△『わが父塚本邦雄』塚本菁史氏
おかみ丼々和田、かるちゃーすぽっと第二弾は
「耽美派で遊ぶ」
講師には、新聞各紙で高く評価されている『わが父塚本邦雄』の著者、
塚本菁史氏をお迎えしました
塚本菁史氏は、『煬帝』や『サテライト三国志』などで
各賞を受賞されている作家であり
耽美派の短歌の一人者、塚本邦雄氏のご子息であります
△歌集『玲瓏』
塚本邦雄氏は『玲瓏』の会を主宰
菁史氏は、その後継者でもあり
歌も詠まれます
△おかみ丼々和田の色紙
おかみ丼々和田の壁にある色紙は
塚本邦雄氏の直筆の短歌です
この店を始めるにあたり、
貴重な作品の中からこの一枚を
プレゼントしていただきました
「飲食のおもひはかなき青麦の 穂は花みせに たばねられたり」
この短歌の意味からひもといていただきます
「青麦は、飲食店で食べてほしかったのに、青田刈りにされて
生け花になってしまった 運命としては不幸ともとらえられるが、
生け花になったことで、
買った人を慰めることができたり、いやしたりすることができたり
時として自分が思ってもいなかった才能が花開くこともある」
おかみ丼々和田に、この短歌を選んでくださった理由は
「この店にいろいろなお客さまがきて、
時としては愚痴を言ったり、悩みを打ち明けたりするだろう
その時には、この歌をひもといて、
思いがけない別の道があるのですよと伝えては…」
と暖かい贈り物の意味を改めて感謝しました
△桜茶と自家製おぜんざい
三時からの開始なので、最初に丸餅の入ったおぜんざいを召し上がっていただきます
△資料
よく準備された資料をいただきます
「万葉集」から「古今集」、「新古今」から「金塊和歌集」まで
教科書で習ったこととは違う和歌の世界を味わいます
中国、日本の歴史や地理や漢字の意味について、幅広い知識に基づいて、
和歌の解釈が豊かに語られます
△参加者の方たち
今回参加してくださった方たちは
女性が半数以上
男性がお二人でした
△和服の女性も
まさに輝く女性たちの好奇心は
「谷崎純一郎の『痴人の愛』
教科書のように愛読してきた
耽美派の世界が好き」
「母が短歌を詠むのだけど
感想が言えないので、短歌の世界を知りたい」
「塚本邦雄の名前からぜひ参加したいと思った」
「塚本邦雄をめぐる耽美派の作家についてさらに知りたい」
「落語関連の仕事をしており短歌を話す題目があるが
短歌を詠んでみたい」
「自分の名前が短歌に詠まれている地名から名づけられている」
などなど
お仕事で生きがいを追求し、
遊びで人生の価値を味わう女性たちの
参加となりました
△花篭で
お食事は
花篭で、旬のお食事をご準備しました
いなり筍ごはん
鰤の照り焼き
うどと分葱のぬたなど
お汁は、若竹汁
日本文化と和食のコラボレーション
△桜の和服の女性と
「きみならで誰にか見せむ梅の花色をも香をも知る人ぞ知る」 紀友則
この歌は男性が詠んだ歌だけど、こんな女性が詠むともっと色っぽくなる…
小説より、五、七、五、七、七の短歌にこめられた深い色っぽさ
そんな世界を垣間見ることのできた
色っぽい第二回かるちゃーすぽっと
短歌を詠んでみるヒントをいただきました
おかみもこれから短歌の宿題
△終わって
それぞれに満足していただき
楽しんでいただいた会が終わって
ほっと一息
「いちばん苦手な題材だった」
と打ち明けられる先生
無理やりおかみの願いでお頼みした
特別な会でしたが
終わってみると
先生のご好意で
参加者は詠んだ短歌を
まとめてみてくださることになり
そして、引き続きこの会も
続けていくことになりました
どうぞまたのご参加お待ちしております
「見ぬ世まで思ひ残さぬ眺めより昔にかすむ春の曙」 藤原良経
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