個別指導塾 ONE-S(ワンズ)のブログ

堺市上野芝にある個別指導塾です。進学から補習、不登校の子どもの学習サポートなど、さまざまな子どものニーズにこたえます

拠り所を見つけることができれば

2018-03-20 11:33:59 | 活動報告
こんにちは。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。

昨日は、NPO法人 さかい 子育て・教育ネットワークさんの教育相談会議に参加させていただきました。

この会議には、これまでも何度か出席させていただいていまして、毎回新しい気づきやヒントを与えてくれる、私にとってはとても貴重な場であります。

学校の先生だった方を中心に、今現在悩んでいる子どもや、その保護者の方の相談をされています。そういった事例について、お互いに意見を交換し合いながら、どうすれば良い方向に持っていくことができるのか、どのように協力し合えるのか、みなさんが真剣に取り組んでおられます。私も塾の講師という立場から意見を言わせてもらったり、アドバイスを頂いたりしています。

昨日の会議で印象に残ったのは、不登校の子どもたちについての話です。

少子化にもかかわらず、不登校の子どもたちが増えているというのは異常な状況です。特に、「いじめ」や「先生や友だちとの人間関係」といったわかりやすいものが原因ではなく、本人も原因がよくわかっていない不登校の子どもたちが増えているのは大きな問題です。

その中でも、いわゆる学力の高い子どもの不登校について話が出ました。一つの原因としていわゆる「燃え尽き症候群」があります。目標とする高校や大学を目指して限界まで努力し、そして見事目標を達成した後は、その先のことまで考えておらず、気力や体力を使い果たしていたため、完全にガス欠状態になってやる気が湧いてこず、不登校になってしまうパターンです。

そしてもう一つは、拠り所がなくなってしまうことです。勉強をたくさんして、学力の高い子どもは公立の小学校では十分にトップクラスに入ることができ、「勉強ができる」ということが学校内でのステータスになり、居心地の良い場所になるのです。それが中学生になるとライバルとなる人数も増えてきますので、だんだんとその中で自分が他人よりも優れていると思っていた勉強で結果を残すことが難しくなっていき、プライドが傷つき、そしてまた他人の自分への評価が下がってしまうことで傷つきます。本当は、周りの同級生たちは、それほど自分のことなど以前から注目していなかったはずですが、勉強に自信があった子どもの多くは、成績がトップクラスでなくなったから注目されなくなったと感じてしまいます。あるいは、中学校までなんとか成績を維持できたとしても、高校になるとまたもや強力なライバルがこれまでと比べものにならないくらい多くいます。いくらでも上には上がいますので、勉強に自信のある子は、いつかそれを認めなければならないときがやってきます。

私の場合も高校に入学してすぐに、それを思い知らされました。ですが当時の私は少し変わっていて、勉強が少しできないことの方がカッコいいと思っていたのです(笑)。ですからテストの結果が返却されたら、毎回クラスで下から2番目くらいだったのですが、それを自慢げに周りに言っていました(今考えると、めっちゃ恥ずかしいです)。どこかで勉強ばかりしてるお前らより、ちょっとイキってる俺の方がカッコいいし、しかもいつか勉強も本気出せば、お前らにすぐ追いつけるんだぜ、みたいな感じでした(ヤバいやつでした(-_-;))

いわゆる中二病みたいなところが当時の私にあったから、勉強ができなかったりテストの点数がいくら悪くても、それによって落ち込んだりすることがまったくなかったのです。中学校までは自分の唯一の武器は勉強で、勉強ができることで優越感を得ていた私が、高校に入ってその勉強が通用しなくなっても学校が楽しかったのは、「勉強できない方がカッコいい」という私の心の拠り所があったからです。

昨日会議でお話した先生も、高校に入ってからは勉強で優位に立てなくなったことはしんどかったけれども、その代わりにスポーツで良い成績をおさめたり、読書で幅広い知識や新しい価値観を見つけたりと、みんななんらかの方法で、傷ついた勉強のプライドを消化していってるのです。

今は私たちが子供だった頃と異なり、ほとんどが塾に通う時代です。小学生からでもバリバリ勉強している子も多くいます。以前ならちょっと周りよりも多く勉強すれば、それなりに目立つ存在になれたところが、今は周りも勉強している子が多いので、勉強しても勉強しても周りとの差がつかずに、優越感を得られず、自信をなくしたり、居心地が悪くなったりしてしまっているのです。

競い合って勉強することはとても大切だと思います。大学全入時代で、試験なくても大学進学できるなんて私は反対です。やはり、高校でも大学でも行きたい学校があれば、そこに向かって努力し、競争にも負けず、合格を勝ち取らなければならないと思っています。ただ、価値観の偏りや、進める道を1本しか示さないと、こうして「勉強ができる」という自分の武器が通用しなくなった時に、心の拠り所がなくなってしまうことを防がなくてはなりません。自分自身でそれを見つけることができればいいのですが、まだ10代半ばの子どもたちがそれを見つけるのは困難でしょう。私たち大人、学校の先生や塾の先生、そしてもちろん親が一緒に見つけてあげる必要があります。

ONE-SのHP



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