTER
ハイスクールD×D
荒川アンダー ザ ブリッジ×ブリッジ

…で、本来の「*」(アスタリスク)での乗算記号のほうですがこれは義理でテンキー部に入れておいてあります。
まあエンジニアぐらいしか使う人はいないと思いますが項目マーカーの足し程度には使えるので良しとしましょう。

さらに話を進めまして割る記号なんですがこれは拙案では(/)と(÷)の両方がエントリーしております。
÷を使っているのは日本だけのローカルな事情なので国際基準の/を使うべしとの意見もあるようですが
/は用途が煩雑で日付や分数のほか接続詞的用法や列挙提示、URLの区切り記号などテキスト読み上げのときに解釈ゆれで難儀する場面もみられると思うので
読みが固定されている÷は温存しておいたほうがいいと思います。ですのでテンキー部のリソースを使うに値する併存を許容するものとします。

そして小数点(.)とカンマ(,)についてですが結果から言うと小数点(.)だけを採用することとなりました。
ペンタクラスタキーボードではヘビーなオフィスユース/テックユースというのは想定していないので桁数区切りやCSVなどをしこしこ入力する必要性をあまり感じなかったからです。
小数点につきましてはヌーメリックの運用として依然として1.5倍であるとか円周率3.14であるとか50mmF1.8レンズであるとかweb3.0などの多様な表記は担保すべきである
との判断からこちらのほうを採用するに至りました。こちらも"表記優先主義"を念頭に置いての措置であります。

そして最後のコロン(:)についてでありますがこれはもちろん時刻をタイプするのに必須の記号でありモードの切り替えを意識することなく常に単打で入力させるようにするために当然の措置です。
これは先項の(/)と(:)と(~)の合わせ技で
2022/8/4 20:30~集合
などのように全部入りにしてこそ真価を発揮する表記の重要な勘所であります。

あとついでに言えば、テンキー由来の入力数字は、常に半角数字にタイプすることを原則とします。
全角数字に関してはタッチ液晶部からの数字キーがありますのでこちらで明確に住み分けしていけば良いでしょう。

できれば累乗の記号「^」もテンキー入りさせたかったのでありますが、これはタッチ液晶・英数のときの状態=文字セットBで収録してあるのでこれで対応していけそうです。
あとイコール記号「=」もすでに物理盤面左上方にあるので重複を避ける意味で無理に配置せずとも良いでしょう。
計算機のような使用場面・動作にこだわりすぎてテンキー盤面を愚直にひと揃えさせるのも融通が利きませんし
キーはあらゆる表記の段に備えて「=」などの汎用記号はメイン盤面に据えてどしっと構えているほうが計算以外の表記場面に対応できる"ひらけた"物理配置であると思います。

重ねて申し上げてきましたが文字は表記をその目的としてその用を満たせればそれでいいのです。
関連性があるから隣接して配置…などはつい整理・把握したがる人間心理なのではありますがそこにはとらわれずに
純粋にパーツの連接相関度だけでメイン盤面/テンキー盤面/タッチ液晶部などの守備範囲の適材適所に住み分けていければよいと思います。

テンキー周りにはトピックはまだまだ着眼点というものがあって、今稿では書ききれませんでしたが
シフト押下時のテンキーの文字資源というものにはまだ未踏の可能性を秘めている分野であると思いますので
まだまだちょっとだけ、続きます。

次回は発展的考察として「シフト押下時のテンキーの文字セットについて」
いろいろ追求していきたいかと思います。
よろしければどうぞお付き合いください。

 

 


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