いってらっしゃーい

日常生活の中でみかけたもの。街や野山はふしぎなもので満ち溢れています。

貞子

2010年08月01日 | 雑文
夜更けに会社から出るとき、白い壁に黒くて長いものがたれさがっているように見える部分に、いつも目が行って、緊張感を感じることがあります。ちょっと薄暗い場所なので、さらに奇妙な感じで、テレビからいきなり這い出して立ち上がった貞子のような感じです。これは、立体的なロールシャッハテスト的な体験で、これが何に見えるかは、おそらく人によってさまざまなのでしょう。
先日、化物 の話題を出しましたが、私は、この国のそういったものに関して、古典的な作品に出てくる、なくなってからも誰かを思って尽くしてしまうような、また、恨みを持ってなくなり、死んでもなおかつまだ恨みを晴らそうとするような、案外、日本人の感覚からみてわかりやすいものをイメージしていましたが、こちらの方が、鬼 という言葉を使って表現するものの意味が、ちょっと理解しにくいものであることがわかりました。このあたり、興味があるので、何人かにきてきて、あらためてわかったことを書かせていただくかもしれません。

変わり目

2010年08月01日 | 雑文
東京で夏をすごしている間、いつも不思議に思っていました。
なぜか、旧盆をすぎたあたり、女性の服装が、急に どうでもいいやー とでもいっているように、力が抜けた感じになるんですね。男性の場合は、そもそもそういうめりはりのきいた服装は許されていないので、あまり感じられません。夏服を新しく買う機会がなくなるせいでもあるんでしょうが、私には、季節の変化を敏感に感じ取って、いまは夏とよばれているけど、すでに秋になる寸前だもんね という皮膚感覚が、自然に服装に反映されているように感じられます。夏の緊張感にあきた、ささやかな抵抗という感じでしょうか。
こちでは日本よりもはやくから夏の季節感が感じられていますが、東京にいたときの旧盆の時期の感覚を、数日前に感じました。カレンダーでは、すぐに秋が来るとはとても思えないのですが、やたらに早朝からなき続けるミンミンゼミ、あるいているて、ときどき目の前を通り過ぎろ、ヤンマ が末尾につきそうな小型のトンボなど、なんだか、季節をさきどりした予兆のようなものを感じると、まだまだ夏はつづくんだよねと、空を見上げて思う日々でございます。