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俳句雑記帳

俳句についてのあれこれ。特に現代俳句の鑑賞。

春昼(しゅんちゅう)

2010年03月15日 | 俳句
 春の昼間である。暖かくのどかで眠たげな昼間である。夏には炎昼という季語があるが、冬と秋には該当する季語が無い。秋の昼、冬の昼と言えばいいのだが、それほど強調する感じではないからであろう。春昼と言えば春たけなわの感じであるから、早春ではなく晩春に多く使われるようだ。春は一日中が季語になるようだ。春の暁、春の曙、春の朝、春の昼、春の夕、春の宵、春の夜、春の闇など、すべて季語である。

     春昼や魔法のきかぬ魔法瓶   安住 敦(あずみ・あつし)

 魔法瓶とは大げさな名称だが1908年にドイツから初めて輸入販売されたときの広告には「寒暖壜」であったらしい。日本で生産が開始されたのが1912年というからほぼ100年も前になる。簡単に保温、保冷ができるので魔法のようだと言うので魔法瓶となったらしい。当時は実際そうであっただろう。安住氏の句にも魔法の面影が残っていると言える。「魔法のきかぬ」とは滑稽な表現だが、「きかぬ」とはどういうことだろう。春爛漫の頃なので熱い物も冷たい物もあまり欲しいとは思わない、と言うことか。常温で十分だと言うことだろう。あるいは魔法瓶が壊れているのか、調子が悪いとも取れるが、その場合は春昼が効かないだろう。壊れていてもまあいいやとなるか。(勢力海平)

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