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後で考えます

多分映画の話題。でも映画好きで、これから見たい方は読まないほうがいいです。

Olympic

2012-07-27 19:02:12 | 
実のところ7年前にロンドンでやることになった時は、あああ、金がかかりそう。やめときゃいいのに、というのが私の正直な気持ちだった。いろいろ問題が山積みになることは目に見えているし、予算も当初の10倍ぐらいはかかるだろう。今になって予算どおりとかいっているのはいっきに数倍になってからはよさんどうり、ということなのだ。とにかく最初は否定的な気持ちだった私なのだが、まあやることに決まってしまったんだからしかたがない。一年以上前にボランティアの募集があったとき、軽い気持ちで応募してみた。そしたらタイヘン、まるで新しい職のためみたいにインタビューだの、ものすごい長文の作文をいくつも書かせられて、結局は採用、ということになった。それから今年になってずいぶん何回もの訓練に行かされてものだ。それでも私は本番の前はおことわり、としたのでテストイベントはやらなくてすんだものだ。テストイベントも引き受けます、という人たちはもう春ごろから何度もかりだされたみたい。

其の話は後にして、今日はいよいよ本番、あと少しでいよいよ開会式だ。ボランティアは一銭も給料はもらえないのはもちろんだけれど、なにかいいことがあるか、というと、ひとつには開会式の予行演習をみることができた、ということだろう。今週の水曜日にオリンピックパークでやった予行演習にいってきた。

本当は秘密なんだろうけれど、もう実際に始まっているんだからいいだろう、といくつか写真を載せてみよう。

    

ちょっと角度がおかしいけれど、スタジジアムと横の搭。スタジオの周りは花園。矢車草が主で青い色が美しい。竹のトンネル。

    
のどかな田園風景。雲まである。ホントにこれスタジオの中? 少し暗くなってきた。観客席の前に光の出る装置があって、いろいろな色が出る。

    


あっという間に田園から工業にかわり、次はイギリスの誇る(今では落ち目の)ナショナルヘルス、五輪の光の輪。最後はまたまたイギリスの専売特許、ポップミュージック。

という具合にハイテクを駆使して大スペクタクルになった。もちろん有名人のゲストの出るところなんかは予行演習には含まれていないし、聖火なんかもみせてはくれないけれど、雰囲気はたっぷり堪能できた。途中すばらしい何百ものドラムの演奏があって、あの響きは実際にそこにいないと経験できるものではない。

さあ、後少しで本番が始まる。この私のブログも明日あたりもっとゆっくり書き足すことにしよう。もっとも日曜日から6日もボランティア活動で出かけるので書く時間があるだろうか。それに帰ってきてからテレビにかじりついて本番のオリンピックをみなければならない。


壬生義士伝

2006-12-24 18:11:10 | 
昔は本のムシだったのに、最近本を読まなくなった。月に数冊読めばいいほうだ。今月はそれでも浅田次郎を2冊も読んだ。2冊目はこれ。読み終わって、安心した。ああ、これで泣かなくてすむ、と思ったことだ。それにしても泣き所の多い小説である。私の尊敬するK氏など、下巻のところどころで泣いたそうだが、私なんか上巻から泣いてる。下巻なんてほとんど全部泣きながら読んだ(ちょっと大げさかな)。週刊誌に連載されていたようなので、数週間ごとに泣かせようと意気込んで書いたんでしょう。泣かされると、ああ、またやられちゃった、と自分ながら興ざめだけれど、作者の思うとおりにほんろうされてしまっている。つまり韓ドラみたいなものである。私だったら、単行本になるときにちょっと手をいれて、泣き所を整理するでしょうね。テレビドラマかなにかにして、一週間ごとぐらいだったら泣かせどころもちょうどいいのかもしれないけれど、2,3日で読んでしまう本だともっと抑えて、最後にぐっと盛り上げてほしい。

この作者の本を最初に読んだのはプリズンホテルかな。あれも喜劇のはずが、ところどころで泣かされた記憶がある。最近映画になったらしい、地下鉄...は私にはあまりにも感傷的すぎていけない。こういうのを浪花節、というのだろうが、じつのところまともに本当の浪花節をきいたことがないので、こういう言い回しは私にはできない。落語のcdはいくつか持っているので、浪花節のcdもあるのだろう。今度機会があれば聞いてみたい。落語のcdは100円ショップで買った気がする。一緒にフルトベングラーも数枚買ったが、やはりあまりにも音が貧弱すぎて、また聴きなおす気がしない。

さて本題の壬生に戻ろう。新撰組の本は私はあまり読んだことがない。司馬の坂本竜馬は読んだが、あまりにも昔であまり記憶に無い。大体司馬の本は昔たくさん読んだことがあるが、あまり好きではなかった。あまりにも枝葉まっぱに書きすぎて、しまりが無い、と思った。浅田氏のこの壬生もその気配がある。しかし新撰組の有名な近藤、土方、沖田とかの個性がとても生き生きと描写されていて、おもしろい。主人公の寛一郎の息子の最後には同感できない。せっかく生と死の選択の機会があったのに、どうして生の方を選ばなかったのだろう。父だって、あんなに早くあの世で息子に会いたかったとは思えない。

本文中一つとても同感する箇所があった。それは寛一郎が「切られるやつにも親も兄弟、子供もあるだろうに」と思いながら自分が切られたくないために切ってしまうところ。私は子供のころにテレビで剣豪ドラマを見るのはキライだった。ある強い浪人が村とかにやってきて、最後には悪いやつとその手下をばっさばっさときりすてて、ワハハと笑いながら村を後にする、というのがよくあったが、私はいつも切られる小物たちがかわいそうで見ていられなかった。今でも映画でそういうのを見ると、特に主人公に切られるため、撃たれるためだけに出てくる小物たちの生い立ちなんかを一瞬想像してしまうのである。

浅田さん、とにかくうまいね。ページごとに感心する文章だらけ。いろいろ文句は書いたけれど、これはどなたにもお勧めの小説です。この前に読んだ彼の「勇気リンリン..」には散々笑わせられた。こちらもお勧め。両方を貸してくださったYさん、ありがとう。また借りにいきます。