「金田一耕助の冒険」金田一耕助の冒険
監督:大林宣彦
原作:横溝正史
脚本:斎藤耕一、中野顕彰
ダイアローグライター:つかこうへい
タイトルデザイン:和田誠
出演:古谷一行、田中邦衛、仲谷昇、吉田日出子、坂上二郎、樹木希林、熊谷美由紀、江木俊夫、小野ヤスシ、他
1979年・日本・113分<レンタル>
<STORY>
今やTVに映画、それに文庫本ベストセラーにと、押しも押されぬ人気スターとなった名探偵・金田一耕助と、その良き相棒・等々力警部。
そんなとき、10年前に金田一が解決出来なかった「瞳の中の女」事件の鍵を握る石膏像「不二子の首」が、金田一の元に持ち込まれた。
持ち込んだのは、美術品専門の泥棒集団の首領・マリアだった。熱烈な金田一ファンで事件解決を願う彼女の要望に金田一は応えるべく動き出した...
大林宣彦が撮った、古谷一行が映画で金田一を演じた唯一の作品。
この作品について語ると非常に長くなりそうです(笑)ですので、出来る限り完結に...
とりあえず、「久々に観たいなぁ~」と思って観てみたのですが、観終わってから思ったのは「初めて観たかもしれない」ってことでした(笑)
むか~し、テレビでやってたのを観た記憶があるんですけど、覚えてるシーンが1カットも無かったです...
今作は、金田一の未解決事件「瞳の中の女」をモチーフにしたパロディ映画です。
79年の作品ですが、当時の映画・ドラマ・CMなどのパロディをふんだんに盛り込んでいます。
当時金田一耕助と言えば映画は石坂浩二、ドラマは古谷一行って感じで、
私くらいの世代だとまだ小さかったのでテレビの方が馴染みがあって金田一耕助=古谷一行でした。
映画はアメリカンニューシネマから「スターウォーズ」「スーパーマン」の時代へ、
音楽はフォーク・ニューミュージックからパンク・テクノ・ニューウェイヴの時代へ、
ドラマも松田優作の「探偵物語」なんかが出て来た頃です。
これはパロディ映画としておもしろおかしく描いた、古き良き時代との決別の作品なのかな~と思います。
そのモチーフとして、古い日本の因習の中で起こる殺人事件を解決してきた金田一耕助が選ばれたのかな~っと。
『ほんとに ほんとに これで最後だ?』というキャッチコピーがあるように
この作品自体がもう時代遅れになってしまった金田一耕助の「お葬式」であったのかも知れません。
80年代の足音が聞こえてくる頃の、新しい時代を迎えようとしていた日本で
新しいものと古いものが入れ替わる転換期を映像化した感じですね。
だから映画としてはまったく面白くないですよ(笑)
とくに金田一映画・横溝映画として見ればまったくのゴミです。
ただ、このシュールとノスタルジーと哀愁は非常に良いと思います。
金田一と大林はミスマッチだと思いますが「シュール・ノスタルジー・哀愁」とくれば大林のお家芸ですからね(笑)
今作では「金田一は役に立っていない」「結局大勢殺される」という批判とそれに対する金田一からの返答が作中のラストで描かれています。
いわゆるメタフィクションってやつですね。
で、これを観た次の日にネットのニュースで、バラエティ番組の『しくじり先生 俺みたいになるな!!』の話が載ってました。
以下引用”元格闘家の武蔵が“逃げ腰の戦い方でバカにされちゃった先生”として登場する。1995年にK-1デビュー、09年で引退するまで15年間戦い続けた武蔵だが、戦い方は「逃げ腰」。当時ファンから「逃げ腰でダサい」と言われてきたが、武蔵自信が、なぜ「逃げ腰」だったのかを分析する”
まさにこれですよ!今作は金田一耕助の「しくじり先生」なんですよね~
上で「金田一耕助のお葬式」と書きましたが、実際最後はそういうラストで幕を閉じます。
とりとめない文章になってしまいましたが...
映画としてはダメダメなのに関わらず、何故か嫌いになれないのは
金田一への思い入れからなのか?大林の力量なのか?
まぁとにかくテレビの金田一耕助シリーズのファンで、今作を観てない方がいたらぜひ観てください。
何となく裏切られた感はありますが、これはこれで一つの金田一耕助の終焉だと思うので...
監督:大林宣彦
原作:横溝正史
脚本:斎藤耕一、中野顕彰
ダイアローグライター:つかこうへい
タイトルデザイン:和田誠
出演:古谷一行、田中邦衛、仲谷昇、吉田日出子、坂上二郎、樹木希林、熊谷美由紀、江木俊夫、小野ヤスシ、他
1979年・日本・113分<レンタル>
<STORY>
今やTVに映画、それに文庫本ベストセラーにと、押しも押されぬ人気スターとなった名探偵・金田一耕助と、その良き相棒・等々力警部。
そんなとき、10年前に金田一が解決出来なかった「瞳の中の女」事件の鍵を握る石膏像「不二子の首」が、金田一の元に持ち込まれた。
持ち込んだのは、美術品専門の泥棒集団の首領・マリアだった。熱烈な金田一ファンで事件解決を願う彼女の要望に金田一は応えるべく動き出した...
大林宣彦が撮った、古谷一行が映画で金田一を演じた唯一の作品。
この作品について語ると非常に長くなりそうです(笑)ですので、出来る限り完結に...
とりあえず、「久々に観たいなぁ~」と思って観てみたのですが、観終わってから思ったのは「初めて観たかもしれない」ってことでした(笑)
むか~し、テレビでやってたのを観た記憶があるんですけど、覚えてるシーンが1カットも無かったです...
今作は、金田一の未解決事件「瞳の中の女」をモチーフにしたパロディ映画です。
79年の作品ですが、当時の映画・ドラマ・CMなどのパロディをふんだんに盛り込んでいます。
当時金田一耕助と言えば映画は石坂浩二、ドラマは古谷一行って感じで、
私くらいの世代だとまだ小さかったのでテレビの方が馴染みがあって金田一耕助=古谷一行でした。
映画はアメリカンニューシネマから「スターウォーズ」「スーパーマン」の時代へ、
音楽はフォーク・ニューミュージックからパンク・テクノ・ニューウェイヴの時代へ、
ドラマも松田優作の「探偵物語」なんかが出て来た頃です。
これはパロディ映画としておもしろおかしく描いた、古き良き時代との決別の作品なのかな~と思います。
そのモチーフとして、古い日本の因習の中で起こる殺人事件を解決してきた金田一耕助が選ばれたのかな~っと。
『ほんとに ほんとに これで最後だ?』というキャッチコピーがあるように
この作品自体がもう時代遅れになってしまった金田一耕助の「お葬式」であったのかも知れません。
80年代の足音が聞こえてくる頃の、新しい時代を迎えようとしていた日本で
新しいものと古いものが入れ替わる転換期を映像化した感じですね。
だから映画としてはまったく面白くないですよ(笑)
とくに金田一映画・横溝映画として見ればまったくのゴミです。
ただ、このシュールとノスタルジーと哀愁は非常に良いと思います。
金田一と大林はミスマッチだと思いますが「シュール・ノスタルジー・哀愁」とくれば大林のお家芸ですからね(笑)
今作では「金田一は役に立っていない」「結局大勢殺される」という批判とそれに対する金田一からの返答が作中のラストで描かれています。
いわゆるメタフィクションってやつですね。
で、これを観た次の日にネットのニュースで、バラエティ番組の『しくじり先生 俺みたいになるな!!』の話が載ってました。
以下引用”元格闘家の武蔵が“逃げ腰の戦い方でバカにされちゃった先生”として登場する。1995年にK-1デビュー、09年で引退するまで15年間戦い続けた武蔵だが、戦い方は「逃げ腰」。当時ファンから「逃げ腰でダサい」と言われてきたが、武蔵自信が、なぜ「逃げ腰」だったのかを分析する”
まさにこれですよ!今作は金田一耕助の「しくじり先生」なんですよね~
上で「金田一耕助のお葬式」と書きましたが、実際最後はそういうラストで幕を閉じます。
とりとめない文章になってしまいましたが...
映画としてはダメダメなのに関わらず、何故か嫌いになれないのは
金田一への思い入れからなのか?大林の力量なのか?
まぁとにかくテレビの金田一耕助シリーズのファンで、今作を観てない方がいたらぜひ観てください。
何となく裏切られた感はありますが、これはこれで一つの金田一耕助の終焉だと思うので...