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イッピンNHK 「極限まで薄く 美しく~岐阜 美濃焼~」

2023-09-01 08:49:37 | イッピンNHK

 第131回 2016年7月12日 「極限まで薄く 美しく~岐阜 美濃焼~」リサーチャー: 徳永えり

 番組内容
 岐阜の美濃焼がついに登場!今、人気を集めているのが、“卵の殻”のように薄くて軽い磁器のカップ。明治時代に外国向けに開発したロングセラーが、その品質の高さから、国内でも見直されるようになったもの。極限の薄さと緻密な模様を転写する驚くべきワザとは?また、表面を神秘的な結晶が覆う器も注目されている。無限の輝きに追い求める職人の思いとは?個性的な焼き物を作り続ける伝統の産地の今を徳永えりがリサーチ。

*https://www.nhk.or.jp/archives/chronicle/detail/?crnid=A201607121930001301000 より

 

 東京世田谷区にあるセレクトショップ「D&DEPARTMENT」で人気の岐阜県の美濃焼の「エッグシェル」。
 長くヨーロッパで人気を博していて、現在では、日本でも注目を集めています。
 薄さおよそ1mm、光に透ける「スキトオ」のカップです。
 100年以上前から受け継がれる薄づくりの技と輸出用の型を使って成形し、通常は柄を入れるのですが、真っ白く仕上げられています。
 磁器なので高温で焼き上げられており、繊細な見た目よりも丈夫です。

 

 1.スキトオ(丸直製陶所・奥田直樹さん)

*https://www.d-department.com/item/2012000200225.html より

 主にフランスに向けて生産されている、厚さ1mmにも満たない磁器が、岐阜県土岐市妻木町の丸直製陶所で生産されています。
 
 光にかざすと飲み物が美しく透けるくらい薄くて軽い、でも丈夫な器です。
 卵の殻のように薄くて軽いことから 「エッグシェル」と言います。
 
 現在、「エッグシェル」の磁器作りが出来るのは、全国でも2件しかありません。

 「エッグシェル」は、「水ゴテ」と呼ばれる成型法により作られます。
 これは、コテを当てながら水で陶土生地を薄く伸ばすように1mm以下に仕上げ形を作る技法です。
 機械ろくろで回してはいますが、ほぼ手作業。
 指先の感覚のみで厚さ1mm以下に仕上げていきます。

 次に、「トチ」と言われる型に乗せて「伏せ焼き」をすることで、歪みのない綺麗な磁器に焼き上げます。
 絵付けは、素焼きの磁器に柄が印刷された和紙を刷毛で貼り付け、その模様を転写させます。
 これを「銅版転写」と言い、この技術においても国内屈指の繊細さを持ちます。
 
 「スキトオ」というシリーズ名は「D&DEPARTMENT」のナガオカケンメイさんが命名したもの。
 真っ白で、名前の通り透き通る程薄く、中身の色が透けて見えるぐらい。
 置いて眺めることでもまた楽しい気がします
 
 丸直製陶所 岐阜県土岐市妻木町116 

 

 2.「suuun(サーン)」シリーズ(深山)

 世界有数の白磁の産地、岐阜県瑞浪市にある「深山」は昭和52(1977)年に創業以来、「鋳込み」という製法で物作りを続けてきました。
 
 グッドデザイン賞(Gマーク)などの数々の賞を受賞し、国内外で高い評価を集める注目のメーカーです。
 創業当時、ろくろ成型が主流であった瑞浪地区の中で、ろくろでは難しかった形状の洋食器を製造するため、鋳込み成型の専門メーカーとして始まりました。

 型を用いた「鋳込み成型」は、同じ形状の器の量産に向く生産方法ですが、深山では、一つ一つの作業を丁寧に人の手で行うことで、複雑な形状のティーポットなどの精巧で、風合いのある器を生み出しています。

 そして、白磁の素材の魅力を引き出すために開発した、「釉薬銅板下絵付」(ゆうやくどうばんしたえつけ)技法と「窯変転写絵付」法により、絵付けをしていきます。

 「釉薬銅板下絵付」(ゆうやくどうばんしたえつけ)技法は、陶磁器の表面を覆うガラスコーティング(釉薬)の下に絵付けがされているために「下絵付け」と言います。

 本焼成前に絵付けをするために、表面を覆う釉薬とともに本焼成で焼き付けます。
 釉薬は本焼成の温度で溶けてガラス化しますが、その際に、絵付けされた絵柄とガラスとが微かに混じり合い、その境界線がぼやけ柔らかな雰囲気となります。

 「窯変転写絵付」は、窯の炎により生ずるやきもの独自の風合い、その不確定な風合いを安定的に表すために新たに生み出した深山独自の絵付け技法です。

 株式会社 深山 岐阜県瑞浪市稲津町小里940-1

 

 3.結晶釉(壽泉窯・安藤 寛泰さん)

 陶器の表面に釉薬と焼成によって現れる、花が咲いたような模様の結晶・「結晶釉」(けっしょうゆう)の器が、国内外で大変人気です。
 
 「結晶釉」とは、釉薬内の成分の亜鉛が焼成時に化学変化を起こし、花の様な景色を生み出す釉薬です。
 
 この結晶の花は、気温や窯の温度、焼成時の器を置く位置 などによって表情が異なり、その偶然性を活かす緻密なセンスと匠の技から
二つとない花のような景色が浮かび上がります。

 壽泉窯 岐阜県多治見市喜多町4-65-5

*https://omotedana.hatenablog.com/entry/Ippin/Gifu/minoyaki_2 より 追記・割愛あり


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