Organic Life Circle

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今年のおせちはベジタリアンで

2006年02月19日 | 料 理・ごはん


さて、今年もあと残りわずか。カナダに住んでいるとクリスマスばかりに気をとられがち。でも日本人にとって、お正月の神様を家族そろってお迎えする元旦はやっぱり特別な日なのです。

おせちは節会(せちえ)の略。一月一日、三月三日、五月五日、七月七日、九月九日の五節句に、宮中で神様にお供えする食べ物を節供といい、これを下げて食べることを節会といいました。

我が家でベジタリアンのおせちを作り始めて4年目。日本なら季節を問わずどんなものでも手に入るけど、生麩も京湯葉もないここでは、身近な食材をもとに試行錯誤を重ねています。毎年内容が入れ替わりますが、もともと和食には野菜が多いので、行事食としての形を整えるにはあまり苦労しません。

パーティー続きで食傷気味なこの時期、菜食おせちのあっさりしたおいしさは、心も身体も豊かにします。お重をつめるのが大変ならば、二、三品だけでも作って、おもてなし用のお皿にのせて食卓へ。金銀の折り鶴を添えるだけでも、ちょっと特別な気持ちになりますね。


<一の重:祝い肴と口取り>

○ 黒豆

○ たたきごぼう

○ ごぼう入り昆布巻
ごぼうを柔らかく煮て、水で戻した薄めの昆布で巻く。水戻しして塩もみしたかんぴょうで結び、昆布の戻し汁と酒、砂糖、醤油を加え、弱火でゆっくり煮含める。

○ 煎り大豆みそ
かたゆで大豆を焼きめがつくまでからいりして、味噌、酒、みりんを入れ、弱火でからめるようにいりつける。仕上げにねぎのみじん切りを混ぜる。

○ 切り干し大根の中華風味
切り干し大根を水で戻してざく切りに。熱湯に入れて強火でゆで、煮立ったらすぐに水にとって水気をしぼる。砂糖、酢、醤油、ごま油、塩、こしょうを合わせたたれにつけ置く。白ごま、黒ごまをふる。

○ 白こんにゃくの酢みそあえ
こんにゃくを塩もみして一口大にちぎり、熱湯でさっと茹でて、味噌、砂糖、酢、練り辛子少々を合わせた酢みそであえる。

○ かぼちゃきんとん
かぼちゃをやわらかく蒸して、熱いうちに裏ごしする。蜂蜜と塩ひとつまみを加えて弱火にかける。鍋の底をこするようにしてよく練る。さつまいもでもおいしい。


<二の重:焼きもの、揚げもの、酢のもの>

○ 凍り豆腐の甘辛照り焼き
豆腐を平たくひと口大に切ってバットに並べ、冷凍庫で凍らせる。常温で戻し、両手ではさんで水気を切る。砂糖、醤油、みりん、おろししょうがを合わせたものをからめながらフライパンで焼く。

○ 油揚げの八幡巻き
油揚げの三方を切って平たく開き、茹でたごぼうやにんじんの細切りを巻く。等間隔をあけて二、三箇所、戻しかんぴょうで結ぶ。醤油、砂糖、酒を合わせたたれをかけながら、フライパンで転がして焼く。適当な長さに切り分ける。

○ しいたけの豆腐詰め焼き
しいたけの裏に片栗粉を薄くふり、豆腐、ねぎ、片栗粉、塩を練ったものを詰め、また片栗粉を薄くふる。豆腐の面からフライパンで色よく焼き、醤油、砂糖、みりんを加えてからめながら焼く。

○ こんにゃくの胡麻揚げ
一口大にちぎったこんにゃくを、酒、みりん、醤油で下味をつけてから、つけ汁ごとから炒りする。刻み胡麻、小麦粉、水を混ぜたものにこんにゃくをからめて揚げる。軽くすった黒胡麻をふる。

○ 豆腐揚げ団子
豆腐をくずして小麦粉を徐々に加え、にんじん、ごぼうのみじん切りを入れてよく練り混ぜる。堅めの団子にして揚げる。熱いうちに、精進だし、醤油、みりん、片栗粉を合わせて一度沸騰させた浸し汁に入れる。冷めてから串にさす。揚げたてにさんしょと塩を軽くまぶしただけでもおいしい。

○ 大根と貝われ菜の梅風味
大根の千切りと貝われ菜に、包丁でたたいた梅肉、酢、醤油を合わせてかける。

○ 大根のなます巻き
大根を1~2mm厚さのかつらむきにする。塩をふってしんなりさせてから、さっと水洗いして水気を拭く。にんじんは千切り、塩でしんなりさせる。かつらむきの大根を15cm長さに切り、にんじんを芯にして巻く。酢、塩、砂糖を合わせたつけ汁をかけ、ひと晩置く。

○ 花れんこん
れんこんの穴と穴の真ん中あたりに包丁を入れ、薄く切った断面が花の形になるように飾り切りする。酢、精進だし、昆布、唐辛子を入れてひと煮立ちさせ、つけ汁ごと冷ます。冷蔵庫で保存。


<三の重:煮もの>

○ 筑前煮
里芋、高野豆腐、いんげん、しいたけ、手綱こんにゃく、にんじん、れんこん、ごぼうを薄味の精進だしで煮て、色よく並べる。

○ 油揚げの袋煮
油揚げに、餅、ひじき、しいたけ、ねぎなどを詰めてかんぴょうで結び、だしと醤油で薄味に煮含める。


<お雑煮、お赤飯(玄米小豆ご飯)>

○ 餅、青菜、にんじん、かぶ、しいたけ

○ 精進だし
水を張った寸胴鍋に、厚めの昆布、冬茹をたっぷり入れ、一晩置く。次の日、ゆっくり煮ながらあくをすくい、沸騰する直前に昆布をとり出す。塩と醤油で薄味に仕上げる。いたみやすいので保存は必ず冷蔵庫で。だしを取ったあとの昆布は細切りにして、セロリやごぼうの千切りと合わせ、水、醤油、酒、砂糖で佃煮にする。


調味料はバンクーバーの自然食品店で手に入るヤマサ有機醤油、自然塩、黒砂糖sucanat、リンゴ酢、味の母みりん、オメガのごま油などを使っています。種類、分量はお好みで加減してください。

(石川まりこ)


オーガニック・ライフ・サークル会報
2000年12月・2001年1月号(No.35)掲載

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