後で考えます

多分映画の話題。でも映画好きで、これから見たい方は読まないほうがいいです。

FORGETTING SARAH MARSHALL

2008-04-30 17:34:27 | 映画
今ハリウッドでどういうわけか飛ぶ鳥を落とす勢いのJudd Apatowが製作者のコメディだ。彼のグループの映画は私はKnocked Upと Superbadしか見ていない。このうちKUはかなりよくできた映画だったし、SBのほうもわるくはなかった。そこでこれも期待していったのに、まったくがっかり。

女に振られた男がよよと泣き崩れ、いろいろ彼女を取り戻す算段をするが、すべてうまくいかず、その途中で本命の女性わ現れる、というのは映画の筋としてはよくあるのではないかな。男が音楽家、ということですぐおもいだすのはWeddingsingerだろう。WSのほうがとてもよくできた映画だったのに、このFSMがいけないのはどうしてだろうか。

脚本は主演もしているJason Segelが書いているのだけれど、一番いけないのはこの男に全く魅力だないことだろう。体も28歳と若いくせにブヨブヨしていて、これがやたらと素っ裸になりたがる。いくじも無いし、部屋も汚し放題では捨てられても納得がいく。もうひとつは女のほうもきれいでもないし、これも全く魅力ゼロ。途中で出てくるRachelというのが小柄ながらとてもきれいな人で、魅力だが、これがどうしてJasonに惹かれるのかわからない。最後のほうでたった一つだけ彼女のためにしてやるのが、男性用トイレにある彼女の写真をはがすことなのだが、最近の写真はみなデジタルなので、同じ写真のコピーをまたはられるのは目にみえている。

Sarahの新しい(?)ボーイフレンドにイギリスのラッセル ブランドがまたでている。この人はどの映画でも全くおなじキャラでたぶんご本人もこんなのかな。ものすごいイギリス訛で、周囲からうきあがっているけれど、それだけ目立つとはいえる。そんなに悪いやつではなく、Jasonよりましではないかな。とても自分に正直なのは好感がもてるくらいだ。

やたら長々しくて、とくに前半があきる。やはり中心人物は魅力のあるのにしてほしい。マシューみたいに外見ダケ、でもいいから。55点。

THE EYE

2008-04-25 23:03:26 | 映画
ジェシカ アルバ主演のホラー映画。これは数年前の中国の映画のリメイクだそうだ。私は残念ながら見ていない。

たいていの場合ハリウッドでのリメイクのほうが批評家には受けが悪い。この映画もほめられてはいないだろう。しかし私が見たものではDepartedなど悪くは無かった。パチーノ主演のInnsomniaなどとてもよくできていたのであとで元になるノルウェーの映画もみたが、これはハリウッド製のほうがよくできていた。

このThe Eyeではアルバは盲目のヴァイオリニストで角膜移植の後死んだ人々とか死神まで見えるようになってしまう。もう観客もホラーになれてしまったのか、これがちっとも怖くない。結局のところ角膜の元の持ち主に何か秘密があるのだろう、と彼女の元住んでいたところに行って見るのだ。ここのところが一番バカバカしい。アルバはニューヨークに住んでいて、死んだ女性はメキシコに住んでいたのだ。そう聞くともちろん飛行機でメキシコに行くとばかり思ったら、なんと車で13時間も運転して行くのだ。もちろんハンサムな目医者が連れて行ってくれるのだが、ちょっと無理なんじゃないかな。原作ではどうなっているのか興味が出てきたくらい。

まあ後になるとこれが複線で結末につながるのだけれど、やはりおかしい。ジェシカはSin Cityではすばらしく美しかったが、その後はFantastic FourとかInto the Blueとかろくなのに出ていない。

ヴァイオリニストで舞台で演奏するところがあるが、これが全く演奏しているように見えない。目医者になるAlessandro Nivolaもたいしたこと無いし、まあ普通のできの映画、としかいえない。55点。

IN BRUGE

2008-04-23 23:59:26 | 映画
もう4月も後半になるのにめったにおもしろい映画に出くわさなかったが、これは今年のベスト5にははいると思う。とにかくせりふがおかしい。二人のアイルランド人の殺し屋の話。

若い方がコリン ファレル、中年の太っちょのほうがブレンデン グリースン。このふたりのコンビがブルージュで繰り広げるドタバタが主な筋だ。この二人がブルージュなんていうベルギーの古都に行く原因はレイ(コリン)がロンドンでへまをして子供を殺してしまったので、彼らのボス ハリー(レイフ ファインズ)がほとぼりのさめるまでおとなしくしていろ、と命令したためだ。

ケン(グリースン)は中年で分別もまああり、古都観光を楽しんでいるのだが、レイのほうはまるでティーンエイジャーみたいにあらゆるものに悪態をついている。退屈しているレイは映画撮影をしているのを見つけ、とたんにいきいきしてくるのがおかしい。そこで出会ったのがかわいい女の子と小人。運よくデイトにもちこんだのはいいが、レストランとか彼女の部屋でレイは大暴れ。

途中からハリーも加わってそこらへんから話しがはっきりしてくる。レイフさんをみるのは久しぶりだが、すっかり頭が薄くなってしまった。それでも出ている間中怒って切れまくっているボスを楽しそうに演じている。

監督はイギリスの劇作家だそうで、結末は想像がつくが、そこまで行く過程がどれも思いがけず、まるでジグソーパズルが一つ一つ嵌め込まれていくように最初はパラパラと、あとになるにしたがって加速的に全部の出来事、人物像がひとつの絵にしあがっていくのは見事なものだ。ブルージュへ来た理由までが結末への原因のひとつになっているのはうまい。ただしそのうまさがひとつの欠点になっているとはいえる。つまりこの映画は、映画あるいは舞台上でうまいこと完結してしまっているので、終わると我々観客の現実の世界とは全く関係ないことが感じられるのだ。それでも見ている間はおおいに楽しめた。

私は本来はFワードを連発する映画は嫌いなんだけれど、ここでは許せる。コリンはどうしてハリウッドの大スターになってしまったのか不思議な俳優だが、ここでは彼の持ち味がとてもうまく使われている。あの濃い眉毛を八の字に寄せて、殺し屋のはずがやけに感傷的で人がいい。コリンで過去印象的だったのはDEADEVILでやはりアイルランドからの殺し屋、ブルズアイだった。あの映画は最後に続編がありそうだったのに、いまだに出ていないのは残念なことだ。

ヘンなことにこの三人、根本的にはイイヒトなのがおかしい。ケンになるグリースンがとてもいい。この人は脇役としてはずいぶん出ている人で、私もたくさん見ているが、珍しく主役をやったTiger's Tailをよく覚えている。

一つ一つの場面がとてもおかしいが、とくに児童公園での出来事。これはすぐ前にはっきりわかるよう複線がはってあるのでだれでも想像はできるが、その想像通りになってしまうので余計おかしい。反対に電車の中の出来事は最初車掌のアクセントで笑わせるのかとおもったら、思いがけない展開になってうまい。

私は二年ほど前にブルージュに半日だけだが行ったことがあるので、水上観光とか塔からの眺めとかよく覚えている。その時は時間が無かったので美術館は行かなかったが、この映画ではボッシュだかブリューゲルの絵が出てきて、今度ぜひもっと時間をかけていってみたい気にさせられた。

これはぜひDVDが出たときもう一度見たい映画のひとつだ。血もドバっとでるし、ことばも悪いし万人向きではない。とくに全くお子様向けでないのもよろしい。87点。

THE STREET KING

2008-04-23 05:54:43 | 映画
キアヌ リーブスはダイコンとは思うがすきな俳優の一人だ。顔が印象的なので得している俳優のひとりだ。

脇役にはどこかで見たような俳優がたくさん出ているが、ほとんど記憶にのこらない。やはりアクの強いほうがよく覚えている。キアヌはLAの警官で悪いやつをバンバン撃ち殺すのはまるでダーティ ハリーみたい。もちろんハリーのほうが格が上だけれど。

監督はThe Fast and the Furious、Trainingday, Harsh Timesなどを書いたDaivd Ayerでなるほど傾向が似ている。とにかく物事がたくさん起こって話しはとんとん進む。途中キアヌがデスクジョブに縛りつけられるところだけ、ちょっと落ち着いた場面になるがそれもすぐ次のアクションに行ってしまう。

ボスになるのがフォレスト ウィタカーでこの映画ではやけに薄っぺらな人物像になっていてよろしくない。途中でヒュー ロウリーが意地悪な警察官になって出てくる。Houseで忙しすぎて映画は諦めたのかと思ったら、たまには顔をだすみたいだ。Houseをもっと意地悪くしたような人物で、最初こいつが悪徳警官の元締めかと思ったほどだ。

キアヌはまあまあ。でも彼も中年になってきているし、今後どんな役が来るのだろう。もうMatrixでもあるまいから、難しい年齢にさしかかっているのだろう。

しかしハリウッドの映画の中だけかもしれないが、アメリカにはなんと悪徳警官が多いことか。最近の映画では16 BlocksとかAmerican Gangsterなど警察署には悪徳警官があふれているみたいだ。このSKに出てくる警官もほとんどは悪いやつで、キアヌがその中でいままで悪にそまっていなかったのは信じがたい。

今週の映画のひとつでThree and Outというのがあって、これは電車の運転手が主人公で、人身事故を扱っているが、これに怒って実際の運転手たちがデモをしたと聞く。アメリカではよくも警官たちが悪徳警官ばかりを映画に作るハリウッドにもんくをいわないものだ。それとも実際にもこのくらいの割合で悪徳警官がいるのかもしれない。恐ろしいものだ。

最後のほうでものすごいばかりの大金を壁に塗りこめて隠しているところがでてくるが、金というものは使うから楽しいのであって、単に隠し持っているだけでは紙きれにすぎないのに、とへんなことを思った。

新聞評が悪いわりには、そんなに悪くは無い。70点。

CARMEN

2008-04-21 17:30:56 | オペラ
ROHにて。Carmenのナマをみるのは初めてだ。DVDではドミンゴのものを数年前に見ている。その中で一番印象的だったのは、歌でもない、舞台でもない、主演のカルメンの腋毛のすさまじさだった。

とうわけで、しいてどうしても見たいオペラとは言えないが、ドンホセをやるアルヴァレスが去年トロバトーレですばらしかったので、行ってみることにした。そしたら出演者をよく調べなかったのか、私たちが行った日だけアルヴァレスはでず、Hartmannというテナーだったのだ。

仕方が無い、それでも行くしかない。オペラそのものはヴェルディとかと違って、台詞が多く、その合間に歌が入る、というどちらかというとミュージカルの歌が多いものみたいだった。

カルメン(Nancy Fabiola Herrera)はなかなか美人で悪くない。Hartmann も悪くは無いし、かなり美声だけれど、これというパンチに欠けるようだ。EscamilloはKyle Ketelsenというバリトンでちょっと小柄で迫力にはかける。

一番よかったのが、MicaelaになるSusan Grittonだった。彼女はとても美しいすんだ声で、うまい。彼女は過去何回も見ているが、そのたびに感心させられるソプラノだ。彼女のほかは全体に盛り上がりに欠けるけれど、まあまあの舞台だった。

THE SPIDERWICK CRONICLES

2008-04-17 19:05:37 | 映画
確かに出てくる妖精とか怪物はよくできているけれど、それにしては話が退屈。最近子供向けをいくつか見たが、やはり大人の観賞に耐える(特に、物語の筋)のを作るのは難しい。これなどCGに懲りすぎて肝心の人物とか全体の筋をおろそかにしてしまったみたいだ。そこにいくとティム バートンのチョコレートファクトリーなんかは立派に大人の観賞に耐える、というより、ああも意地悪い筋では、お子様お断りで、もう大人向けだ。あのくらいよくできていないともう子供向き映画には行きたくなくなってしまう。学校の休みも明けたことだし、お子様向けは当分いい。60点

FOOL'S GOLD

2008-04-17 06:19:03 | 映画
四月になるのに雪が降るここの気候にうんざりし、もうどんな映画でもいいから青い空と青い海が見たい、ついでにカッコイイ男が裸に近い格好で走り回っているのをみるのはいいものだ。というわけでこのFool's Goldだけど、全くそれだけの映画だった。

色を添える美女というのはケイト ハドソンでこちらはたいしたことはない。ぞっとするほどの美女でもないし、スタイルもわるくはないけれど胸なんかペッチャンコのほうで、スターというにはかなり足りない。頭のほうはいい設定だけれど、インテリにも見えない。やはりお母さんのゴルディー ホーンのほうがチャーミングだ。金持ちの娘でAlexis Dzienaという女優がでているが、小柄だけれどとてもかわいくてこちらのほうがずっと印象的だ。もちろんものすごくバカな役だけれど。

男のほうはマシュー マコノヒューで、顔はまあハンサム、体系のほうは最高にハンサム。ほとんど上半身裸でかっこうはいい。その割りに彼の映画で印象にのこっているのはReign of Fireでスキンヘッドのマッチョ男になった映画ぐらいしか無い。このFGもすぐに忘れ去られてしまうだろう。脇役でRay Winstoneがでているが、どうも敵だか見方だかわけの分からない人物になっている。だいぶ話の筋をちょんぎったのではないかな。おもしろいのは彼は少しやせたみたいで前は顔が丸かったけれど、この映画では少し細長くなっている。そうすると去年みたBeowulfにとてもよく似ている。BWを見たときはWinstonの丸顔の記憶が邪魔になったけれど、いまはすこしは許せる。

話は無理があるし、ケイトは魅力無いし、全く青い空と海とマシューの体だけの映画だった。55点。

SHINE THE LIGHT

2008-04-16 17:00:26 | 映画
前はずいぶんたくさんのロックコンサートにいったものだ。最近はツレアイがレイジーになってしまってせいぜい一年に一度いけばいいほうだ。去年おととしと、いったものはREMとローリングストーンズぐらいになってしまった。

去年いったストーンズはたいまい150ポンドも払ったおかげでいままでで一番舞台に近い席だった。この映画はスコセーシが監督したストーンズのコンサートの映画。少し前のU2のは純粋にコンサートの映画だったが、こちらは過去の映像とかインタビューとかも交えて、ストーンズの歴史の記録映画風のところもある。

ナマではいくら近いとはいえ表情などがわかる距離ではないので、その点いろいろな角度から移されるメンバーの表情、シャツに広がっていくアセとかよく見える。しかしやはりコンサートはナマに限る、という映画の限界もよく分かってしまう。あのナマの舞台上と観客の一体感とか興奮状態までは映画では描ききれていない。

監督がしゃしゃり出ていろいろ指令を出すのだが、あのメガネの顔は少しけずったほうがよろしい。

途中ゲストアーティストが三人でるが、最初のホワイトはダメ。次の黒人のブルースギターがすばらしい。BB Kingをほっそりさせた感じで、歌も度迫力でびっくりだ。これはうまい。次のアギレラはまあまあ。

ミックは相変わらず細く、エネルギーのかたまりで、走り回ってっている。映画の中の舞台はニューヨークの劇場で私たちが去年見たO2よりかなり小さい。舞台もO2のほうが広くそこを3時間近くミックが端から端まで走り回って、まあよく疲れないものだと関心した。映画ではやはり最後のほうでは声がかすれていく様子がよくわかる。この人はマラソンをやらせたらかなりいい記録をだすだろうな。60歳代だったら絶対優勝間違いなしだ。インタビューではまだまだツアーをやめる気はないみたいだ。

映画の中ではたぶんヤラセだろうが、舞台近くの観客は20台の若い女の子が占領していたが、実際のコンサートに行くとジイサン、バアサンが多い。それとその子供、そして最近ではその子供、つまり孫もたくさん来ている。もうロックコンサートは若者だけのものではなくなっている時代なんだろう。

いいことはもちろん実際のコンサートより入場料がずっと安いことだ。コンサートの記録としては私も持っているBridges To Babylon とかFour Flicks のほうがいいとは思うが、大画面で見る迫力はやはりDVDのテレビ画面とは格段に迫力がある。

この間のU2もかなり楽しんだので、こういうコンサートの映画も今後ちゃんとした映画館で見せてくれることを望む。ついでにクラシックのコンサートとかたまにはあるがオペラもやってほしいものだ。80点

THE LEATHERHEAD

2008-04-14 17:00:06 | 映画
ジョージ クルーニー主演監督の映画。彼の最初の監督作Confessions of a Dangerous Mind はとても面白かった。彼の才気を十分感じさせられる作品だった。次の Good Night, and Good Luckもよかった。

そこで三作目のこれも期待していったのに、裏切られた。話は1920年代のこと、まだプロフットボールの初期のこと。ジョージはプレイヤー兼監督だが、うまく行かずチームは解散。彼の再起と怪しげな戦争ヒーロー、彼のことを書きたい女性記者とかが織り成す物語だ。

記者になるのがレネー ゼウェルガーで彼女はやはり少し歳ですね。数年前のピチピチしたところが無くなってきてしまっている。もちろんジョージはもう中年男でこちらもピチともしない。たぶん3,40年代のクラーク ゲイブルとかケイリー グラントのでた初期のロマンチックコメディのつもりなのだろうが、話があまりにものろいので、あきてしまう。最後の泥だらけのゲームも長すぎて、いいかげんにしろ、といいたい。

たしかにジョージ君は愛嬌のある俳優で、魅力たっぷりなんだけど、それも少し味が薄くなってきたみたいだ。もっと監督業にせいをだすか、俳優としてもう一旗あげるか、身の振り方を考える時なのかな。

ではこの映画のいいところは、というと時代考証とか衣装かな。これらはとてもよくできている。もちろん私が直接この時代を知っているわけれはないけれど、男性はほとんど背広でネクタイ、女性はスカートでどちらも帽子をかぶっている。最近の女性はとくにこの国ではスカートすがたが珍しくなってきているのを考えると、タイトスカートだけでも時代を感じてしまうのだ。まあそれだけを見ていてもかなり楽しいのは確かだけれど、私が監督だったら、20分はちょん切るだろう。65点。

21

2008-04-14 16:59:36 | 映画
少し前から思っていたが、特にハリウッドの映画製作の質が落ちているというのはこの映画を見るとよく分かる。

大学教授が数学の天才を集めてカジノで博打で大もうけしよう、というもの。やり方はかなり単純で出てきたカード覚えて、次にくるカードの確立を計算して賭けるんだそうだ。こんな戦法が単純ならまさか違法とは思わなかったが、実際にこの方法は違法なんだそうだ。もちろん一分前のことさえ覚えていない私なんて、とてもじゃないができない。

ケビン スペーシーの教授が学生達をハードトレーニングするのだ。彼そのものは指令官として賭けには手をださない。映画としては他人が賭けてる様子を見てもちっとも面白くないし、教授が後になるにしたがってますますイヤなヤツになっていくのも気に食わない。どうしてここまでいやみに描くのだろう。もう少し人間味のある人物に描いてもよかっただろうに。

なにかスペーシーの映画はSevenとかK-Paxをはじめ嫌味な役ばかりで、かわいそうだけれどあまり好きな俳優ではない。たぶん彼の本性は全く違っていいひとなんだろうけれど。考えて見るとそのほかAmerican Beauty、The Life of David Galeとか、人のいい役はやらないみたいだ。

そこへいくとトム ハンクスなんか善人ばかりで、これも型にはまってしまっている。ある俳優によると、悪人を演じるほうが楽しいんだそうだが、本当だろうか。

主演のJim Sturgessは聞いたところによるとイギリスのテレビで活躍していた俳優だそうだが、テレビドラマをあまり見ない私には初めてみる人。アメリカ人の中でも全く違和感のないアクセントだ。ただしあまり印象の強い顔はしていない。

半分ぐらいから、そんなバカな、という出来事だらけ。この方法で儲けたかったらいくつかのカジノで、すこしづつやれば目立たないだろうに。いつも同じところでやるのはどうしてだろう。それにあんなにたくさんの札束だったらもう少し気をつけて隠せばいいのに。天才とバカは紙一重、か。

ただし最後のシーンには私はひっかかってしまったので、面白かった。ラスベガスでの賭博の映画はRainmanのほうがよっぽどよくできていた。こんなので全米第一位に2週間もなっていたのは他の映画もよっぽどひどかったのに違いない。55点。

THE WATER HORSE

2008-04-11 20:57:55 | 映画
ネス湖の怪物が本当にいたら、というお話。

まあ子供向けだけど怪物がよくできているといううわさなので見てみた。1942年のこと、アンガスという男の子が湖で大きな卵みたいなのを拾う。家(お屋敷)に持って帰って、卵が孵り、怪物の赤ちゃんが誕生。これがいたずらなヤツで屋敷に駐屯している軍隊も巻き込んで大騒動、というのが筋。

母親も途中まで怪物を信じない、など形式通りに話が進む。怪物は死ぬ間際に卵を産むので、怪物はいつも孤児なんだそうだ。これがあっという間に大きくなって数日で象ぐらいになってしまう。卵が孵化するには精子が必要なんじゃなかったかな?それとも、なんといったかな、処女懐胎?つまり怪物=キリスト?変な連想をしてしまった。そこのところは子供向けであっさり許すことになってるみたいだ。私の頭にはずっとそのことがこびりついているんだけれど、考えすぎかな。なにか登場人物があまりにも形式的で、悪役、善玉がはっきりしすぎている。

ひとつ大きな疑問、というか文句は季節が春みたいだが、湖の水はとても冷たいだろうに、アンガスがあんなに長い間水の中に入っていたら、凍え死んでしまうんじゃないのかな。それに怪物の皮膚はつるつるしてるみたいだが、どうやって掴まってるんだろう。あのスピードで泳いでは絶対に滑り落ちることまちがいなし。などと余計な心配ばかりして見ていた。

スコットランドの景色はすばらしく、観光案内にはもってこいの映画だったけれど、私のようにひねくれた目で見るとあまり楽しめないものだった。ただし怪物はよくできている。CGなんだろうけれど、ここまで真実味のあるものを作る(描く)技術には驚嘆する。この間の10,000BCよりよっぽどよくできている。10歳以下だったら大喝采間違いなしの映画。70点

27 DRESSES

2008-04-10 20:57:28 | 映画
去年KNOCKEDUPでとても新鮮だったキャサリン ヘーグルの新作なので、かなり期待していった。結果はまあまあの平均点ぐらいのロマンスコメディかな。

20台も後半ぐらいのキャサリンは幼いころから結婚式でのブライズメイドばかりやっている。いちいちのドレスをを取っておいたので、いまでは戸棚いっぱい、27ものドレスがたまってしまった。

彼女は勤め先のボス、エド ノートンに恋しているが彼のほうは全く感じていないみたい。そこにジェイムス マースデンが現れ彼女にアタックするが、彼女はエドが諦めきれない。彼女の妹がやってきて、エドをつかんでしまい、結婚することになった。

筋はキショウテンケツがうまくいっていて、おもしろいのだが意外性ゼロなのが悲しい。もう少し突拍子もなく外れてしまったほうが面白かったのに。

キャサリンというのはまあスタイルもいいしまあ美人のぶるいなんだけれど、こう筋が普通だと彼女の「普通の女の子」という特性が生きてこない。ノートンは少し中年の風格で、それほどまでにキャサリンが思いつめる魅力に乏しい。マースデンは少し前にEnchantedを見た。ハンサム、というにはちょっと角(つまり頬骨とか)がとんがっている人で、エドよりは個性的ではある。

妹のテスになるのがMalin Akermanという人で、はじめてみるが、見たところキャメロン ディアスにとても似ている。けれど、キャメロンを少し安っぽくした感じかな。もう少し過度に意地悪、とかだったら光るのかも知れないが、姉を怒らせる原因が単に菜食主義とかのうそを言ったことなどでは途中でキャサリンにあれほど嫌がられる根拠が少し苦しい。

このキャサリンの反撃の場面もちょっと生ぬるくて、これくらいで婚約者を捨てるような男だったら最初からごめんこうむる。ここのところをどうかして徹底的にやり込めることにしたらよかったのに。全体的に筋とか性格付けがの底が浅いような気がする。だから平均的コメディとしかいいようがない。60点。