UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力が目覚めた件 407P

2024-03-18 20:32:35 | 日記
(山田先輩は……)
 
 やっぱりヒーローと言えばイケメンに限る――と思ってる野々野足軽である。だからこそその人を探してるわけだけど、一番簡単なのはどう考えても直接野々野足軽が行くこと……である。けど流石にそれはやりたくないと思ってるみたいだ。
 
(これ以上俺が出るのは悪魔に気づかれるリスクがあるし……)
 
 別に野々野足軽は平賀式部に義理立てて朝倉先輩の救出に赴かないわけじゃない……と心の中で言い訳してる。どうやら野々野足軽は悪魔を警戒してるみたいだ。その気になれば悪魔を消滅させるのなんて簡単なのに、一体何を警戒してるのか? と思うかもしれないが、つまりは野々野足軽は今もこうやって悪魔を妨害してるのが自分自身である――という事への導線を残したくないという事のようだ。
 考えすぎかもしれないが、前に妨害した時も野々野足軽はそこにいた。あの時は悪魔はただ調子悪かったみたいな感じで終わったわけだが、同じことがまた起こった今、まだ悪魔は「今日は調子悪いかもしれない」と思ってる段階なのに、もしもここで野々野足軽が姿を見せたらどうなる?
 
 いや、悪魔はそんなに頭を使うような存在ではないかもしれない。けど「あの時も確か……」とか思う可能性はある。そしてさらにまた別の機会で野々野足軽が姿を見せたら、きっと確信に変わる。薄い導線でも、何度も同じような状況で同じ奴の姿がある……となったら、どんな馬鹿でも疑うだろう。そういう足跡を野々野足軽は残したくない……と思ってる。
 
(ヒーロー体質で実はすぐ近くにいてくれる……とかだとありがたかったんだけど……)
 
 見つけた山田先輩は全然違うところにいた。どうやら友達と遊んでるみたいだ。流石はイケメンである。まあ今一緒にいるのは男だが。これが外ならまだどうにかして誘導する……とか野々野足軽なら力でどうにかできたかもしれない。でも山田先輩は友達と一緒にカラオケにいる。流石にここで山田先輩だけ風で無理やり移動させるとかできるわけない。
 
(なんでもできると思ってたのに……)
 
 野々野足軽は早い絶望を味わってた。力も高まって、ドラゴンも倒した。新たな風の力は応用で風という概念を超えてくれることに感動してたんだ。自分への全能感……けど今、それが消えたといっていい。
 
(やっぱり俺はまだまだだな)
 
 そんな風におもう野々野足軽。本当に野々野足軽が全能なら、今から山田先輩をあの場所に間に合わせるくらいできないとおかしい。けど……さすがにそんな手は思い浮かばなかった。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1046

2024-03-18 20:28:00 | 日記
 ネナンちゃんが街を守ってくれている。でもこの扉から出てこようとしてる化け物の実力は未知数だ。あれでも安心なんてできない。他に気を取られる必要がない今、俺達はラッシュをかけないといけない。よしんば、倒す!!
 
「ヤツを倒しましょうアイ!」
「呼び捨て……まあいいでしょう。それには同意します」
 
 自分の呼び捨てをスルーしてくれたアイ嬢。テンションがあがってつい……だったが、これからは「アイ」と呼び捨てでもいいのだろうか? アイ嬢はその言葉とおりに、空間からガシャガシャと何かを取り出していってた。そしてその体にそれが装着されていってる。脚、胴体、腕……それぞれに外骨格と呼べるような、機械の腕や足がくっついてる。それによって彼女の慎重が3メートルくらいになった。それに肩甲骨くらいから二本の大きな砲台があるし、腕や脚にもはいかにもな箱がみえる。かなり火力を期待できそうだ。
 
 自分はあいも変わらず剣しかない。相棒の聖剣。その輝きを強める。そしてその姿を変化させる。けどまったく別の物にしようとしてるわけじゃない。ただ大きく……あの腕を切れるほどの大きさへとかえる。
 
「私が援護します。貴方はただ切ることだけに集中してください」
「頼む!!」
 
 そんなやり取りをしてすぐに飛び出した。そして沢山の髪がむかってくる。けどそれらはすべて、自分に届く前に撃ち落とされていく。
 
(流石だ……これなら!!)
 
 アイ嬢はそのすべての武装を展開してるみたいだ。脚腕、そして両肩の砲台……それらが弾幕と言えるほどの弾をばらまいてる。それにその一つ一つに大きなエネルギーがこめられてるらしい。普通の玉……それこそ石とかを飛ばすなんてしてもなんの意味もない。だからこそ、どれだけ力を込めるか……が大事だ。石だって力をまとわせれば、威力も耐久度も全然変わってくる。
 それだけエネルギーというのは大事だ。それに加えて、アイ嬢は打つ出すエネルギーも工夫してるみたいだ。それが何なのか今の自分にはわからないが、ただ吹き飛ばすだけじゃない。あの弾にあたったら、本体にまで影響が及んでる。つまりは鈍くなっているみたいだ。
 弱体化……それは確実におこってるだろう。
 
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
 
 自分は聖剣を振りかぶる。数多の髪を切り裂く……そして腕に食い込む聖剣。僅かな抵抗を感じる。けど……自身の中のノア、そして聖剣自身と完璧なシンクロをしたその瞬間……聖剣は抵抗を振り切って大きな腕を切り裂いた。
 
 ズズズズズーン
 
 そんな風に斬られた腕が砂へとおちる。その大きさによって、世界が揺れたかのうような……そんな振動が響く。