にいはんは周回遅れ

世間の流れとは違う時空に生きる

世間は狭い

2007-09-04 | オーマイニュース

今日、オーマイニュース(以下OMN)に、ある性暴力被害者のその後を取材した記事が掲載されました。

大変重いテーマです。故に拙ブログでも取り上げづらいのですが、正直に書きます。

この記事を読んで最初に気になったのは、取材対象の女性の実名でした。記事の冒頭にありますから、いやでも目に入ります。この女性をもしかしたら拙ブログでも取り上げた事があるのではないかと思いながら読み進むと、最後の方にるいるいサンタという文字が出てきました。

やはり間違いありませんでした。彼女はTEAM GOGOの号外ばら撒きプロジェクトに100万番長として参加し、6月の青森県知事選では、やはり100万番長の1人でもある西谷美智子氏の選挙対策本部局長を務めていた女性です。

しかし、号外ばら撒きプロジェクトやてんつくマン氏の話は記事には出てきませんでした。

彼女は5月にてんつくマン氏のトークライブを主催しています。彼女自身、当日は今回の記事でも書かれているようなトークを行い、そこではてんつくマン氏との出会いについても語っていたようです。

そんな彼女がTEAM GOGOとは因縁浅からぬOMNに登場し、自らの体験を語る。しかし、号外ばら撒きプロジェクトやてんつくマン氏については語らない。ひょっとしたら語ったのかもしれませんが、とにかく記事には出ていません。トークライブの模様を紹介しているブログを見て、何故今回の記事にてんつくマン氏の名前がないのか、より一層疑問が増しました。

また、これも記事では触れられていませんが、先月ゲストとして参加したとあるイベントのチラシには、彼女は「高尾山でのフリーハグでお馴染みのるいるいサンタさん」と紹介されています。

フリーハグというのは、見知らぬ相手とでも抱きしめあおうという運動の事だと漠然と理解していました。ところが、性暴力の被害を受け、そのトラウマを現在でも抱えている女性がフリーハグを実践しているというのです。恐怖心はないのだろうかと思いますが、人間の心のうちというのは他人には理解できないのかもしれません。

そして、記事に書かれている事と書かれていない事からもう一つ気づいたのは、自傷行為というのは、本人が黙っていれば周囲に気づかれないケースもあるのだろうなという点です。彼女は今年5月にリストカットして、現在でも傷跡が残っていると記事には書かれています。しかし、前述のトークライブを終えた翌日、5月13日には彼女は青森に飛んだとみられる記述があります。その後は選挙対策本部局長として青森にいたと思われますから、リストカットはそれ以前の話なのでしょう。その傷を抱えながらトークライブで語り、選挙応援に飛び回っていたのだろうと推測されます。

ですから、体の傷はそれほど深くはないのでしょう。手首を切るというと、どうしても深刻な想像をしてしまいますが、そうではないケースもあるという事です。日常生活に支障が出ないのであれば、傷跡を隠し、自傷行為の事実を話さなければ、他人は外見からその事実を知ることができません。

しかし、心の傷は相当深いはずです。彼女のように自身の体験をカミングアウトできる人の陰には、人知れず自傷行為を繰り返す多くの人間がいるのでしょう。深刻でありながらなかなか表には見えないこういった問題には、個人として、また社会としてどのように対処していったらいいのかと考えさせられました。


【余談】

今回の記事を書いた市民記者は、6月にOMNが行ったユースレポーター養成講座に参加していました。同じ講座の参加者には、講座終了直後に号外ばら撒きプロジェクトの紹介記事を書いた後、1本の記事も掲載されない市民記者がいたりもします。

これはただの偶然でしょうか?

そういえば、市民記者編集委員とともに計画されていた学生市民記者賞の詳細発表もまだのようです。