拙著の原稿を出版社(勉誠出版)にお送りしました。刊行は、秋以降になると思いますが、ご意見たまわれば、幸いです。
なお、各節のサブタイトルは、煩雑なので削除するつもりですが、一応、内容を推測していただくために、入れておきます。
読みにくい点は、ご寛恕ください。 森本 穫(おさむ)
第一章 死の影のもとに――〈魔界〉の淵源
第一節 両親の死 宿命の影
第二節 祖父三八郎の死 孤絶の意識
第三節 文学の萌芽 一夜の京都漂遊
第四節 少年の愛染 愛情に対する感謝
第五節 上京と伊豆への旅 漂泊の青春
第六節 運命のひと 伊藤初代 カフェ・エラン
第七節 「篝火」 喪われた物語
第二章 新感覚派の誕生――文壇への道
第一節 第六次『新思潮』の発刊 菊池寛の恩顧
第二節 「招魂祭一景」 視覚のあざやかさ
第三節 『文藝時代』発刊と新感覚派の誕生 文壇への挑戦
第四節 「伊豆の踊子」 〈孤児〉からの快癒
第五節 掌の小説と『感情装飾』 「海」と「二十年」
第六節 「春景色」と「温泉宿」 伊豆への惜別
第七節 「海の火祭」と「浅草紅団」 新聞連載の始まり
第三章 恋の墓標と〈美神〉の蘇生――自己確立へ
第一節 「水晶幻想」 奇術師の嘆き
第二節 「抒情歌」 愛の呪縛
第三節 「禽獣」「末期の眼」「文学的自叙伝」 迎えた転換期
第四節 「雪国」 愛のゆくえ
第五節 「母の初恋」 〈美神〉の蘇生
第六節 「名人」 死と芸術
第七節 「故園」と「天授の子」 新しい〈美神〉
第四章 戦時下の川端康成――自己変革の時代(一)
第一節 「東海道」の連載 古典への没入
第二節 「日本の母」 肉親を奪われた人たち
第三節 「故園」と「英霊の遺文」 魂のゆらぎ
第四節 源氏物語湖月抄 〈孤児〉の物語
第五節 鹿屋特攻基地 死にゆく若者たち
第六節 鎌倉文庫 文士の商法
第七節 終戦と島木健作追悼 山里厭離の心
第五章 戦後の出発――自己変革の時代(二)
第一節 「再会」と「生命の樹」 死者を胸に
第二節 三島由紀夫の登場、武田麟太郎の死 真の理解者あらわる
第三節 横光利一と菊池寛の死 恩人との別離
第四節 「住吉」連作の発端 住吉の地
第五節 源氏物語須磨の巻と「住吉」連作 漂泊流離の主題
第六節 昭和二十三年の川端康成(一) 生誕五十年
第七節 昭和二十三年の川端康成(二) 生涯の涯、生涯の谷
第六章 「住吉」連作――〈魔界〉の門
第一節 「反橋」と梁塵秘抄 仏はつねにいますれど
第二節 足利義尚、惟喬皇子、後三条天皇 悲劇を生きた人たち
第三節 「反橋の頂上」 〈魔界〉への通路
第四節 貴種流離譚 折口信夫との出逢い
第五節 「しぐれ」 二人で一人、一人で二人
第六節「住吉」と住吉物語 流浪と再会
第七節 「隅田川」 痛恨と断念
第七章 豊饒の季節――通奏低音〈魔界〉
第一節 「山の音」 末期の夢
第二節 形代の美学 源氏物語の流れ
第三節 菊子と民子 発想の源泉
第四節 「紅葉見」の巻 描かれなかった巻
第五節 「千羽鶴」 夢魔の跳梁
第六節 「幕」の意味するもの 「幕」と〈魔界〉
第七節 「波千鳥」 贖罪と浄化
第八章 「みづうみ」への道――〈魔界〉の最深部
第一節 「虹いくたび」 死に囲繞された百子
第二節 「舞姫」 隔靴掻痒のリアリズム
第三節「日も月も」 もう一つの京都
第四節「川のある下町の話」 悲しい少女の物語
第五節 「みづうみ」 〈魔界〉の彷徨
第六節 〈魔界〉の構造と〈美〉の由来 川端文学の極北
第七節 「みづうみ」と「住吉」連作 相似する主人公
第九章 円熟と衰微――〈魔界〉の退潮
第一節 「東京の人」「ある人の生のなかに」 波乱に富んだ名作
第二節 「眠れる美女」と中城ふみ子『乳房喪失』 凄絶な死
第三節 生命への渇仰 「眠れる美女」の主題
第四節 昭和三十年代の康成 円熟から衰微へ
第五節 「美しさと哀しみと」 愛の罪と罰
第六節 「古都」 京都と〈孤児〉の物語
第七節 「古都」愛賞 圧倒的な支持
第十章 荒涼たる世界へ――〈魔界〉の終焉
第一節 「片腕」 閉ざされた空間の物語
第二節 同時期掌編群 境界のない世界
第三節 「不死」 渇望の幻想
第四節 「雪」 裸形の内面
第五節 「たんぽぽ」 愛の相克
第六節 謡曲『生田敦盛』、生田伝説、浮舟
第七節 養女麻紗子の結婚と伊藤初代の死 一つの区切り
第十一章 自裁への道――〈魔界〉の果て
第一節 〈非在の空間〉への回帰 康成の内面世界
第二節 「地獄」「たまゆら」「自然」「無言」「離合」「弓浦市」 生と死の交流
第三節 「美しい日本の私」と「美の存在と発見」 日本の〈美〉を語る
第四節 「髪は長く」「竹の聲桃の花」「隅田川」 最晩年の願望
第五節 死に魅入られた日々 足音が聞こえる
第六節 昭和四十七年四月十六日 逗子マリーナ・マンション
第八節 白鳥の歌 追悼川端康成
第十二章 五年後の「事故のてんまつ」
第一節 『展望』の発売と反響 ノーベル賞作家の死の謎
第二節 『読売新聞』の演じた役割 お手伝いの少女を前面に
第三節 『週刊朝日』四月二十九日号 臼井吉見の抱負
第四節 『週刊文春』五月五日号 徹底した取材と報告
第五節 裁判のいきさつ 苦渋の選択
第六節 「事故のてんまつ」の差別 差別を商う者
第七節 研究史上における「事故のてんまつ」 文学的評価と位置づけ
エピローグ 三十五年後の『事故のてんまつ』――虚実と「縫子」をめぐる人びと
第一節 発端 二〇一二年五月
第二節 関係者たちへの取材 信州穂高へ
第三節 作品「事故のてんまつ」の虚実 ゆがめられた真実
第四節 「眠れる美女」「片腕」のモデル 恋の遍歴
第五節 まぼろしの母 複雑な生い立ち
第六節 過去からの遁走 「縫子」の半生
第七節 最後の恋 〈美神〉喪失
なお、各節のサブタイトルは、煩雑なので削除するつもりですが、一応、内容を推測していただくために、入れておきます。
読みにくい点は、ご寛恕ください。 森本 穫(おさむ)
第一章 死の影のもとに――〈魔界〉の淵源
第一節 両親の死 宿命の影
第二節 祖父三八郎の死 孤絶の意識
第三節 文学の萌芽 一夜の京都漂遊
第四節 少年の愛染 愛情に対する感謝
第五節 上京と伊豆への旅 漂泊の青春
第六節 運命のひと 伊藤初代 カフェ・エラン
第七節 「篝火」 喪われた物語
第二章 新感覚派の誕生――文壇への道
第一節 第六次『新思潮』の発刊 菊池寛の恩顧
第二節 「招魂祭一景」 視覚のあざやかさ
第三節 『文藝時代』発刊と新感覚派の誕生 文壇への挑戦
第四節 「伊豆の踊子」 〈孤児〉からの快癒
第五節 掌の小説と『感情装飾』 「海」と「二十年」
第六節 「春景色」と「温泉宿」 伊豆への惜別
第七節 「海の火祭」と「浅草紅団」 新聞連載の始まり
第三章 恋の墓標と〈美神〉の蘇生――自己確立へ
第一節 「水晶幻想」 奇術師の嘆き
第二節 「抒情歌」 愛の呪縛
第三節 「禽獣」「末期の眼」「文学的自叙伝」 迎えた転換期
第四節 「雪国」 愛のゆくえ
第五節 「母の初恋」 〈美神〉の蘇生
第六節 「名人」 死と芸術
第七節 「故園」と「天授の子」 新しい〈美神〉
第四章 戦時下の川端康成――自己変革の時代(一)
第一節 「東海道」の連載 古典への没入
第二節 「日本の母」 肉親を奪われた人たち
第三節 「故園」と「英霊の遺文」 魂のゆらぎ
第四節 源氏物語湖月抄 〈孤児〉の物語
第五節 鹿屋特攻基地 死にゆく若者たち
第六節 鎌倉文庫 文士の商法
第七節 終戦と島木健作追悼 山里厭離の心
第五章 戦後の出発――自己変革の時代(二)
第一節 「再会」と「生命の樹」 死者を胸に
第二節 三島由紀夫の登場、武田麟太郎の死 真の理解者あらわる
第三節 横光利一と菊池寛の死 恩人との別離
第四節 「住吉」連作の発端 住吉の地
第五節 源氏物語須磨の巻と「住吉」連作 漂泊流離の主題
第六節 昭和二十三年の川端康成(一) 生誕五十年
第七節 昭和二十三年の川端康成(二) 生涯の涯、生涯の谷
第六章 「住吉」連作――〈魔界〉の門
第一節 「反橋」と梁塵秘抄 仏はつねにいますれど
第二節 足利義尚、惟喬皇子、後三条天皇 悲劇を生きた人たち
第三節 「反橋の頂上」 〈魔界〉への通路
第四節 貴種流離譚 折口信夫との出逢い
第五節 「しぐれ」 二人で一人、一人で二人
第六節「住吉」と住吉物語 流浪と再会
第七節 「隅田川」 痛恨と断念
第七章 豊饒の季節――通奏低音〈魔界〉
第一節 「山の音」 末期の夢
第二節 形代の美学 源氏物語の流れ
第三節 菊子と民子 発想の源泉
第四節 「紅葉見」の巻 描かれなかった巻
第五節 「千羽鶴」 夢魔の跳梁
第六節 「幕」の意味するもの 「幕」と〈魔界〉
第七節 「波千鳥」 贖罪と浄化
第八章 「みづうみ」への道――〈魔界〉の最深部
第一節 「虹いくたび」 死に囲繞された百子
第二節 「舞姫」 隔靴掻痒のリアリズム
第三節「日も月も」 もう一つの京都
第四節「川のある下町の話」 悲しい少女の物語
第五節 「みづうみ」 〈魔界〉の彷徨
第六節 〈魔界〉の構造と〈美〉の由来 川端文学の極北
第七節 「みづうみ」と「住吉」連作 相似する主人公
第九章 円熟と衰微――〈魔界〉の退潮
第一節 「東京の人」「ある人の生のなかに」 波乱に富んだ名作
第二節 「眠れる美女」と中城ふみ子『乳房喪失』 凄絶な死
第三節 生命への渇仰 「眠れる美女」の主題
第四節 昭和三十年代の康成 円熟から衰微へ
第五節 「美しさと哀しみと」 愛の罪と罰
第六節 「古都」 京都と〈孤児〉の物語
第七節 「古都」愛賞 圧倒的な支持
第十章 荒涼たる世界へ――〈魔界〉の終焉
第一節 「片腕」 閉ざされた空間の物語
第二節 同時期掌編群 境界のない世界
第三節 「不死」 渇望の幻想
第四節 「雪」 裸形の内面
第五節 「たんぽぽ」 愛の相克
第六節 謡曲『生田敦盛』、生田伝説、浮舟
第七節 養女麻紗子の結婚と伊藤初代の死 一つの区切り
第十一章 自裁への道――〈魔界〉の果て
第一節 〈非在の空間〉への回帰 康成の内面世界
第二節 「地獄」「たまゆら」「自然」「無言」「離合」「弓浦市」 生と死の交流
第三節 「美しい日本の私」と「美の存在と発見」 日本の〈美〉を語る
第四節 「髪は長く」「竹の聲桃の花」「隅田川」 最晩年の願望
第五節 死に魅入られた日々 足音が聞こえる
第六節 昭和四十七年四月十六日 逗子マリーナ・マンション
第八節 白鳥の歌 追悼川端康成
第十二章 五年後の「事故のてんまつ」
第一節 『展望』の発売と反響 ノーベル賞作家の死の謎
第二節 『読売新聞』の演じた役割 お手伝いの少女を前面に
第三節 『週刊朝日』四月二十九日号 臼井吉見の抱負
第四節 『週刊文春』五月五日号 徹底した取材と報告
第五節 裁判のいきさつ 苦渋の選択
第六節 「事故のてんまつ」の差別 差別を商う者
第七節 研究史上における「事故のてんまつ」 文学的評価と位置づけ
エピローグ 三十五年後の『事故のてんまつ』――虚実と「縫子」をめぐる人びと
第一節 発端 二〇一二年五月
第二節 関係者たちへの取材 信州穂高へ
第三節 作品「事故のてんまつ」の虚実 ゆがめられた真実
第四節 「眠れる美女」「片腕」のモデル 恋の遍歴
第五節 まぼろしの母 複雑な生い立ち
第六節 過去からの遁走 「縫子」の半生
第七節 最後の恋 〈美神〉喪失
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