おかだ小児科医院公式ブログ

けが火傷のなつい式湿潤療法、江部流糖質制限食、渡辺派MEC食、おかゆから始めない離乳食、ボディソープを使わないスキンケア

おかゆから始めない離乳食のススメ

2017年01月30日 | こどもの糖質制限




WHO(世界保健機関)は離乳食と言わず、補完食と言っています。
即ち、5-6ヶ月までお乳で足りていたエネルギーと栄養素が、足りなくなりそれを補う食事ということです。
足りない栄養素の一番は鉄です。母乳には鉄分がほとんど無く、生まれたときにお母さんから貰った鉄が薄まっています。


さて補完食とは完全を補う食という意味です。完全とは母乳であり、そのカロリーの半分近くが脂質です。
さらに脂質の半分はバターやラードと同じ飽和脂肪酸です。赤ちゃんは脂食いであり、脂が消化できないなんて全く根拠がありません。



ところが、15年ほど前に出された厚労省の離乳食ガイドにはおかゆ(米)から始めると書いているではありませんか。お米には脂質、タンパク質など体を作るために必要な栄養素は殆どありません。鉄を含めミネラルも殆どありません。それをお粥にするとさらに薄まります。



実際の離乳マニュアルの流れです。完全を補っている食事でしょうか。また、非常めんどくさい 指示になっています。

http://www.asahi.com/msta/articles/ASH5753XKH57UEHF00R.html
リトアニアで赤ちゃんをお生みになった方のwebページです。離乳食のわりと初期の段階から、お肉をしっかり取り入れることが推奨されています。赤ちゃんに不足しがちな鉄分を補う意味も含めてレバー肉、そして特に仔牛やウサギ肉が勧められています。これが世界の普通なんです。



おかだ小児科医院では豚バラ肉をフライパンで焼いて、ペースト状にしスープか出汁で伸ばしたものを食べさせるように指導しています。おかゆに顔を背けていた、赤ちゃんもバクバク食べます。



体重増加不良でみえられた当院の症例です。お母さんが風邪を引いて、内科を受診したところ感冒薬を投薬され「授乳を避けるように」指示されました。体重が減ってきたので市の保健師に相談すると「おかゆを与えるように」言われましたが、このように体重増加はあまり良くなく、当院を受診されました。豚バラペーストを指導したところ、このように見事に体重増加が良好になりました。
その後転居されましたが、数年後、下の子にも同じように離乳食に肉を与え、10ヶ月検診で保健師に褒められ食事内容を訊かれたところ、
「お肉」と嬉しそうに答えたところ
保健師は「ダメヨ赤ちゃんはお肉が消化できないから」といい
母親が「下痢も便秘もしていません。すごく成長発達良好っていわれたじゃないですか」と言っても
保健師は半分怒りながら「でも絶対ダメ~」と言われたそうです。


沖縄の肉食ベビーです。このような食事をしているとこうなります。
このドヤ顔見てください。9ヶ月だそうです。


最近の写真です、1歳11ヶ月になりました。非常に発達発育が良好で、特にメンタルの安定度が高いです。

Facebookの【MECで離乳食】ページです。
おかゆから始めない離乳食で育った赤ちゃん【肉食ベビー」は成長発達が良好です。特にメンタルが安定していると感じます。
10ヶ月検診できくと肉食の子は「人見知りをしにくい」「駄々をこねない」「すぐ泣き止む」ことがおおいです。お母さんも育てやすいと仰っています。
また、食事の支度も楽になったと言われる人が多いです。




子どもの糖質制限についての疑問に答える(1)

2017年01月02日 | 糖質制限
チャイルドヘルス2016年 Vol.19 No.11 2016-10-28子どもの栄養の最新情報
10 子どもでも糖質制限は意味があるの?~生活習慣病予防健診と栄養指導~…橋本友美先生著という記事が載っています。

それに対して、私の意見を述べます。
 最近「糖質制限が子どもを救う」三島学という本まで出版され、子どもにも糖質制限を勧める者が増えてきました。
 このチャイルドヘルスの記事はそのことに対する懸念であると思われます。私は5年前に江部康二先生の著書を読んで、糖質制限を開始し、腹囲92cmから82cmとメタボから脱し、さらに父が40歳代で発症した2型糖尿病の発症の恐怖から逃れることが出来ました。このように糖質制限実践者の一小児科開業医が子どもたちの食についいて関心をもち、考えていることをのべます。

●糖質制限とは
 >糖質制限とは、食事中の糖質の摂量を制限して
 まず、この定義は不十分なだけでなく、誤解を招く可能性が高いです。橋本先生も誤解されています。糖質制限とは、食事中の糖質の摂取量を制限して、必須栄養素である蛋白質、脂質の摂取割合を増やす食事です。いわば高蛋白、高脂質、低炭水化物食であります。MEC食(ミート、エッグ、チーズ)、断糖肉食、とも言います。

体重減少や血糖値の低下を目指す方法です
 肥満の方が、正しい糖質制限食(高蛋白、高脂質、低炭水化物食)をするとやせることが多いですし、食後高血糖、食後高インスリン血症が改善されます。
 それ以外に糖質過剰摂取がなくなったことにより、私たちは、食後の眠気がなくなったり、朝の目覚めが良くなったり、さらにはメンタルが安定したり、集中力が増した子どもたちを多く見ています。
 さらに、難治性てんかんの治療食として認められている、ケトン食や修正アトキンス食は全く糖質制限食(高蛋白、高脂質、低炭水化物食)であります。緩やかなケトン食でさえ、橋本先生のおっしゃる”極端な”糖質制限食です。

●成人における糖質制限
おおむね現況をまとめてあり、ここでは反論を控えます。ただ、糖質制限食にエビデンスがまだ無いと書かれていますが、現行のカロリー制限食もエビデンスレベルはコンセンサスであり、全く科学的エビデンスと呼べません。

● 子どもに糖質制限が勧められない理由
(1) エビデンスが少ないため
お示しになられたsystematic reviewを読みましたがおっしゃる通り、良いとも悪いとも書いていません。ただMeta-analysis indicated a greater reduction in BMI in the low-carbohydrate group immediately after dietary intervention とあり肥満が短期に改善することは裏付けられていると私には読めました。
 エビデンスが少ないということであれば、現在のカロリーコントロール食にもエビデンスはありません。ましてや脂質(1g9Kcal)を減らして、糖質(1g4Kcal)に置き換え、糖質量を総カロリーの60%にする食事法にエビデンスはありません。

(2) QOLの低下を招く可能性があるため
たしかに現代社会では、甘いものや糖質が溢れかえっており、その誘惑や友人付き合いもあり、糖質制限を続けることは、困難であり、最悪いじめの種になる恐れはあります。
 しかし、私達が関わっている糖質制限食を行っている子どもたちは、想像しているより遥かにクレバーです。糖質制限食(ケトン食)をしている事情はそれぞれですが、母親などの話を聞くと、友人たちとの軋轢もなく楽しくやっているようです。

(3) 食費がかさみやすくなる

たしかに糖質は安価です。しかし、肥満が解消し、小児が生活習慣病になりにくいとしたら、劇的に医療費がかかりません。
 さらには、きちっと栄養が取れていると、間食も少なくなり、ジュースやケーキやスィーツを欲しがらなくなります。もちろんスナック菓子には目もくれません。
 安ければいいのでしょうか。

(4) 糖質を多く含む食品である穀物や果物には多くのビタミン、ミネラルや食物繊維が含まれているため
 穀物にどのようなビタミン、ミネラルがどれくらい含まれているか、ご教授ください。
 糖質制限食の先駆者である江部康二は「季節の果物は適量食べる。海藻やキノコ、葉野菜はしっかり摂ること」と述べています。
 なお、現在の日本の果物は、あまりにも糖度が高く、本来の果物の良さが失われているというのは筆者の個人的感想です。

(5) 結果的に摂取エネルギーが減少する傾向があり、健康な成長を妨げる可能性があるため
最初に述べたように糖質制限食を十分理解しない人が、従来のカロリー制限食(脂肪悪玉説)の考えを捨てきれず、間違った糖質制限食(低脂肪、中蛋白、低糖質)を行った結果健康を害しているのです。
 健康な成長のためには十分な脂質と蛋白質が必要です。糖質にはカロリーはあっても、体を作る原料にはなりません。過剰摂取された糖質は、インスリンにより脂肪細胞で脂肪に合成されますので体重増加に寄与しているとはいえますが、骨格、筋肉などの原料にはなりません。
 糖質過剰摂取こそが、健康な成長を妨げているのではないでしょうか。


『「糖質制限」が子供を救う』出版のお知らせ

2017年01月01日 | 健康
糖質制限の第一人者京都高雄病院江部康二先生監修、三島塾 三島学先生著『「糖質制限」が子供を救う』が出版されました。
子どもに糖質制限なんてトンデモいないという方がまだまだ多いです。
しかし、当院でも食事改善指導をすると心身ともにいい影響が出る子どもたちが多く驚いています。

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アマゾンでも新品で買えません。
E-hon で注文し、近所の本屋さんで買うのが手軽です。
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033523498&Action_id=121&Sza_id=C0

子どもたちにこそ糖質過剰摂取を是正し、体を作る蛋白質、脂質をしっかり摂る事が重要です。
鉄も足りていない子どもたちが多いです。
15年以上前は離乳食に「レバーペースト」が必要であると説明されていました。おばあさんに聞いてみてください。
出生後母乳(人工乳)には鉄がほとんど含まれていないので、生後6ヶ月ころには貧血になります。5-6ヶ月から離乳食で鉄を補い、貧血が改善されるはずが0歳児より1歳児のほうが鉄欠乏の割合が増えています。
最近の離乳食指導では鉄の重要性を説明していないようです。15年位以上昔は離乳食で「レバー」というのは当たり前だったとおもいます。



B型肝炎ワクチン

2017年01月01日 | 日記
いよいよB型肝炎ワクチンは定期接種です、
対象平成28年の4月以降にうまれたゼロ歳児です。
産経ニュース

B型肝炎ワクチンを 全ての子ども(こども)たちに!
(ふかざわ小児科のページに飛びます)
1歳以上の方もお金がかかりますが、肝炎から肝がんになることを防ぐワクチンです。接種を強く勧めます。
当院では5600円✕3回です。これでおそらく一生感染予防効果があると言われています。