にいはんは周回遅れ

世間の流れとは違う時空に生きる

誰がやるべき仕事ですか?

2007-09-23 | オーマイニュース

今月から始まったオーマイニュース(以下OMN)市民記者編集委員による紙面批評。今週の記事はなぜ市民記者は辞めてしまうのか(木舟周作記者)という、たいへん刺激的なタイトルがつけられています。

記事の内容もなかなか興味深いものでした。市民記者や読者の中にも同じような印象を持った人が多かったようで、コメント欄は市民記者用・未登録者用ともに賑わい、活発な意見交換がなされています。

この記事でまず最初に目をひくのは、編集部集計データをベースにした分析や改善提案が行われている点です。こう言っては失礼ですが、あの編集部にこれだけの分析ができるだけのデータが存在していた事に驚かされました。外からOMNを見る限り、これらのデータを活用して何かをやった事が今までに無かったと思われるからです。今回、市民記者編集委員制度の発足で、初めてこれらのデータが有効に活用されたといってもいいでしょう。

創刊から1年が経ってしまったとはいえ、このように編集部集計データが有意義に使われたのは喜ばしい事ですが、本来、これはOMNがやるべき仕事ではないでしょうか?

次に目をひくのはショッキングで編集部にとっては耳に痛い見出しの数々です。記事から引用してみましょう。(引用部分はイタリック体で表示、フォント変更・太字は筆者)

実働している記者はわずか3%

トップ記事の44%は編集部発

編集部+常連記者で8割の記事

約束を守らない編集部は信用できない

肝腎の市民記者への応対がおろそかになっていないか

去った人の声を今一度聞き、戻ってもらえるよう努力しよう

特に4番目の見出しは強烈ですが、記事本文を読めば、そのように言われても仕方のない編集部の対応があった事がわかります。

 田村氏が最後に投稿した記事は「不就学児童を知っていますか?」という記事であり、その文中に「子ども」という単語が登場する。実はこの言葉、投稿文では「子供」だった。しかも、編集部との事前の協議で、田村氏は漢字の混ぜ書きはしたくないという持論を説明し、編集部はこれを了承、「子供」として掲載することを約束したのだという。

 そう約束したにもかかわらず、蓋を開けてみると、「子ども」に直されて掲載されていた。しかも、そのことについて事前にも事後にも、編集部から一切の説明はなかったそうである。漢字表記など些細なことだと思う方もいるかもしれないが、田村氏が問題にしているのは、約束を破られ、しかも何の連絡もなかったこと、コメント欄に質問を書いても無視され、いまもって、そのままである点だ。

長文の引用になりましたが、これではOMNが愛想を尽かされない方が不思議です。

更に問題だと思うのは、編集部の尻拭いを市民記者編集委員とはいえ一般の市民記者が行っている点です。木舟氏はそれと知って取材したわけではないでしょうが、編集部がコミュニケーションを放棄した市民記者に対し、何故市民記者編集委員という曖昧な立場の肩書きを引っさげた別の市民記者が話を聞きに行くのか。何がおかしいといって、これほどおかしな話はめったにありません。何となく、ねんきんダイヤルのこんな話が思い出されました。

とはいえ、この記事に書かれている事情は、木舟氏が書かなければいつの間にか忘れ去られていた可能性が極めて高かった事でしょう。その意味では、今回の記事を掲載した意義は確かにありました。

コメント欄の木舟氏の発言によれば、編集部はおって反論記事を出すとの事。どのような内容になるかはわかりませんが、反論の前に非常識な対応をした田村圭司記者への謝罪と、自分達の尻拭いをさせた木舟氏への感謝と謝罪の言葉は必須だと思われます。もし万が一、それをせずに自己正当化と責任回避に終始した反論記事を掲載するような事があれば、既に地に堕ちているはずのOMNの信頼度は、更に地中深く潜り込んでしまうのではないでしょうか。


OMNは、自分のケツくらい自分で拭きましょう