水道水の水質汚染が心配されるようになり、飲料用に瓶詰めの水が求められるようになってきた。製品によって以下のように数多くの種類があるので、その区別をよく知った上で選びたい。
＜飲料水＞ drinking water
飲用可能な水質で、衛生的な容器で販売され、甘味料・添加物を含まず、カロリーや糖分がなく、塩分はないか、あってもごく少量のもの。製品の中には香料入りもあるが、全体量の1％を超えるとソフトドリンクとみなされる。
＜ミネラルウォーター＞ mineral water
源泉水1リットルに250mg（= 250ppm）以下のミネラル（鉱物性栄養素）を自然に含む。ミネラル分を後から添加することは不可。
＜蒸留水＞ distilled water
水道水を沸騰させ、その蒸気を冷却して集めた水。体液中のミネラルは常に一定のバランスを保っている。蒸留水のようにミネラル分がない水を多量に飲むと、一時的に体内のバランスを崩す。
また、骨や内臓のカルシウムなどの貯蔵ミネラル分を放出して、無理に体液のバランスをとってしまうので、特に乳幼児や病人の飲用には適さない。
＜浄化水＞ purified water
逆浸透膜方式 reverse osmosis は、有害物質を確実に取り除き、細菌汚染の心配もほとんどない、ほぼ完璧な浄化法。太古の昔、地球をとり巻いていた清らかで純粋な水に限りなく近くになるといわれる。アラブ諸国には、海水を水源として、この方式で飲料水を製造している国もある。
マグネシウムやナトリウム、ミネラル、炭酸ガス、酸素もすべて除かれるので、製品の中には、体内のミネラルバランスを保つために、後から酸素やミネラルを添加したものもある。
Choices など、大きな自然食料品店にはこのタイプの大型浄水器があり、空容器に詰め替え式で水を買うことができる。
＜天然水＞ spring water
自然に湧き出る地下水を源泉としたもの。取水する泉から瓶に注入するまでにまったく浄化されないものは natural spring water と呼ばれる。清浄な水源が求められ、検査基準も最も厳しい。
☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆
飲用としては瓶詰めの水が手軽だが、浄水で米をといだり、煮炊きものに使ったり、野菜を洗ったりしたい場合は、浄水器の方の利用を考えたい。その方が結局は経費的にも割安になる。
（石川まりこ）
＜参考＞
International Bottled Water Association (IBWA)
http://www.bottledwater.org/
国際ボトルウォーター協会。国際的な水質検査基準を設ける。
Canadian Springs Water Company
http://www.canadiansprings.com/splashpage/index.cfm
逆浸透膜方式、BC州とアルバータ州の天然水、蒸留水の3種
NAYA
http://www.naya.com/
ケベック州の純天然水
Whistler Water
http://www.whistlerwater.com/
BC州ウィスラー北部の純天然水
オーガニック・ライフ・サークル会報
1998年5月号（No.8）掲載
