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後で考えます

多分映画の話題。でも映画好きで、これから見たい方は読まないほうがいいです。

SALOME

2008-10-12 05:49:20 | オペラ
Salome Karita Mattila
Herodias Ildikó Komlósi
Herod Kim Begley
Narraboth Joseph Kaiser
Jochanaan Juha Uusitalo

ニューロークのMetからのナマ中継のオペラを映画館で見てきた。ナマといってもたぶん同時ではなく少し時間がずれているのではないかな。NYでは午後一時に始まるとはいえ、ここでは始めの10分ぐらいが次のMet中継の予告で、その後デボラ ボイトのイントロダクションが10分ほどある。これは彼女が主演のKarita Mattilaの控え室までいって、「Karita 時間ですよ」とノックするとKaritaが出てきて舞台に向かう姿が映される。デボラは最近痩せてすっかりきれいになった。彼女とKaritaは同じぐらいの歳だが、まじかで見るとデボラのほうが美女だ。

彼女の部屋から舞台までは相当離れていて、この劇場の規模を想像させられる。この出場者が舞台に向かう、という映像ではもっとカッコよくできていたのがウエンブレイでやったローリングストーンズのコンサートで、ミックが舞台に向かう映像だった。こういうライブの撮影ではやはりポピュラー部門のほうが先んじている。

幕が開く前に彼女は舞台で柔軟体操をしていた。デブではないけれどちょっと太めの体系で、体はとても柔らかそうで、上体を曲げるとするりと足の下まで手がいってしまう。この体の柔らかさでオペラの途中で足を180度開くことまでしてしまう。ただこの中継は大写しが多くて、彼女があせびっしょりで、ときにはツバキを撒き散らして歌うすがたがバッチリ見えてしまう。サロメ は想像するにはうら若い美女のはずだが、まあ見かけは許そう。このオペラは数年前にENOで見たのだが、その時のサロメ の色気の無さははなはだしかった。それに比べるとKaritaのほうがもちろん歌は絶対上だし、ダンスもかなりがんばっていた。

他の歌手もみなうまいのだが、ヨカナーンの外見はもう少しどうにかならないものか。Uusitaloは歌はいいんだけれど、大男でデブ。頭もおおきく、なにかフランケンシュタインの怪物を思い出した。とてもうら若い少女が一目ぼれするような姿ではない。後半で彼の首がでてくるが、やたらと気持ちが悪く、サロメがキスすると口のまわりが真っ赤になって、ギョッとさせられた。しかし彼女が一番よかったのはこの最後の長い歌で、ここはさすが聞きほれた。Narrabothのほうがよほどいい男で、彼が自殺してしまうことろはかわいそう。

舞台はかなり現代的で透明なプラスチックなどがつかわれていた。舞台中継にしてはクローズアックが多すぎて、もう少し舞台全体が見えるカメラアングルの画面を多くして欲しかった。そのほうが臨場感があるのではないかな。実際に劇場でみると、あんな顔の大写しは双眼鏡でも使わないと見えない。おかしいことに映像より声のほうがほんの一瞬早い。これは録音技術はヘマをしたのかな。

終わってカーテンコールもやり、その後の観客の見えない舞台裏での様子なども映し出され、興味深いものだった。映画館は私がいつも行くところで、ロンドンの中心地でもないので、いったいオペラなんて見に来る人がいるのか、と疑問に思ったが、案外人がはいっていた。つぎはJohn Adamsの新作だが、これも行ってみるつもりだ。これから月に一回ぐらいのわりで、有名なオペラがこうまじかで見られるのはとても楽しみだ。

DON CARLO

2008-07-08 10:00:46 | オペラ
どういうわけかオペラハウスでDon Carloをまた見ることになった。前回は左の上のほうだったが、今回は右のほうで、もう少しいい席だった。驚いたことに舞台の印象が全く違う。

一回目のインターバルの後の幕は前回は群集がなにやらおじぎしているのだけが見えただけだった。今回右のほうから見ると、舞台の左側にカーテンみたいなものが下りていて、それに巨大な血まみれのキリストの顔が描かれているのだ。群衆はそれに向かってお祈りしたり、おじぎしたりしていたのだ。

その幕の最後のほうではカーテンの後ろでかがり火がいくつか炊かれてカーテンが薄いのか中が透けて見える。その中にもまたカーテンがあって、少し小さめのやはり血まみれのキリストの顔がそこにもある。前回左からはこれは全く見えなかったのだ。見る方向によってこの大スペクタクルを見逃していたのだ!これはこのオペラに宗教が大きな役割を果しているので、納得のいく舞台装置ではある。しかしオペラというものは貧乏人には意地悪く出来ているものだ。もっとも金持ち連中のいくオーケストラストールも椅子がすわり心地が悪いし、前の人の頭で舞台が見にくい。

歌はロドリゴのサイモンが今回は帰ってきて、さすが代役よりずっとりっぱ。主役のRolandoはやはり役不足という感じで、サイモンのほうがずっと凛々しい。ただこの人はみかけが本当にイギリス人で、ラテン系貴公子とは言えないなあ。エリザベッタとフィヒリッポがやはり大変よろしい。これからもめぼしいオペラは2回違う席で見ることにしよう。

DON CARLO

2008-06-19 23:14:21 | オペラ
Don Carlos: Rolando Villazon
Rodrigo: Dimitris Tiliakos
Philip II: Ferruccio Furlanetto
Eboli: Sonia Ganassi
Elizabeth: Maria Poplavskaya

もちろん目的は去年すっぽかされたVillazon。この人はなんて発音していいかわからなかったけれど、どうもヴィヤゾンみたい。最初のアリアがやけにつまらなかったので、おやおやこれでどうして話題の大スターなのか?と疑問に思った。それでも幕がいくにつれてよくなってきたので、まあ合格点。でもこの人はまだ名声のほうが実力より先走りしてると思う。声はいいんだから、もう少し修行して数年後に期待しよう。ただし見かけはやけに濃くて、Mr Beenみたい。それでも体格はふとってないからいい。私が最近ROHで聞いたテナーの一番はもちろんアルヴァレスだけれど、彼は見るたびに体が膨張ぎみ。せっかく歌は聴くたびによくなってるのに、少し節制してほしいものだ。

歌手として一番りっぱだったのはFurlanettoだ。彼は名前だけは知っていたがはじめて聴く。こういうのを聴くとやはり名声というのはたいしたものだ、と思う。すばらしい声と技量だ。Wikiでしらべたら彼は59歳。ずいぶん長く大スターだったので、もうジイサイかと思ったら、案外若いね。これならROHでもう何回か聴けるかもしれない。期待しよう。

ElizabethのMariaもなかなかいい。しかしもう少し可憐なる美しさがあるともっといいんだけれど。RodrigoはSimon KeenlysideのはずがTiliakosに代わってちょっと残念。やはり大スターのがらではない。Carloとの二重唱はこのオペラのなかでももっとも好きなアリアなのに、どうも迫力と爽快さにかける。

オペラとしてはもうVerdiの最高傑作で、十分堪能したが、やはり最後が納得いかない。Carloはやはり死んだんだろうか。DVDではロベルトとハンプソンのを持っているが、最後は霧の中にCarloが消えていって逃げたのか死んだのかぼやけていた。今回のROHでははっきり死んだことになるんだろうが、そうするとフランダースはどうなっちゃうのか。Rodrigoの死は無駄なのか。傑作のわりには最後が???のオペラだ。

SIMON BOCCANEGRA

2008-05-25 23:11:05 | オペラ
Simon: Lucio Gallo
Fiesco: Roberto Scandiuzzi
Amelia: Anja Harteros
Gabriele: Marcus haddock

これに行く目的はFiescoの役のOrlin Anastassovだったのに、またも裏切られた。だいたいオペラとか歌のあるコンサートでは四人に一人は代役、というのは当たり前。去年の二人のリサイタルなと、両方代わりだったのには驚いた。まあ代わりが大スターだったのでよかったけど。

今回は数年前からごひいきの若いバリトンでなかなかかっこいいんだけれど、なにか前回も休んだような記憶がある。まあFiescoというのはオジサンの役で若い(1976年生まれ)彼には気の毒な気がしていたが。それで嫌気がさしてやめたかな。

代わりのRobertoさんはあまり大物とはいえないバリトン。あまりでしゃばってはいけない役なので、まあいいか。主役のGalloさんはかなりのできだ。娘のAmelia役のAnjaさんがなかなか美人で、声、歌、演技もよろしく合格点。恋人のHaddock君はあまりさえない。

このオペラはいつも筋が納得いかないVerdi のオペラの中でも特別???の多いもので、特にジイサンのFiesco、そして政敵のはずのGabriele、それを自分の死んだ後、後釜にすえるSimonそのものも???である。そんなこと言ったらトロバトーレの筋など気が狂ってるとしか言えない。それでもあのメロディーの力強さ、美しさに見るたびに喝采である。そこへいくとこのSimonは記憶に残るようなアリアがあるわけではない。

舞台は数年前に見たのと違っていた。この間のToscaの舞台は改悪としかいえないが、これも良くなったわけではない。3幕などよく覚えているが、イタリア風の広々としたものだったのに。衣装は特にAmeliaのドレスがきれい。青いサテンみたいなもので、立ち姿の美しいAnjaにはぴったり。彼女はCardiff Singer of the World competition で1999年に優勝したそうだ。

テノールにもう少しスター級のを持ってきてほしかったが、まあ満足できたオペラだった。

TOSCA

2008-05-16 18:06:19 | オペラ
Conductor:Antonio Pappano
Floria Tosca:Micaela Carosi
Mario Cavaradossi:Jonas Kaufmann
Baron Scarpia:Paolo Gavanelli

これでToscaをみるのは何回目か忘れた。そのなかでもやはり記憶ににこっているのはPavの最後のTescaだろう。今回の主役はもちろんKaufmannで冬に見たLa Traviataが強い印象に残っている。このToscaではもちろんカッコイイのだけれど、やはり彼の声は特別に個性的で後々まで覚えているほどではない。もちろん見た目は一番ハンサムなCavaradossiだったけれど、もうひとつランクの上の歌を期待したのだが。

Toscaはまあまあ。ScarpiaになるGavanelliはRigolettoでおなじみのおじさん。いいんだけれど、Scarpiaには一種色気とカッコよさが必要なんだと思う。彼みたいに大いに太り気味だと、コメディになってしまう。これでHampsonなんかにやらせたら、色気たっぷり、颯爽としたScarpiaでCavaradossiなんか食ってしまいそうだ。

舞台は数年前に新しくなったもので、私は始めて見た。しかしこれは改悪ではないかな。一幕など教会の広がりなどなく、やたら柵ばかりで目のじゃまだ。三幕目でCavaradossiは真ん中で銃殺されるのだが、Pavでなくてよかった。Pavのときは後ろに壁がありクッションみたいなものがあって、まずそこに倒れ、その後床にゴロリ、ということだったが、今回の舞台ではそういうわけにいかない。最後にToscaが飛び降りるのだが、ここのところはAlbert Hallの時のほうがダイナミックだった。

まあ今回の目的はKaufmannだけだから十分に満足できた。例によって左の天井桟敷だったけれど、一幕目は左でばかり歌っていて、ほとんど見えなかった。その後2,3幕は右のほうで歌ってくれたので助かった。どうしてROHの演出家共は私たち貧乏人のことを考えて演出してくれないのだろう。私だったら全体的には左右均等ぐらいに歌手に歌わせるのに。今後格Operaによって左右どちらに座ったほうがいいか覚えておかなくては。



MERRY WIDOW

2008-05-09 20:17:43 | オペラ
Hanna Glawari (The Merry Widow) Amanda Roocroft
Camille de Rosillon Alfie Boe
Njegus Roy Hudd
Baron Zeta Richard Suart
Danilo John Graham Hall
Valencienne Fiona Murphy
実をいうとオペレッタというのはあまり好きではない。やはりやたら人が死ぬけれど、美しく哀しいオペラのほうが私の好みには合っている。というわけでこれも初めて見た。もちろんお目当てはAflie Boe。彼を知ったのは1,2年前だが、今期待のテナーだ。それもイギリス人。明るくとても美しい、伸びやかな声をしていて、とても好きだ。歌い方がとても素直なところもいい。少し名が知れてくると、どういうわけか歌い方に凝る歌手がいて、私にはイヤミに聞こえることがある。たとえばドミンゴなど特にナマを聴くと最高の歌手とは思うけれど、たとえばDon CarloのCDなどでは歌いまわしがねちねちしていてちょっと気になる。そこへいくとAlfie君の歌は素直だ。

主役のAmandaとGraham Hallは特に記憶に残るほどのこともないけれど、衣装はとてもきれい。舞台はなんだか同じ装置を3回使っているようで、少しけちったかな。途中のカンカン踊りが色鮮やかで楽しかった。

もちろんAlfie君の歌は最高で、もっと出番の多いやくをやってほしいものだ。この秋にはRoyal Opera HouseのElectraでデビューするそうだか、このオペラのテナーなど全く記憶にないからやはり端役なんだろう。あの明るい歌声に向くオペラは何だろうか。ネモリーノとか、ドンジョバンニのオッターヴィオなんかぴったりだろう。

オペレッタそのものは少し物足りなかったけれど、Alfie君だけのためでもいったかいのあった舞台だった。

CARMEN

2008-04-21 17:30:56 | オペラ
ROHにて。Carmenのナマをみるのは初めてだ。DVDではドミンゴのものを数年前に見ている。その中で一番印象的だったのは、歌でもない、舞台でもない、主演のカルメンの腋毛のすさまじさだった。

とうわけで、しいてどうしても見たいオペラとは言えないが、ドンホセをやるアルヴァレスが去年トロバトーレですばらしかったので、行ってみることにした。そしたら出演者をよく調べなかったのか、私たちが行った日だけアルヴァレスはでず、Hartmannというテナーだったのだ。

仕方が無い、それでも行くしかない。オペラそのものはヴェルディとかと違って、台詞が多く、その合間に歌が入る、というどちらかというとミュージカルの歌が多いものみたいだった。

カルメン(Nancy Fabiola Herrera)はなかなか美人で悪くない。Hartmann も悪くは無いし、かなり美声だけれど、これというパンチに欠けるようだ。EscamilloはKyle Ketelsenというバリトンでちょっと小柄で迫力にはかける。

一番よかったのが、MicaelaになるSusan Grittonだった。彼女はとても美しいすんだ声で、うまい。彼女は過去何回も見ているが、そのたびに感心させられるソプラノだ。彼女のほかは全体に盛り上がりに欠けるけれど、まあまあの舞台だった。

TOSCA Royal Albert Hall

2008-03-26 00:47:16 | オペラ
Royal Albert Hallにて。

舞台は真ん中の楕円形を全部使って、広くてとてもいい。残念ながら歌手はみなもうひとつで、とくにトスカはころっとしたオバサンで印象が薄い。

大体このオペラは主な人物が三人しかいなくて大舞台でなくてもいい。そこで合唱隊とか憲兵なんかをたくさん出して、舞台に厚みを出そうという魂胆。あまりうまくいってはいないみたいだったけれど。

そこでたった一つの興味はトスカは最後にあの平たい舞台のどこから飛び降りて死ぬか、というのに尽きる。ここだけはよくできていた。三幕目で舞台ばかり見ていたら、実はオーケストラをぐるっと回って後ろのほうにいく道と階段があったのだ。トスカはそこを駆け上っていって、オーケストラの後ろの高いところからまっさかさま、ということでした。聴いたところによると、あそこは10メートル近くあったのだそうだ。そんなところからとびおりるのは彼女もこわかったに違いない。しかしトスカは最後には飛び降りるのは間違いないから、この役をやるソプラノはみんな覚悟をして役に臨むのだろう。

最後だけ面白かったオペラ。

MIKADO

2008-01-31 19:19:02 | オペラ
これを見た日本人のなかには怒り出す人もあるかもしれない。しかし、これを本当の日本と思ってはいけない。どこか日本的なところもある、架空の国の話と思えば、衣装も舞台も色鮮やかで、役者はみなうまいし、いいではないか。どこかしらないが、不可思議な国のはなしで、足が地に着いていないみたいだ。もしかしたらラピュタかもしれない。

役者は主役のマクゴワンのほかはしらないが、みな達者で、うまい。特に皇太子のもといいなずけのブス、トシマの女優がうまい。恋人役より印象的だ。マクゴワンはさすがにうまい。背がとても高くて、他の俳優たちよりひときわ目立っていた。彼の衣装はなにかお雛様みたいだ。衣装はみな着物風だが、左前があったり、右前があったり、洋服風のえりがついていたり、さまざまだ。友人のひとりで「日本の着物は皆左前ですよ」と親切に劇場側に忠告した人がいて、笑ってしまった。ご親切なことだ。

これでギルバート&サリバンのオペレッタは3,4回目だが、いずれも歌はあまり印象にのこるものではない。しかし楽しいのはたしかなので、舞台、衣装、俳優がそろえば悪いものではない。

KISMET

2007-07-02 17:11:51 | オペラ
ENOでKISMETを見た。これはオペラではなく、ミュージカルである。どこが違うかというと、オペラは全部歌だが、これは筋そのものはセリフで、ところどころに歌が入る。普通のミュージカルと違うのはメロディーがボロディンのを借りてきているところかな。だから歌はとてもクラシック調である。話は千年も前の中東でのことで、まるでアラビアンナイトだ。現在のバグダットとどのくらい近いところがあるか、怪しいものだ。

歌はStranger in Paradiseをはじめとても美しいもので、歌手たちもとてもうまいとは思うが、一番いけないのが舞台装置かな。なんか安物のパントマイムみたい。ところどころ入るバレーがまた振り付けがよろしくないのか、とんちんかんなもの。新聞によると開演日の2週間前に振付師がクビになったか、けんかして出て行ったかで、振り付けはだいぶやっつけ仕事だったみたい。

歌手はテナーのAlfie Boeがもちろん今評判のことはあってとてもいい声でうまい。この人、演技はもう一つだし、顔は普通だが、あの美声でうっとりさせられた。二枚目役にしては歌が少なくて残念。それに比べてポエトになったMichael Ballは大活躍で、あんなに歌うなら、もう少しAlfieに歌の時間をさいてくれればいいのに。たしかにBallはうまいし演技もコミカルでなるほどミュージカルのスターだけはあると思った。

舞台装置は今年の春に見たゴンドリアというギルバート&サリバンのオペレッタのほうがずっと洗練されていて、よく出来ていた。いくつか新聞評を読んだが、ほとんどはこれをこき下ろしている。しかしこういう軽いのもたまにはいいではないか。目くじらを立てて怒ることは無いのに。マイクを使っていたことにモンクを言っていたものもあったが、私が座ったのが最上階の後ろのほうだったので、もしマイクを使っていなかったらあれほど声がよく聞こえたか疑問なので、私はモンクはいわない。Alfieはまだ新人だが大いに期待したい。今度は彼中心の舞台がみたいものだ。

DON GIOVANNI

2007-06-25 19:56:57 | オペラ
Conductor : Ivor Bolton
Don Giovanni : Erwin Schrott
Commendatore : Reinhard Hagen
Donna Anna : Anna Netrebko
Don Ottavio : Robert Murray
Donna Elvira : Ana Maria Martinez
Leporello : Kyle Ketelsen
Masetto : Matthew Rose
Zerlina : Sarah Fox

私はモーツアルトのオペラは実はそんなに大好きとはいえない。特に魔笛なんか好んで行くほうではない。そのなかではこのDon Giovanniはとても好きだ。まず喜劇的なところもあるが、だいたいは悲劇というかドラマチックではないか。観客の中に子供がいるのが見受けられたが親はいったいなんの気でつれてきたのだろう。オペラに映画みたいに年齢制限があったら、これはきっと「18」のしろものなのに。このROHの演出はまあ「15」ぐらいかもしれないが、1,2年ほど前にみたENOの演出なんか日本の映倫でいったらXXXといったところだろう。

今回の舞台は前にみたブリンがジョバンニをやったときと同じだが、主役はSchrottというウルグアイからのバリトンでなかなかいい。歌もいいが、最後の場面では上半身裸になる。もちろん最初の場面もちらっといい体をみせるのだが、この最後の場ではみごとに鍛えられた体が主役みたいなものだ。最近のオペラ歌手はハリウッドの俳優に負けないくらいの鍛錬が必要なのだ。これならちょっと前に見た「300」の主役もはれるほど。

女性陣のなかではやはりNetrebkoがすごい。なんといってもあの声量がすごい。普通に歌ってても大声なんだから、声を張り上げるとまるで大砲の弾がとんでくるみたいにドシンドシンと観客の体に体当たりしてるみたい。なるほどこの声で有名になったのはうなずける。声の大きさに比べて技量はもう一つと思ったが、姿形も顔もいいし、大スターの貫禄はある。

ElviraのMartinezはかわいいし、いい声なんだけど、Netrebkoにくらべるとなにかピストル、というか豆鉄砲ぐらいの差があるなあ。Don OttavioのMurrayはいい声なんだけど、ところどころ声がでてない。

最後の幕では火がボッと燃え上がり、そうとう離れているはずの私たちのところまでその熱がつたわってくるほどだ。万一のために消防士でも控えているのだろうか、とよけいな心配までしてしまった。数々のアリアもすばらしいし、レポレロの例のコミカルなGiovanniの数々の女性歴の歌もおかしいし、全くよく出来たオペラだ。最後にGiovanniが地獄に落ちるからにはやはり教訓劇なのかと思ったら、最後の一瞬でやはりGiovanni は地獄に落ちても変わらず女性と楽しんでいるらしく、うまい演出だ。

このオペラを見るたびに芥川龍之介の短編の一つを思い出す。やはり女たらしの男の話だが、振り返ってみるとだまされた女たちはこの男を懐かしく思いだす、という話だったと思う。芥川はとても好きな作家の一人で、いつかまた読み返したみたい。


JIULIO CESARE

2007-04-21 17:29:06 | オペラ
Freiburg Baroque Orchestra
René Jacobs conductor
Marijana Mijanovic Giulio Cesare
Veronica Cangemi Cleopatra
Malena Ernman Sesto
Kristina Hammerström Cornelia
Nicolas Rivenq Achilla
Christophe Dumaux Tolomeo
David Hansen Nireno

またまたヘンデルのオペラ。彼のオペラのなかでは一番有名なものだということは知っていたが、いままで聴いたことがなかった。ヘンデルのオペラは皆長いので、cdを借りてきてちょっと聴いてみよう、という気がしない。しかしこのオペラの中のアリアはダニエルズのcdに数曲はいっているので、おなじみのはずだった。これはヘンデルが30台の後半に作ったもので、確かに油が乗り切っているというのがよく感じられた。スケールといい、メロディーといい最高傑作と思った。

歌手は皆若そうで私は知らない人たちばかり。今回はひとりも変更が無かった。最近のオペラ歌手は昔言われていたようなデブとはちがって、みなスマートである。とくに主役のCesareを歌ったMijanovicはやせて背が高く、いっしょに行った友人が「鶴みたい」といったのがぴったり。最近話題になってるファッションモデル、サイズ0、といいたいところだ。この細い体からよくあんな度迫力の声がでるものだ。クレオパトラも小柄だがやせていて、とてもきれいな声。他の歌手がちょっと地味目なのに比べて、彼女は緋色のドレスで目も鮮やかである。

このオペラは中心人物が7人もいて筋が入り乱れているが、それぞれの役が個性的で間違えるようなことはない。クレオパトラの弟トロメオはとても若いカウンターテナーで、ちょっとわがままなぼっちゃん非行少年と言う感じがよくでていた。彼がドタバタして舞台でひっくり帰ったりするので、観客は大笑いだった。なんかこの間見た韓ドラの「バリでの出来事」の金持ち坊やを思い出した。とてもいい声でうまい。かわいそうにひっくり返ったせいだろうがズボンに穴を開けてしまった。

唯一文句があるのはコーネリアで彼女はすごい美人で会う男全部が好きになってしまうはずだが、どうもとても地味な人で、歌も他に比べるとさえない。女性役ではやはりクレオパトラのほうが光っていた。ダニエルズの歌っていたアリアのいくつかはコーネリアの息子のセストのもので、Ernmanは背の高いがっちりした女性で、プラチナブロンドの長い髪をしていた。歌もうまい。

7時に始まってインターバルが2度もあり終わったのが11時15分。あまりに遅いので、拍手もそこそこに出なければならなかったのが残念だった。もっと長く拍手をしてあげたかったのに。これも絶対本物の舞台を見てみたい。ますますヘンデルの底力が感じられたコンサートだった。まだ来月もう一つあるので、ますます楽しみである。


ARIODANTE

2007-04-01 03:30:56 | オペラ
Barbicanにて。この間のハンプソンのリサイタルが二人とも変わってしまったのと同じく、今回のコンサートも主役が三人も代わってしまった。特に主演のアリオダンテの役をやるはずのAngelika Kirchschlagerがたった2日ほど前にキャンセルしてしまい、彼女を期待していたのでちょっとがっくりした。それでもいってみる気にさせたのは去年このオペラをENOで見てなかなかよかったからである。Angelikaの代わりにでてきたのはまだとても若そうなオーストラリアのCaitlin Hulcup。その他の配役は、Ginevra: Danielle de Niese, Dalinda: Jael Azzaretti, Polinesso: Vivica Genaux, King: Olivier Lallouette, Lurcanio: Topi Lehtipuu,といった私は全く知らない人たちばかり。指揮者はこれは名前はよく知っている Christophe Roussetであった。このプロダクションはパリの Theatre des Champs-Elysees のものをそのまま持ってきたもの。コンサートパフォーマンスというよりは舞台装置がないオペラというべきだろう。歌手はオーケストラの前後で演技をしながら歌を歌う。2つのインターバルを加えると4時間以上にもなる長丁場だったが全く飽きさせず見事な舞台だった。

歌手はみなとてもうまく、PolinessoとGinevraはENOよりこちらのほうが絶対上だ。主役のHulcupも悪くは無いが、まだ若く経験不足か力強さがちょっとかけるような気がする。PolinessoになったGenauxがかなり憎憎しい役柄を女性ながらよく表していた。トスカのスカルピアみたいな役柄かな。悪役だけれど、歌手だったら絶対やってみたくなるような魅力のある役だろう。Ginevraの Nieseはとても若い美人で2幕の最後の嘆きのアリアのところは本当に涙を流しながら歌っていて、ちょっとホロっとさせられた。これは将来大物になるに違いない。

席が舞台に近いせいもあって、プロの歌手の声量にビックリした。本当にからだにビンビン突き当たるような感じだった。やはり歌は近いにこしたことは無い。あまりに近いので、Lurcanioが何回か舞台にひっくり返って歌うので、こののっぽの若い男性の足が大きくて、靴のサイズが11だったことまで見えてしまった。11というとかなりでかい。私の家族の一人も足がバカでかくて10か11をはくが玄関のあたりに脱ぎ散らかしてあるとまるでボートが2隻あるみたいである。これも全く余談だが、最初舞台の上が何かほこりっぽかったが、役者の長いスカートやらLurcanioの寝転がったことなどで最後にはきれいになってしまった。

指揮者のRoussetは時々ハープシコードを弾きながらの熱演。ところどころ自分も歌いながら指揮をしていた。オケは若い人が多く、日本人の名前も数人みられた。これでますますヘンデルの音楽が好きななった。何年か前にジョン タバナーのちょっとした公演を聴いたことがある。この時の彼の話で一番覚えているのは「美しい旋律というのはヘンデルがみんな書いてしまった」というところだ。その時はまだヘンデルのオペラはよく知らなかったが、最近このタバナーの言葉を実感させられる機会が多い。次は数週間後のGiulia Cesareである。

ORLANDO

2007-03-11 04:22:07 | オペラ
ヘンデルのオペラをROHでみるのは初めてである。今年はヘンデルの当たり年で、あと2,3彼のオペラに行く予定がある。私は4,5年前までヘンデルなんかには全く興味が無かった。それが一枚のCDを偶然聴いたおかげで突如ヘンデルの大ファンになってしまった。彼の音楽には一種の麻薬じみた陶酔を誘うところがある。といって私は麻薬をやったことは無いのだが。音楽にはときに自分のいる現実世界を忘れさせるぐらいの力のあるものがある。それはメロディーなのか、リズムなのか、それとも歌だったら歌の内容なのか、それが渾然と交じり合ったものなのかわからないが、その世界に引き込まれると、終わったあとで、またどうしても経験したくてしかたがなくさせるれる。その典型がワグナーのオペラだと思う。

オペラの常で筋書きを書くとたったの数行ですんでしまう。オーランドという騎士がアンジェリカという女性を恋している。彼女はメロドというもう一人の騎士を愛している。ドリンダはメロドの怪我を治し、彼を愛している。オーランドは嫉妬で気が狂いメロドとアンジェリカを殺してしまう。最初から彼らを見守っていた、ゾラストロ(神様かな)が二人を生き返らせて、オーランドをいさめ、彼も心を入れ替えて、二人の愛を認める、とやはり3,4行ですんでしまう筋を3時かかる音楽にしてしまうのもたいした才能である。

音楽はとても美しく、特に2幕のオーランドの嘆きのアリアには心をうたれた。配役は
Orlando: Bejun Mehta
Angelica: Rosemary Joshua
Medoro: Anna Bonitatibus
Dorinda: Camilla Tilling
Zoroastro: Kyle Ketelsen
指揮者はCharles Mackerras。Mehtaは始めて聴いたが、カウンターテナーというのはやはり最初は声が十分出ないらしく、最初は、えっ、これで主役?と疑わせられたが、すぐに声も十分でて、とても美しいし、うまい歌手である。それに声が出てくると、そのボリュームも相当なもので、これはこの間聴いたダニエルスにも匹敵する歌手だと思った。他の歌手もとてもよく、さすがROHである。舞台装置はほとんどが回り舞台を4等分して、これがくるくるまわり、扉を通して歌手がそれらの部屋を行き来する、というもの。最初と最後がタイル張りみたいな四角い青い部屋で、なにか水泳プールのシャワー室みたい。

音楽が美しいので、読むとそうとう空々しい歌詞でも3時間十分楽しんだ。次はやはりヘンデルのオペラ、アリオダンテに今月末に行く予定がある。これはこのオーランドより筋もほんのちょっとだけ複雑でヘンデルのオペラアリアのなかでもピカ一の美しいアリアがあるので、期待している。


THE GONDOLIERS ENO

2007-03-11 04:19:00 | オペラ
ギルバート & サリバンのオペラはこれで3つ目ぐらいだが、どれも音楽的にはあまり記憶に残るものではなく、どうしてこれらがいまだに上演され続けているのか疑問になるぐらい。イギリスで年末年初によく上演されるパントマイムの原型なのだろう。筋はたたわいも無いもので、ベニスのゴンドラ乗りのひとりが本当はどこかの国の王様らしい、といだけ。ただし舞台、衣装が目も覚めるぐらい派手でとても楽しい。女性軍は全員50年代のドレス、男性軍は白黒と対象も鮮やかである。舞台は一幕目がベニスの川、2幕目が王国のプールサイドでテキトウにスマートで洗練されている。この正反対が去年見たROHのリングだった。まあまた是非みたい、というものではないが、たまにはこういう目の保養になる舞台もいいだろう。