【人生を開く東洋思想からの伝言】
第121回
『怨(うらみ)に報ゆるに徳を以てす』(老子)
これは、老子の名言のひとつとも言われています。
その前文をご紹介しますと、
『無為を為し、無事を事とし、無味を味はう。
小を大とし少を多と
老子特有の言い回しで、
「小さな物事を大きなことだと思え」、「少ないものほど多いと心
と言っています。
簡単にご説明しますと、
「いきなり大きな問題が起こる」とか、「いきなりたくさんの問題
といったことはあまりないかもしれませんね。
どんな大きな問題もはじめは小さく、いかに多くの問題も最初は少
だからこそ、問題が小さく、少ないうちに対処するのが大切
それが、「無為」「無事」「無味」を実践する生き方だと老子は言
なお、怨みを向けられたら、通常は怨みで反論してしまいがちです
そうるすと、より際限のない報復合戦になってしまう可能性もある
老子は、そういうときこそ、「徳」で相手を受け入れて、
ゆるしな
そのような心の余裕を持ちなさいよ、と言っているように感じます
すこしでも、そのような心でいられるように自分自身を整えていきた
参考資料
『老子の無言』 田口佳史著 光文社