おかだ小児科医院公式ブログ

けが火傷のなつい式湿潤療法、江部流糖質制限食、渡辺派MEC食、おかゆから始めない離乳食、ボディソープを使わないスキンケア

インフルエンザの診断と治療について

2019年01月10日 | 健康
いよいよインフルエンザが流行し始めました。
インフルエンザの診断と治療について当院の方針を書きます。

【インフルエンザの診断】
「鼻をぐりぐりして、迅速検査して、出ればインフルエンザ、出なければインフルエンザではない」というのは間違いです。
医師が、話を聞いて(問診)、診察して(視診、聴打診)総合的に判断いたします。
迅速検査をしないでも、インフルエンザと診断することもあります。あくまで、迅速検査は診断の補助だと考えています。
とは言っても迅速検査はすることが多いです。
正確な迅速検査のため当院では
1)綿棒を鼻腔の奥まで入れて検体を採取します。(鼻かみ法は感度が低いと考えています。)
2)発熱直後でも、陽性率の高いFUJIの迅速検査機器を2年前から導入しています。
 世間ではインフルエンザは発症してから12時間-24時間たたないと診断できないと言われていますが、医師の丁寧な診察とこの機器を使えば、発熱直後に診断可能です。診察時間なら、待たずにすぐにお越しください。(時間外なら診察時間まで待ってください)

【インフルエンザの治療】
タミフルなどの抗インフルエンザ薬が特効薬と言われていますが、どう効くのかご存知でしょうか。
発熱の期間を約一日短くする効果だけが、証明された効果です。脳炎の発症を予防するというデータはありません。
熱が下がるのが一日早くなるだけの薬を使うかどうか、考えておいてください。
熱が早く下がっても、出席停止期間は変わりません。
発熱した日を0日として第5病日まで出席停止です。
体が楽になることがありますので、しんどい場合は使ってもいいと思います。
タミフルカプセル、タミフルドライシロップ、イナビル(吸入薬一回だけ、院内で吸入してもらっています。)ゾフルーザ錠(最初に一回飲む、今年発売された新薬)を院内に在庫しています。(体が辛いのにわざわざ調剤薬局に行く必要はありません。ただし、在庫がなくなった場合などは院外処方箋を発行いたします。)








医者のかかり方

2018年12月17日 | 健康
とりあえず、医者に行っても必ずしもいい結果になるわけではありません。
とくに、根拠もなく抗生剤を出す医者にかかるべきではありません。
ウイルスによる風邪には抗生剤は効きません。
子どものうちに不要な抗生剤を内服すると腸内細菌が弱りアレルギーのリスクが増えたという論文もあります。
ましてや、多くの医者が出すフロモックス、メイアクトは吸収が悪くてほとんど便に出ます。それでDU薬(だいたいウンコ薬)と言っています。
神戸大学感染症科教授の岩田健太郎先生もフロモックスとかメイアクトばっか出す医者にはご用心と言っています。
またオラペネムやオゼックスという薬をよく出す医者がいますが、他の薬が無効なときのみに使う最終兵器のような薬で、当院ではほとんど使うことはありません。蓄膿という診断でこんな薬をずっと出されていた1歳児がおられました。蓄膿(副鼻腔炎)には適応がありません。他剤が無効な「肺炎・中耳炎」にしか適応がありません。
また、ペリアクチン、テルギンG、ザジテンという鎮静性の抗ヒスタミン剤は、けいれんを起こしやすかったり、発達にも影響が出るのではないかと言われています。鼻水を止めるためと称して多くの医者が出しますし、市販薬にも入っています。鼻水を粘稠にして余計長引くと考えています。
よく貼っている子を見かけるホクナリンテープは咳止めではありません。【気管支拡張剤】です。
気管支喘息という診断のないまま、処方する薬ではありません。喘息の人が早朝に気管支が収縮し発作を起こすのを予防する薬です。添付文書に「過量投与で突然の心停止を起こすことがある」という注意が書かれています。

みなさんお子さんのお薬手帳を見てみてください。
誤解のないように言っておくと私は反医療でも反薬でもないです。
不適切な薬があまりにも説明もなしに漫然と使われていることが問題なのです。

また、インフルエンザに対するタミフルなどの抗インフルエンザ薬ですが、確かに48時間以内に内服すると有熱期間が一日短くなります。それだけです。脳炎を予防するという証拠(エビデンス)は有りません。
誤解のないように言っておくとタミフルを飲んだ後の異常行動はタミフルのせいではなくインフルエンザそのものの症状だと考えられます。
当院では、インフルエンザと診断した人の3-4割くらいの人が抗インフルエンザ薬を使用します。説明して使うという人がそれだけだと言うことです。
使っても良いし使わなくてもいい。48時間以内に受診して検査してインフルエンザなら抗インフルエンザ薬を使うという風潮は全く間違っています。
最後にけが火傷は湿潤療法を正しく行っている医療機関にかからないと一生後悔します。
「新しい創傷治療 熱傷の湿潤療法をしている医師」で探してください。もちろん、当院でも診させていただきます。
医者はどこにかかっても同じではないです。とりあえず医者に行っておけば安心と言うわけではないです。
この本がかかりつけ選びに役に立ちます。子育てハッピーアドバイス小児科の巻

ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンをきちっと接種していれば、全身状態を注意深く観察し、看病することが出来ます。
意識がおかしい、呼吸がおかしいということがなければ、救急受診は必要はありません。
もちろん、信頼できる要らない薬を出さない先生がいれば、受診してください。
私はこどもの発熱は診察所見、指先採血などして、ウイルス感染の可能性が高いなら薬を出さず「おかあさんの看病で治る病気」と言っています。もちろん状態が変わったり、熱が続けば受診するように言っています。

抗生剤(抗菌薬)について

2018年05月02日 | 健康
抗生剤(抗菌薬)はバイキンを殺す薬です。お子さんのほとんどの病気はウイルスによるもので、バイキンによるものではなく抗生剤(抗菌薬)は効きませんし、必要ありません。
不要な抗生剤の使用は耐性菌(薬のきかない菌)を作り出すだけです。
それ以外にも最近アレルギーになりやすくするということがわかってきました
新聞でもニュースになりました。
<抗菌薬>乳幼児は服用注意を アレルギー発症率1.7倍
5/2(水) 6:45配信 毎日新聞

先日の小児科学会では川崎病発症のリスクの可能性もあると言われていました。

抗生剤(抗菌薬)は決して危ない薬ではなく大切な薬です。必要があれば、適切な抗生剤(抗菌薬は使わなければなりません。
必要のない抗生剤(抗菌薬)、内服では効かない抗生剤(抗菌薬)を使わないことが大切です。
念の為とか喉が赤いねと言われ、抗生剤(抗菌薬)を処方されたら、バイキンの感染ですか、どんな菌がどこに感染しているとお考えですかと医師に聞いてみてください。そこで怒り出す医師には掛かってはいけません。



注 内服では効かない抗生剤(抗菌薬)
第3世代セファロスポリンこれも新聞にのりました。価値の低い医療/中 抗菌薬セファロスポリン 専門家「使用控えて」

<国内で使用されている主な第3世代セファロスポリン薬の商品名>
バナン、セフゾン、メイアクト、フロモックス、トミロン、セフスパン
これらの薬はほとんど吸収されず、便になります。DU薬(だいたいウンコ)という先生もおられるくらいです。


低血糖を起こす恐れのある抗生剤にも注意が必要です。

<メイアクト、フロモックス、トミロン、オラペネム>

また、他の薬が無効で、入院しなければならないが、外来でもう少し頑張ってみようというときに使う最終兵器のような薬を最初から出されることがあります。
<オゼックス、オラペネム>

これらの薬を出されたらその必要性を医師に聞いてみてください。
















インフルエンザ治癒証明書について

2018年02月02日 | 健康
インフルエンザが大流行しています。おそらく今週か来週がピークだと思います。
ところで、県外の学校に通っている方が、インフルエンザの治癒証明を書かないと「出席停止」扱いにしないと学校からら言われたと来院されました。
インフルエンザ治癒証明書は書かしてもらいましたが、以下の文章もお渡ししました。

 まず、インフルエンザの出席停止期間は、「発症した後五日を経過し、かつ、解熱した後二日を経過するまで」と学校保健法で規定されています。
その理由は「発症後五日を経過した後になるとウイルスがほとんど検出されなくなる」という実験・臨床研究における報告がなされているからであります。
 医師の診断に基づき、学校保健安全法施行令 ( 昭和三十三年政令第百七十四号 ) では、 校長が出席停止の指示を行うこと ( 第 6 条第 1 項 )、出席停止の期間は省令で定める基準によること ( 第 6 条第 2 項 ) 等が規定されていいます。
 また、ウイルスの排出がなくなったかどうかということは、一般に医療機関で行われているインフルエンザウイルス抗原迅速検査ではわかりません。ウイルスが排出されていても抗原量が少なければ陰性になります。また、死滅したウイルスのDNAでも陽性になることがあります。生きたウイルスを見つけるためにはPCR法が必要ですが、一般の医療機関では行なっておりませんし、行っていたとしても自費になります。
 すなわち、「発症した後五日を経過し、かつ、解熱した後二日を経過」していれば、インフルエンザは臨床的に治癒していると判断できます。この期間をすぎれば、ウイルスがほとんど検出されなくなるということです。
 なお、インフルエンザ予防に患者がマスクをすることは意味があっても未罹患者がマスクをするのは意味が無いと考える医師が多いです。過度の手洗い、消毒薬を用いた『うがい』も逆効果であるとの意見もあることを申し添えておきます。
 十分な効果が期待できるかどうかは議論がありますが、エビデンスのあるインフルエンザ予防法はワクチンの接種率の向上であります。学校現場での職員生徒も含めたインフルエンザワクチン接種のみがインフルエンザ流行蔓延予防にエビデンスがあります。もちろんワクチンをすればインフルエンザに罹らないというわけではなく、あくまで集団予防のエビデンスです。

『「糖質制限」が子供を救う』出版のお知らせ

2017年01月01日 | 健康
糖質制限の第一人者京都高雄病院江部康二先生監修、三島塾 三島学先生著『「糖質制限」が子供を救う』が出版されました。
子どもに糖質制限なんてトンデモいないという方がまだまだ多いです。
しかし、当院でも食事改善指導をすると心身ともにいい影響が出る子どもたちが多く驚いています。

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アマゾンでも新品で買えません。
E-hon で注文し、近所の本屋さんで買うのが手軽です。
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033523498&Action_id=121&Sza_id=C0

子どもたちにこそ糖質過剰摂取を是正し、体を作る蛋白質、脂質をしっかり摂る事が重要です。
鉄も足りていない子どもたちが多いです。
15年以上前は離乳食に「レバーペースト」が必要であると説明されていました。おばあさんに聞いてみてください。
出生後母乳(人工乳)には鉄がほとんど含まれていないので、生後6ヶ月ころには貧血になります。5-6ヶ月から離乳食で鉄を補い、貧血が改善されるはずが0歳児より1歳児のほうが鉄欠乏の割合が増えています。
最近の離乳食指導では鉄の重要性を説明していないようです。15年位以上昔は離乳食で「レバー」というのは当たり前だったとおもいます。