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papalion - 航海日誌

東京で活動するライブバンド papalion(パパライオン)のブログです。

お遍路を自転車で・・・18(11日目3)

2007年06月04日 | お遍路を自転車で・・・
お遍路一覧(廻った順)ページはこちらから >>> ①徳島~高知編 ②高知~愛媛編

2006年の秋、自転車でお遍路四国八十八ヶ寺を廻った話の続き。

写真は、お遍路を始めて12日の朝、元気酵素風呂そばの三堰キャンプ場で迎えた早朝の1枚。

今思い出してて、高知を廻っている時間は特に気持ちよかった。晴天続きで秋空は心地よく、知ってる風景、知ってる音、知ってる匂い、知ってる日差しを感じながら、毎日走ってた。手元にある写真を見返しても、どの写真にも思い入れがある。

写真の三堰キャンプ場につくまでの11日目を思い起こすと、これまた大変だった。日暮れまじか17時ぎりぎりに37番寺岩本寺に着き、急いで参拝を済ませ、三堰キャンプ場に向かった。

途中の道路標識で、近くにキャンプができるような大きな公園がある事を知って、予定変更それだ!と走り回って探したが、無い!
もう日が暮れてしまって、1日走りつづけた疲労も限界。

地図のコピーを見直して、朝、このキャンプ場にしようと決めていた三堰キャンプ場に行くことにした。
ただ、少し道を戻る事になる。一応地図上では10kmに満たない程度だけど。。

暗闇の道路をひたすら1時間くらい走ったけど、なんにもキャンプ場の手がかりがない。
そうするうち、田舎では珍しい、この時間にまだやってるお店(酒屋さん)を見つけた。
夕食を買いつつ、お店のおばあちゃんに三堰キャンプ場の情報を聞く。
ありがたいことに、キャンプ場は存在してて、しかも、すぐそこだと言われた。
安堵感いっぱいで真っ暗闇を走りつづけた。
ただ、走っても走ってもなかなか見つからない。ひたすらに里山を上りつづけたら道が山道になり始めた。
少し人家があり、ガソリンスタンドがあった。そこでも三堰キャンプ場について聞いたら、すぐそこの温泉の隣にあるという話。
さて、また出た、すぐそこという情報。田舎でのすぐ近くってだいたい何キロくらいなんだろうか?

半ば諦めて、何も期待しないでゆるゆるとゆるーい坂道を上っていると、見つけた!小さい人家の中に酵素風呂の立て看板があり、進んで行くと原っぱに出た。どうやら三堰キャンプ場についたようだ。
安心と共に、身体の芯からさわやかな高揚感が持ち上がってくる。
やったーキャンプ場だ!!しかも温泉付きの!!

早くこの汗まみれの身体を何とかしてくれと、中にズカズカ入っていき、施設の人を探した。

しかし、残念な結果が待っていた。
三堰キャンプ場の隣の元気酵素風呂は土風呂で、堆肥で身体の老廃物を取り除く、療養的なお風呂だった。しかも19時過ぎ、もうお店はやってなくて、明日の準備がちょうど終わったところ、との事だった。

お風呂で汗を拭う事はできなかったが、その温泉の管理人の2人には色々お世話になり、酵素風呂も見せてもらったし、楽しい話も聞かしてもらった。

晩飯を一緒に街まで行って食べようようとお誘いを受けたが、疲れがピークに達していたので、もう眠たくて眠たくて、寝袋で寝たくて、断った。
今思い起こすと、無理にでも誘いに応じた方がもっと楽しかったんだろうなと思う。

続きは>>お遍路を自転車で・・・26で。
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お遍路を自転車で・・・17(4日目3)

2007年05月29日 | お遍路を自転車で・・・
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2006年の秋、自転車でお遍路四国八十八ヶ寺を廻った話の続き。

写真は、お遍路4日目に入ったわじき温泉の湯舟。

わじき温泉は、その日予定していた太龍寺行きを諦めて、その晩の寝床のわじきライン林間キャンプ場近くの温泉。
日暮れ頃、キャンプ場に向かいながら地図を見てて、わじきライン林間キャンプ場は近いな!と思って走ってんだけど、以外に遠く、迷ったりしながら町を越え、ようやく到着した。とりあえず挨拶がてらキャンプ場の管理ハウスを訪問したら、出迎えてくれた管理人さんはとても変わったおじさんだった。
管理人さんは、冬のキャンプ場休業期間、北海道に長い間キャンプをする人で、冒険家とまではいかないだろうが、アウトドアライフスタイルを実践して人生を楽しんでいる人だった。考え方ももちろん独自。管理をしているわじきライン林間キャンプ場も、自治体から請け負ってやっているのではなくて、自前で経営・運営しているオーナーだとのこと。
うまく説明できないが、東京ではまず出会ったことがない大人だった。

話し込んでいるうちに日も暮れ暗闇が覆い始めたので、早々にテントを張って、近くのわじき温泉に自転車で向かった。
途中、道が真っ暗で怖かった。山に囲われた真っ暗な闇の川沿いを自転車で走る感覚は、梶井作品で出会ってたようなイメージ以上で、恐怖以上に原始的な気分にすらなった。
真っ裸で自転車を漕いでいても誰にも気にされないような、そんな感じ。横は急峻な谷川、農道の一本道を、ほのかに見えるオレンジ色の一点に向かってそろそろ走る。ライトの射す辺りとオレンジ一点以外は全くの闇。自分すら見えない、目を奪われたかのような境目の無い感覚。

わじき温泉は人が少なく、浴場を1人で独占した。休憩所でゆっくりしてたら、いつの間にか温泉の食堂が終了してた。
この付近にご飯が食べられる場所など一切無い。しょうがないので、キャンプ場に帰り、常備していた即席ラーメンを食って、ビールを飲んで寝た。
キャンプするのは2回目で、寝袋が心地良く、キャンプ初日よりは落ち着いた感じで身体を休められた。

続きは>>お遍路を自転車で・・・13で。

お遍路を自転車で・・・16(13日目1.5)

2007年05月20日 | お遍路を自転車で・・・
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2006年の秋、自転車でお遍路四国八十八ヶ寺を廻った話の続き。

お遍路を始めて13日目、写真は、38番札所金剛福寺に向かって急いでいる午前中に立ち寄ったお遍路小屋。

お遍路小屋とは遍路道の途中にある休憩所、もしくは宿泊所。大体がお手製の小屋で、お遍路さんの休憩目的だけでなく、情報を得たり交換したりする場でもある。お遍路さん用のノートやメッセージボードが置いてあったりして、まあ、歩きつかれたお遍路さんのための癒しポイントだったりもする。基本的には地元の民間企業、個人・団体の融資で作られたものが多い。自治体が作ったものもあるんだろうけど、そんなに見かけなかった。四国の自治体公務員は、もっとお遍路さんに視点を向けるべきだ、なんて思ったりした。
この38番札所金剛福寺まであと数キロの場所にある遍路小屋では、定年を過ぎてお遍路を廻っている60代のおじさんに出会った。
お名前は聞かなかったけど、面白い話を聞いた。おじさんが言うには、学生時代に一度四国八十八箇所お遍路を廻ったことがあって、今回、お遍路を2回目で廻っているんだとか。昔は道路も整備されていなかったから、浜辺をひたすら歩いたり、苦難の連続だったとか。「今回の遍路は何日目ですか?」と聞くと、まだ2日目だと。区切り打ちをしているとの事で、37番札所岩本寺から2日目とのこと。「忙しくて八十八箇所を一気に廻れないんですか?」と聞くと、こんなに楽しい事を1回で廻って終わらせてしまうのはもったいないから、ちょっとずつ廻っている。と言っていた。
スケジュールを気にしながら一生懸命急いで自転車を漕いでいる自分の姿が、馬鹿っぽくみえた。あー。そうだよね。こんなにルーズな巡礼旅を空海は設定してくれてるのに、いつの間にか自分は、社会的な時間軸と合わせるように頭を働かして次のお寺に急いでる・・・
お遍路が自分にとって何なのかを考えさせてくれた、修行の地土佐での1コマです。

続きは>>お遍路を自転車で・・・28で。

お遍路を自転車で・・・15(16日目2)

2007年05月11日 | お遍路を自転車で・・・
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2006年の秋、自転車でお遍路四国八十八ヶ寺を廻った話の続き。

お遍路を始めて16日目、写真は鳥坂トンネルを抜けきった時の走行距離メーター。

お遍路を始めて、走行距離が1000kmを越えた時の記念の写真。鳥坂トンネルの長さは1117m。
写真でわかると思うけど、表示では距離が1000.3km。本当は1000kmピッタリで撮りたかった。一人で旅をしていると、そんな記念的な事が唯一の楽しみになってくる。
しかも鳥坂トンネルの中で今まで走った距離が1000kmを越えることは、事前にわかっていた・・・
しかし残念ながら、道は狭く暗く、車がすぐ横をビュンビュン走っているし、途中でストップして写真を撮る勇気はなかった。危険すぎだよ・・・
ある意味、無念の一枚でもある。

続きは>>お遍路を自転車で・・・21

お遍路を自転車で・・・14(3日目2)

2007年05月09日 | お遍路を自転車で・・・
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2006年の秋、自転車でお遍路四国八十八ヶ寺を廻った話の続き。

お遍路を始めて3日目、写真は14番寺の常楽寺で、参拝に向かうバスツアーのお遍路さんも一緒に撮影。

13番寺大日寺に到着してお寺に入ると、ちょうど、バスツアーのお遍路さんがこれから般若心経を唱えそうな雰囲気だった。そこに、ついでにまじって一緒にお経を唱えた。バスツアーお遍路のおばさんから「一緒に唱えてくれてありがとう」と言われた。ついでにまじってお経を唱えただけなのに、感謝されて驚いた。

自転車で廻っててみていると、お遍路さんにはバスツアーで廻る人たちが圧倒的に多い。日本各地から、いろんな宗派のお遍路一団が来て四国を廻っている。
お経の唱え方もそれぞれ違うし、先達さんの唱え方も全然違う。歌のように音程を上下させて唱える人たちもあれば、音程は一定で、ブレスを重視しながら低く唱える人たちもいる。一緒に唱えているのに、全然違う所を唱えているお遍路さんもいる。見ていて微笑ましいし、とにかく楽しい。

13番から14番寺の常楽寺まではものの15分くらいで着いた。丘の上の池の横にあり、岩が剥き出しの庭園のきれいなお寺。先ほど、一緒にお経を唱えた伊勢観光バスのバスツアーお遍路さんたちもいた。「あらあら~」なんて声をかけられながら、またまた一緒に唱えた。

15番寺国分寺も直ぐ近く。
またまた伊勢観光お遍路さんたちと一緒。国分寺というだけあって、仁王門、本堂、太子堂、鐘櫓等の建物はどれも歴史を感じさせる古い建物。伊勢観光お遍路さんたちと並んで移動する時間があったので、少し話をした。「自転車で廻るなんてえらいねー」と、ジュースを貰った。どこから来たんですか?と聞くと「芭蕉の里よ。」と芭蕉の里から村総勢で来た事を誇らしげに話してくれた。陽気で楽しいお遍路さんたち。言葉の壁は多少あっても、心の壁が全くない。
皆さんに挨拶をして、一足先に16番寺観音寺に向かう。
16番寺観音寺までも直ぐだったが、先ほどの芭蕉の里お遍路さんたちのバスに途中で追い越された。バスの中からみんな手を振ってくれた。なんてうれしいんだろうね。
観音寺に着いて、自転車を置いてお寺に入ると、芭蕉の里の人たちがこれからお経を唱えるところだった。
またまた一緒に般若心経を唱える。

17番寺井戸寺までは、距離的には数キロだったが、入り組んだ町で道に迷ってしまい、30分くらいかかった。
さすがに、もう芭蕉の里の人たちはいないかなと思いつつ仁王門前に自転車を置いて、お寺に入った。
すると、芭蕉の里のお遍路さんたちが参拝を終えてバスに乗り込んでいるところだった。またまた熱のこもった声をかけられて、「がんばってね~」と別れの挨拶・・・
温かい雰囲気に包まれたまま、その日予約した徳島市内のホテルに向かった。

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