ホットドッグ、オムレツ、フライドポテトには欠かせない調味料。トマトを加熱してピューレにし、砂糖、酢、塩、好みでタマネギ、唐辛子、クローブ、コショウ、ニンニクなどを加えて低温で煮詰めて作る。食品衛生法では、ケチャップに人工着色料や香料、保存料を加えることは許されていない。ただし製造会社が主原料のトマトをペースト状態で仕入れて作っている場合、そのペーストに添加物が含まれていたとしても表示義務はない。
ほとんどの大手メーカーは、アミノ酸液や増粘多糖類、天然添加物が含まれるペーストを原材料にしている。カラメル(着色料)や甘草(甘味料)などの天然添加物とは、天然原料を乾燥、粉砕、抽出、分解、加熱、酵素処理、中和などで変化させたもので化学合成品とは異なるが、無条件に安全とはいえず多用されている食品は避けたい。また、日本製のケチャップには糖分が大量に加えられている。
オーガニックのケチャップなら残留農薬の心配もなく、もちろん添加物とも無縁だ。厳選された有機栽培の露地トマトを、枝で完熟させて収穫し、旬のうま味を凝縮させるように作る。一般の加工場ではトマトを劇薬の苛性アルカリ溶液 lye に漬けて皮を溶かすが、オーガニック製品の加工場ではトマトに蒸気をあてて皮をむいている。パッケージに表示されていない様々な事実にもしっかりと目を向けて商品を選びたい。
<参 考> www.muirglen.com
(石川まりこ)
オーガニック・ライフ・サークル会報
2004年2・3月号(No.56)掲載