UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力が目覚めた件 410P

2024-03-23 19:17:36 | 日記
(俺は何を!?)
 
 いまさっきついた言葉が信じられないように桶狭間忠国は口を抑えた。まるで自然に、いや……そう言うべきであるかのように、勝手に「そうか」と口に出してしまってた。
 桶狭間忠国の視界にはまだ困ってる女性が写ってるというのに……だ。それは彼には信じられないことだった。
 
(今の……それがこの女の『力』か……)
 
 桶狭間忠国は何かおかしい『力』があると理解してる。野々野足軽は何も詳細には語ってくれない。だが、あれはきっと『神』的な何かだとおもってる。だからこそ、そういう存在が存在してると桶狭間忠国は認識してる。
 そしてこの眼の前の妖艶な女性……この人にも桶狭間忠国は不思議な力がある――と確信した。
 
「どうしたんですか? ここは大丈夫なんですよ。さあ、お仕事に戻ってください」
 
 耳に自然と入ってくる……そんな声。優しい声音……一見すると、何も問題なんて無いように思える。
 
(はっ!?)
 
 桶狭間忠国は気付いた。それは周囲の変化だ。さっきまでこの二人のやり取りに皆が注目してた。揉めてたようだったから、心配してたんだろう。だからこそ、桶狭間忠国も気づいた。けど今はどうだ? 今の彼女の言葉がきっかけだろうか? 誰ももう足を止めてない。いつもの駅前の風景に戻ってる。何も状況的には変わってないのに……これは……
 
(きっとあの存在は意識を操れる! ヤバいな……だがどうして俺はそれに気づいた?)
 
 そこで「ふっ」と桶狭間忠国は笑った。確信したからだ。
 
「神よ、我を見守ってくださってるのですね」
「「はい?」」
 
 朝倉先輩もそうだけど、悪魔の女性も同じ様に言葉を出した。なにせいきなり現れた大男が「神」へとなんか言ってるのだ。それはこういう反応にもなる。そもそも見た目だけなら完璧に神に反抗してる格好である。そんなやつからまさかの「神」という言葉……ミスマッチ過ぎた。
 
「あんたの力は俺には効かない!」
 
 そんな風に桶狭間忠国は悪魔が宿った女性に啖呵を切る。それを聞いて朝倉先輩は「力?」とか疑問を浮かべてるが、まっすぐに見られてそれを言われた悪魔は鋭い目を桶狭間忠国へと向けている。
 カチンと来たのかもしれない。
 
「まったく、なんのことでしょう……か」
 
 ゆっくりとそんな言葉つぶやきながら、悪魔の女性は一度目を閉じる。そしてもう一度開けると、その目が明らかにさっきまでの目ではなかった。白目まで赤くなって、瞳孔が猫のように細く、そして金色になってる。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1049

2024-03-23 19:13:13 | 日記
「はああああああああああああああああああああ!」
 
 再び聖剣を振り下ろす。さっき確かに扉の化け物の腕を切った実績がある。だから頭だって潰せるはずだ。なんとかアイは耐えてるが、ジリジリと押し負けてる。けどお陰でこっちに意識を持ってくる余裕はないようだ。行ける!! 頭にむかって突き出す聖剣。
 そして確かに化け物の頭に突き刺さった。けどそれだけじゃ終わらない。突き刺さった聖剣はヤツの頭の中で回転しだす。そしてそのまま腕をふるって、頭を木っ端微塵に粉砕した。
 
バッガーーーーン!!
 
 とまるで内部から爆発したように化物の頭は吹き飛んだ。それと同時に化物が放ってた攻撃もきえてその破片をアイの砲撃が塵芥へとかえる。頭は消えた。そして腕もなくなったことで、扉から出てた九割の部分がなくなったと言える。普通ならここまでしたら勝っただろう。
 勝どきを上げても問題ないくらいだ。けど、そうは思えなかった。なぜなら、地上で交戦してる化け物の腕から発生したナニカ……はまだ健在だったからだ。本体がやられても自立して行動できる存在なのか? それならまだいい。けどそうじゃなく本体がまだ健在だからあのナニカも生きてるのだとしたら? 
 
「アイ!」
「ええ、すべて滅します」
 
 同じ思いを俺達は共有してた。九割滅しても終わり何ておもってない。すべてを消し炭にして、あの扉を力尽くでも閉める。それによってこの戦いは終われるだろう。せめてこの状況を改善できるとしたらそれをやるしか無いと思ってる。本当ならあの扉は入るための扉の筈だ。楽園へと続くと言われてる扉なんだから、そのはずだろう。
 けどその扉から化け物が出てる。それはおかしなことだろう。だからこそ一度閉める。それをしたら後は……そう思って自分はG-01殿をみる。そう、きっと閉めたら、G-01殿があの扉をちゃんと元に戻してくれるだろう。
 だから今残ってる肩から首の部分、そこも滅して扉を閉める。なにせその部分は邪魔だ。扉から出てる部分をなくして、扉を無理矢理閉めるために肩にも首にも剣をいれて、そしてアイの砲撃によって穴だらけにもしてもらう。少しずつ自分たちは 化け物の身を削る。
 
 けどその時、扉の向こうから淵を掴むように指が見えた。きっと反対側の指だ。やっぱり生きてるらしい。でも出させない。今の聖剣なら指の一本や二本くらい簡単に切れる。
 
「出させるかああああああ!!」
 
 そうやって指を切ってアイが消滅させる。そして自分は扉の片側に手をかけた。
 
「アイ!」
「はいはい」
 
 空の扉はでかい。そしてこちら側に開いてる両開きの扉だ。なので体全体を使って押し閉める為に、反対側をアイに任せる。一緒に押していってもう少し……というところだった。
 その時――
 
『お、い』
 
 そんな声というか、音というか……そんなのが聞こえた。そして次の瞬間、扉の向こう側から野太い光……黒い光が飛び出して自分たちは吹き飛ばされる。そして一気にさっき切り刻んだはずの化け物の上半身……そのすべてが姿を表した。