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インフルエンザ治癒証明書について

2018年02月02日 | 健康
インフルエンザが大流行しています。おそらく今週か来週がピークだと思います。
ところで、県外の学校に通っている方が、インフルエンザの治癒証明を書かないと「出席停止」扱いにしないと学校からら言われたと来院されました。
インフルエンザ治癒証明書は書かしてもらいましたが、以下の文章もお渡ししました。

 まず、インフルエンザの出席停止期間は、「発症した後五日を経過し、かつ、解熱した後二日を経過するまで」と学校保健法で規定されています。
その理由は「発症後五日を経過した後になるとウイルスがほとんど検出されなくなる」という実験・臨床研究における報告がなされているからであります。
 医師の診断に基づき、学校保健安全法施行令 ( 昭和三十三年政令第百七十四号 ) では、 校長が出席停止の指示を行うこと ( 第 6 条第 1 項 )、出席停止の期間は省令で定める基準によること ( 第 6 条第 2 項 ) 等が規定されていいます。
 また、ウイルスの排出がなくなったかどうかということは、一般に医療機関で行われているインフルエンザウイルス抗原迅速検査ではわかりません。ウイルスが排出されていても抗原量が少なければ陰性になります。また、死滅したウイルスのDNAでも陽性になることがあります。生きたウイルスを見つけるためにはPCR法が必要ですが、一般の医療機関では行なっておりませんし、行っていたとしても自費になります。
 すなわち、「発症した後五日を経過し、かつ、解熱した後二日を経過」していれば、インフルエンザは臨床的に治癒していると判断できます。この期間をすぎれば、ウイルスがほとんど検出されなくなるということです。
 なお、インフルエンザ予防に患者がマスクをすることは意味があっても未罹患者がマスクをするのは意味が無いと考える医師が多いです。過度の手洗い、消毒薬を用いた『うがい』も逆効果であるとの意見もあることを申し添えておきます。
 十分な効果が期待できるかどうかは議論がありますが、エビデンスのあるインフルエンザ予防法はワクチンの接種率の向上であります。学校現場での職員生徒も含めたインフルエンザワクチン接種のみがインフルエンザ流行蔓延予防にエビデンスがあります。もちろんワクチンをすればインフルエンザに罹らないというわけではなく、あくまで集団予防のエビデンスです。

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