薬膳 Yakuzen Salon 八仙花

~国際中医薬膳師、野菜ソムリエのoguriが旬の食材の
薬膳的効能、知恵etc.について書いています~

セロリとほっき貝の胡麻酢和え

2008-08-28 19:52:42 | cooking
何だかあれよあれよと急に涼しくなりましたね。
家から一歩出れば、セミの死がいがあちこちに落ちていて
ああ、もう夏も終わりか...と感慨深くなります。

今日はほっき貝......食育・食生活へ



薬膳の参考書にほっき貝に関する記載がありませんので
現代栄養学的に見てみると、「タウリン」が豊富とのこと。
タウリンの効能としては、血中のコレステロールを下げる、血圧を下げる、
視力の回復に役立つ、肝臓の解毒機能を強化する働きがあります。

薬膳的な言い方をすると、どうやら「肝」に作用する働きがあるようです。
中医学では、「肝」は「血」、「目」と関連の深い臓とされています。
高血圧、視力低下は「肝」の高ぶりによる症状とされています。
ということは、ほっき貝には少なくとも「肝」の高ぶりを抑える「平肝」の作用がありそうです。

こちらに合わせたのはセロリ。
セロリの効能は、「平肝清熱、利湿治淋」
同じく、「肝」の高ぶりを抑え、熱を冷ます働きがあります。
また、「水湿」の代謝を改善して、尿の出を促進させる作用もあります。

今日は二つの食材で「肝」のデトックス・デイです。


ほっき貝を60度くらいのお湯にサッとくぐらせ、氷水に落とした後
リードでよく水気をふき取ります。
セロリもサッと塩を入れたお湯にくぐらせ冷まし、一センチ幅に切ります。
練り胡麻にしょうゆ、千鳥酢、みりんを適量入れてタレを作り
器に並べたほっき貝とセロリの上から掛けて召し上がれ♪


ところで、「セロリを食べれば食べるほど痩せる」
と聞いたことがありますが本当でしょうか?
セロリ自体のカロリーよりも、噛む事によって消費する
カロリーの方が大きいからだ、とか...


にほんブログ村 健康ブログへ
応援のクリックよろしくお願い致します。ご協力ありがとうございます!



鰻の山椒焼きで補気・血・精 

2008-08-22 13:52:40 | cooking
4回にわたってお肉の効能をご紹介して、重たい感じになってしまいましたが、
まとめてご紹介した方が比較しやすいと思いましたので、あしからず。

今日からは通常に戻りまして......食育・食生活へ

まだまだスタミナ不足の気になるこの時期
今日は鰻について。

鰻の効能は、「補気補血、補腎強精、袪風湿」
気血を補う働きと共に、精(スタミナ)を補って「腎」を強くする作用があります。
気・血・精の3つを補う働きを持つ有難い食材です。

また、「風湿」を取ってくれますので、リュウマチや関節炎などの
しびれや痛みを緩和する働きもあります。




今日は鰻の山椒焼きに玉子、みょうが、大葉、海苔をトッピングして
丼仕立てにしました。

山椒には、お腹を温める働きがありますので、
冷たい食べ物や飲み物で冷えきった胃腸にもやさしく。


にほんブログ村 健康ブログへ
応援のクリックよろしくお願い致します。ご協力ありがとうございます!

vol. 4 羊肉編

2008-08-21 09:03:50 | cooking
お肉の効能、vol. 4は羊肉。

羊肉の食性は温性(熱性寄り)です。
先日ご紹介した鶏肉よりも、体を温める作用が強力です......食育・食生活へ




羊肉の効能としては、「益気養血、温中暖下」
気力を増し、血を生み出す働きがあります。
また、中焦(お腹)を温め、さらに下方を温めます。

温める作用が強力なので、夏場には不向きに見えますが
今は冷房病に悩む女性が多い時代。

冷房によって冷え切ってしまった体に、羊肉はお奨めです。
一緒に唐辛子やにんにく、ねぎetc.の香辛料を摂るとさらに効果的です。

また血を補う作用も強いので、産後の体力の衰えや月経不順、不妊症にも効果があるといわれています。
このように、羊肉は婦人病に効果があるため、中国では「女性の肉」と呼ばれています。

但し、熱証体質(暑がり、のぼせ、ほてり、顔が赤い)の方はご用心ください!
羊肉を食べることによって、体の中の熱がさらに上昇して症状が悪化する可能性があります。

夫々の体質に合わせる、それが薬膳です。


にほんブログ村 健康ブログへ
応援のクリックよろしくお願い致します。ご協力ありがとうございます!



vol. 3 鶏肉編

2008-08-18 11:53:31 | cooking
本日お盆休みを終えて、故郷の金沢から戻ってきました。
久しぶりにのんびりと過ごすことができました♪

少し間が空いてしまいましたが、
本日はvol. 3の鶏肉編......食育・食生活へ


鶏肉は温性。
関係で表すと、豚肉<牛肉<鶏肉の順で体を温める作用が強くなります。

同じお肉でも、冷え性の方は鶏肉を、
暑がり性の方は豚肉を、ということですね。



鶏肉の効能は、「温中益気、補精填髄」
「温中益気」は中焦(お腹)を温め、気力を増進させること。
見るからに食性は「温性」ですね。
お腹が冷えやすくて食欲不振、体がだるい、疲れやすい...という方に適した食材です。

また、「補精填髄」とは、「精」を補い、「髄」の生成を促進させる働きです。

中医学において「精」は人間の成長、発育、生殖、老化にかかわる非常に重要な物質です。
「精」は「髄」を作り出し、「髄」は「骨」を養うといわれています。
骨髄は、血液や免疫細胞を作るという大切な役割を持っています。

ということは、「精」が不足すると、血不足や免疫力の低下が起こりやすくなります。

「精」「髄」を補う鶏肉には、血を増やし、免疫力UPの効能も期待できますね。


つくねはやはり濃い目のたれで、半熟玉子と一緒が良いでしょっ♪


にほんブログ村 健康ブログへ
応援のクリックよろしくお願い致します。ご協力ありがとうございます!

vol. 2 牛肉編

2008-08-14 12:42:46 | cooking
お肉の効能について
vol. 2 牛肉編......食育・食生活へ

牛肉は「平性」(もしくは「温性」)
先日ご紹介した豚肉よりは、体を温める作用が強いとされています。

効能としては、「補脾益胃、益気血、強筋骨、除湿」
脾胃(消化器系)の機能を促進させる働きがあります。
「脾」は水分代謝と関連の深い臓ですので
その機能が低下すると体内に水湿がたまって
むくみや食欲不振etc.の症状が起こりやすくなります。

したがって「脾」の機能が高まれば体内に水湿がたまりにくくなる
つまりは「除湿」効果につながるということです。
但し、除湿効果はやはり苦瓜や冬瓜etc.の方がはるかに高いので
むくみが気になる方にはやはり「瓜」野菜をお奨めします。

また、気血を増進させる働きもあります。
牛肉を食べると、何だか力がみなぎりますね。
これはこの「益気血」の効果ではないでしょうか。

血は全身を循環して、五臓六腑や皮膚筋骨に栄養を与えますので
筋骨を丈夫にする効能も期待できます。




牛肉の周りを強火で炙り氷水に落として冷まし、リードで水気をしっかり切ります。
5ミリくらいの厚さに切り、スライスしたキャベツと伏見唐辛子を盛った皿に並べ
レフォール(西洋わさび)を載せて。
鍋に醤油、酒、みりんを入れて煮詰め、掛け回して完成♪

ちょいとワインを飲みませう...

にほんブログ村 健康ブログへ
応援のクリックよろしくお願い致します。ご協力ありがとうございます!



お肉の効能とは? vol. 1 豚肉編

2008-08-12 14:11:12 | cooking
薬膳をやっていると言うと、決まって味の淡白なものばかり
食べているというイメージを持たれます。
私の食生活はむしろ逆。
お肉も食べますし、お酒もいただきます。

薬膳では「この食材は体に良いから食べる」という価値基準ではなく、
個人の体質、季節に合わせて食材を選択します。
こういう体調の時はこの食べ物を積極的に摂ろう、
逆に今はこういう体調だから、この食べ物は控えようという考えです。

ですから、「未病」の状態の人にとっては食材の選択範囲は広く、
継続できる食事法なのです。


さて、今日から4回にわたって、お肉の効能について書いてみようと思います。
同じお肉といえど、「食性」といって体を温める/冷やす作用の程度は異なります。

関係でいうと、
(寒性) 馬肉 ⇔ 豚肉 ⇔ 牛肉 ⇔ 鶏肉 ⇔ 羊肉 (熱性)

また、効能もそれぞれ異なります。

今日はvol. 1として豚肉について......食育・食生活へ



豚肉の効能は、「滋陰養血、益気、消腫」
体の潤いを増やし、血を補う作用があります。
また、気力を増進させます。

暑さで「気」と「津液」(潤い)を消耗しやすいこの時期に適した食材です。

また、水分代謝の異常によるむくみや腫れ物を取り除く働きもありますので
体内のジメジメ対策にも有効です。

体質としては、冷え性(寒証)の方よりも、暑がりですぐのどが渇くという
タイプ(熱証)の方に適した食材です。


黒豚に粗塩を振り、強火で一気に焼き上げて
柚子胡椒を乗せて食します。
シンプルだけど美味なり。


にほんブログ村 健康ブログへ
応援のクリックよろしくお願い致します。ご協力ありがとうございます!

夏バテにアボカドをどうぞ

2008-08-07 11:02:37 | cooking
気がつけばもう8月。
夏真っ盛りですね。

今日は「森のバター」、アボカド......食育・食生活へ

良質の脂肪を豊富に含み、栄養価が高いことから
この名前が付いたそうです。



アボカドの効能は、「潤腸通便、補中益気」
大腸に潤いを与えることによって、便の排泄を促進します。

また、胃腸の働きを高め、体力を増強させますので
虚弱体質、食欲不振、疲労倦怠、夏バテに効果があります。

この暑さでもうバテバテ~という方は是非「アボカド」をどうぞ。


卵黄をしょうゆ、煮切り味醂、酒に漬けて一晩置きます。
アボカドの種を取り、切り目を入れて
種の部分にしょうゆ漬けにした卵黄を落として完成。
いただき物の湯葉を添えて~
よく交ぜてお召し上がりください♪


にほんブログ村 健康ブログへ
応援のクリックよろしくお願い致します。ご協力ありがとうございます!


さろん木々

2008-08-03 22:32:56 | お出かけ
さろん木々さん主催のイベントに参加しました。
今回はVilla AiDAでの昼食会。
新幹線に乗ってはるばる和歌山まで行ってきました......食育・食生活へ



レストラン外観
自然に囲まれた素敵なお店です。

さて、期待のお料理は...


菜園野菜のバーニャ・カウダ


青唐と烏賊のガスパチョ       


苦瓜のパンナコッタと鮑


じゃが芋のニョッキと根菜


牛すね肉と茄子のリガトーニ


真鯛のソテー オクラのコルツェッティ


子羊と夏野菜の香草焼き


ステビアのソルベとアロエ&桃


*実はこの後ジェラートをいただいたのですが、うかつにも写真を撮る前にパクリ食べてしまいました ...
これだから素人は困る...(>_<)





レストランの裏は菜園になっていて、お野菜は主に自家栽培されたもの。
新鮮なのは言うまでもなく、野菜一つ一つの味が濃厚です。

一番のお気に入りは「苦瓜のパンナコッタと鮑」
パンナコッタはうっすら瓜の甘味があり、
上に飾った苦瓜にはあえて苦味を残しています。
鮑の肝もアクセントに。
これは美味しい、面白い!!

口当たり爽やかで、苦瓜で体内除湿もできるし
今の時期最高の一品です。

お腹いっぱい、お酒も十分いただいて
とても楽しい時間を過ごすことができました♪


にほんブログ村 健康ブログへ
応援のクリックよろしくお願い致します。ご協力ありがとうございます!