後で考えます

多分映画の話題。でも映画好きで、これから見たい方は読まないほうがいいです。

THE GUARD

2011-08-30 08:27:50 | 映画
Director: John Michael McDonagh
Starring: Brendan Gleeson, Don Cheadle, Liam Cunningham, Mark Strong, Fionnula Flanagan

アイリッシのギャング物というと数年前のIn Brugeが有名だ。この映画はIBの監督Martin McDonaghの兄弟のJohnが監督したもの。私はどちらが兄なのか弟なのかは知らないが、Martinのほうが有名で、この二作を比べてみるとはやりIBのほうがずっと勝っている。Gleesonはこん回はギャングではなく警官のほう。でもこの人は乱暴だし、周囲の人々のことは一切関知しないという点では前回とほとんど同じ。もしかしたら脚本は同じ人だろうか。一匹狼といった感じのGleesonがしだいにドラッグ取引の事件に巻き込まれていく。そこにChedleのFBIが派遣されてきて、まったく性格の違うふたりが組んで事件の解決(?)を目指す、というのはよくある映画の筋だ。この、主人公が二人というのもIBと似ている。Cheadleはいいけれど、やはりIBのコリンのほうがいい。どういうわけかコリンというのはどこかかわいげのあるひとで、つまり見ていて華がある。そこへいくとDonはうまいんだけれど、ちょっとジミ。

この映画、おもしろいんだけれど、私にはちょっと難がある。それはアイリッシなまりの英語が聞き取りにくいこと。まだDonの米語のほうがよくわかる。ギャングのボスはMark Strongでこれはイギリス人という設定で、彼の英語をきくとちょっと安心する。彼の仲間のギャングどもがやたらと高尚な文学好きで、車のなかでの会話がおかしい。Strongはそれに辟易しているのか、と思わせて、自分も口を挟む。このイギリス人がボスというところもIBと同じで、あれではレイフ ファインズだった。この二人はとてもいい。ふたりとも最近ハゲで坊主頭になってしまったのまで同じ。

 

悪いけどIBの二番煎じといったところ。でも映画なんて同じような設定でいくつもつくるのはしかたないので、数年置きにこうして楽しめる映画を見せてくれるのはよろしい。

そんなに悪くはない。75点。

CAPTAIN AMERICA: THE FIRST AVENGER

2011-08-21 18:45:18 | 映画
Director: Joe Johnston
Starring: Chris Evans, Hugo Weaving, Stanley Tucci, Dominic Cooper, Tommy Lee Jones, Hayley Atwell, Sebastian Stan

すさまじいまでのアメリカバンザイ、プロパガンダ映画。なにか半世紀前のジョン ウェインの第二次大戦の映画みたいな感じだ。弱弱しい青年だったChrisがStanleyの実験台になって筋肉たくましいCaptain Americaに生まれ変わる。最初は単にアメリカ軍の宣伝につかわれていたのだが、後本領を発揮してナチをやっつけるというお話。こういうのはドイツでは公開されるんだろうか。WWIIの後のこの種の映画は日本では公開されなかったのだろう。というか私は知らないけれど、少なくとも私が子供のころのテレビではやっていなかった。今ここイギリスではいまでも時々この種の映画はテレビで放映されていて、私の義父などファンなのだろう。

別につまらないわけではないけれど、なにか中盤からアクションになってくると、中型のアクションがいくつもいくつもあって、長いしすこしあきてしまった。アクションをヘンだけれど図解してみると _Λ__Λ_Λ_Λ_Λ_Λといったところかな。これもTree of Lifeといっしょで私がエディットしてみたくなった。

マーベルのコミックの映画版では力をいれたわりにはスケールが小さい感じがする。これは3Dのはずだけれど、私はすこし3Dはあきたので2Dで見た。そのほうが色はきれいだ。面白く二度見る価値があるなら3Dで見なおしてもいいとは思ったがこれはすぐ見直すだけの価値のある映画ではない。

主人公のクリスはまあ中ぐらいのスターだけれど、なんとも印象の薄い顔をしている。最初のころの小さくて弱弱しい青年は違う俳優がやっているのだろうか。それとも彼だけCGで作ってしまっているのだろうか。そこだけは興味がある。体というのは沢山食べて鍛えればなんとかりっぱな体になるだろうけれど、あれほど全体を小さくするのは実写では不可能だろう。
 

主人公が印象の薄いわりに周囲にはあくの強い俳優をもってきている。最初のクリスの肉体改造する医者にはStanley Tucci、ハゲだけれどとてもいい俳優。いつもはコメディのほうが多い。最大の悪役にはHugo Weaving。彼ではMatrixのMr Smithの印象がとても強い。とてもハンサムなヒーローとはいいがたい顔だけれど、わすれられない俳優のひとり。もうひとりのナチの悪役はもちろん英国俳優-Toby Jones。この人はメガネでこういうナチの悪役をインディアナ ジョーンズで見た覚えがある。英国俳優としてはアイアンマンの父親としてドミニック クーパーがでているが、なにか彼の米語はウソくさい。この人はまだ修行がたりない。

全体にマーベルヒーローとしてはどうでもいい感じで、アイアンマンだのXメンたちにくらべると落ちる。いつもの例でクレジットの後におまけがあり、またれいの男がでてきた。

70点

COWBOYS & ALIENS

2011-08-17 19:06:50 | 映画
Director: Jon Favreau
Starring: Daniel Craig, Harrison Ford, Olivia Wilde, Sam Rockwell

まさに題名のとおり、西部劇にエイリアンを足すとこんなものになるのだろう。関心することに、ここには西部劇の材料が全部ある。カウボーイ、悪い地主、インディアン、保安官、酒場とかエイリアンを抜けばまるで昔のジョン ウェインの西部劇みたいだ。ちょっと風変わりなのが主役のダニエル クレイグ。やはり007の面影がちらちらする。彼の米語はりっぱで、その前に見たキャプテン アメリカのなかのドミニック クーパーの米語がなにかニセモノくさかったのよりずっと様になっている。007の時は水着姿になってもなにかズンドウだったのだがあれからまた鍛えたらしく、こん回は後姿がなかなかよろしい。お尻がキュッと締まって見える。しかし顔のほうはすこし年をくったな、という感じだ。この人のいけないところはユーモアがゼロのところ。ハリソン フォードはインディアンア ジョーンズの印象が強く、カウボーイハットで様になっているけれど、考えて見ると彼の西部劇は見たことがない。それでも地方の大ボスでアクなんだけれど、本当はいいところもあるという役をうまく演じている。

本当の西部劇ではいつもは敵対している白人、インディアン、強盗団などが後半では一致団結してエイリアンに向かうところなど、アメリカのこうなって欲しいという希望みたいなものが垣間見られた。筋もよく練られていて、最初は人間側でも仲間どうしで殺しあっているのに、だんだんといっしょに共通の敵と戦うことになる背景がよく書かれている。しかしこの映画の後ではまだアメリカでは白人とインディアンはうまくいっているようには見えないから、この平和は地方的なもにに終わってしまったのだろう。

どうもひとつ私には納得できないのはダニエルの腕にある腕輪みたいなもの。少し行くとこれが協力な武器だということがわかるのだけれど、どうしてひとつしかないのだろう。こんな便利なものなら、もっと量産して全員が持てばいいのに、エイリアンどももこれがないから後半では人間がわにコロコロやられてしまう。ここら辺が私には納得できないところだ。もっともこれが沢山あったら全人類絶滅など簡単なもので、私たちはもう存在しないということになってしまう。

紅一点のオリビア ワイルドは数年前からテレビのハウスでサーティーンを演じている人で、そのころからなかなかいい、とおもっていたが、最近どしどし大作に抜擢されている。その割りに最新のハウスにも舞い戻ってきている。いそがしいことだ。少し前はトロンにでていたけれど、あの時は短髪の黒髪で印象がいつもと違う。こん回はおなじみの長髪で、あの明るい目がとても印象的だ。この人は美人というにはあまりにアゴがはっているけれど、こういうのを個性的美人というのだろう。途中でさっさと死んでしまって、えっこんなことでいいのかしら、と思ったらどんでん返しがあった。

この夏ではHorrible Bossesとともに最もおもしろかった映画だ。84点。

Travel to South (1)

2011-08-15 20:41:24 | Weblog
Norfolkは夏のホリデイとは言いがたかったので、すこしは暖かいかと思い8月第一週にイギリスの南にいってきた。この間HHAに入会して南のほうにも沢山あるのを知った。DorsetとかはむしろNational Trustより沢山あるのではないかな。最初にいったのはビューレイ(Beaulieu)といって自動車の博物館があるので有名な屋敷だ。
 
庭と屋敷そのものはたいしたことなく、横にあるアビィの廃墟もまあこんなものか、という程度。もちろん自動車の好きなひとには狂喜の博物館だけれど、車などAからBに行ってくれればそれでよし、という私だから、それほどの感激はない。もちろんコッコイイ車をみればイイナーとかは思うけれど。一番興味深かったのはむかし自動車でのスピード記録を争った車たち。一つ一つがドデカイ。こういうことにわれを忘れて夢中になる人たちがいるんだな、という程度だ。夏休みらしく、子供がうじゃうじゃいて、走り回っている。敷地内にモノレールみたいなのがあって、園内(つまりここは遊園地なのだ)をぐるっと回っている。所々にモダンアートみたいな銅像が置いてあるが、下のほうを見るとみんな値段が書いてある。数百ポンドから数千ポンドで、いったいどんな人がこんなものを買うのだろう。
 
左はたぶん一番安いもので150ポンド。右の犬は1985ポンドと読める。ベンチに座っている令嬢はいくらかわからない。

敷地のいろいろなところで、昔の服をきたメイドだの運転手なんかがいて、たぶんいっしょに写真を撮ってくれるのだろう。その他タカの種類の説明だの、いろいろ子供をあきさせない工夫はしてあるけれど、庭の見物が主な私たちには見当ハズレもいいところ。もう当分ここにはこないだろう。これでひとり18ポンドも取られるのだから、家族連れの見物の費用はとんでもないものになるだろう。

その夜の泊まりはボーンマス。私はいつも数日前にLateroomsで宿を見つけることにしている。時たま直前だとまあまあのホテルがとても大きな値引きをすることがあるからだ。このホテルはなんと二人で45ポンドという驚異的な安さで、いったいどんなひどい安宿かとビクビクしながらいってみると、案外りっぱな大きなホテルだ。部屋もまあまあ広いし、一番いいのがベッド。最新のフォームのものですごく気持ちがいい。たぶん一週間程度の逗留者が多いのだろう。夜になると私たちの部屋の真下でライブのバンドがはいっていてすこしうるさかった、というのが唯一のモンクだ。朝食も食べ放題で果物なんかもあるし、これで45ポンドは最近泊まったホテルのなかで最低料金で驚きだ。

ボーンマスの海はものすごく波が静かで、温度が22,3度ではちょっと私たちには寒すぎで海岸をちょっとあるいただけだった。
 

こん回の道筋は二年前とほとんど同じだったけれど、こん回はHHAの屋敷の庭などが目的なので、途中での見物はまったく違う。ところが二日目に目的の城の開場まで時間があるので、この間行って最も景色が良かったダードルドアにいってみた。この日は天気がよく朝でも25度近くあったらしく、このあたりでは水泳をしている人たちもいた。そのあと行った城は残念ながらその日は結婚式があるので閉まっていた。

ARRIETTEY

2011-08-12 20:14:46 | 映画
Director: Hiromasa Yonebayashi
Starring: Saoirse Ronan, Mark Strong, Olivia Colman, Tom Holland

GIBURIの新作。イギリスのボロワーという子供向けの小説が元、ということだ。たしかハリウッドでもずいぶん前に映画化されたはず。私は見ていないけれど。身の丈10センチぐらいの小さい人たちが人間世界に隠れ住んでいて、目立たないように少しずつ人間界からいろいろ借りてくる、というもの。借りたものは返さないからつまり盗み、かな。砂糖のひとかけらぐらいだから、ゆるそうということか。ジブリにしては絵はきれいだけれど、話のスケールがちいさい。小さい者たちがうろちょろする、というのが主であまり外界との接触がない。それでもジブリらしく時たまお説教くさいところがある。食べ物とかは人間世界からもってくる、としてあとの生活用品は自分たちで造るのだろうか。あまり人口は多くないみたいなので、工業が発展しているとは思えない。たとえば家具とか服なんかは自分で造るとして、針などはいったいどうやって手にいれるのだろう。そんなことを考えてしまうのは、やはり筋があまり発展性のないもので、ちまちましてしまっているからなのだ。なにもいつも「紅のブタ」みたいな傑作を作ってくれといっているわけではないけれど、私はHowl's Moving Castleみたいに失敗作でもちょっととがったところがある、という作風を期待している。

これは65点。

最近のイギリス

2011-08-11 07:53:09 | Weblog
8月の第一週はまたホリデイだった。7月のノーフォークは夏にしては薄ら寒く、どうしても夏のうちにもう少し暖かいところに行きたいとこんどは南を目指したのだ。そのことは置いて、帰ってきたとたんにロンドンのトテナムで暴動、略奪が起こりビックリ。そしたら次は私の住んでいる町がやられたのだ。私の家は大通りに面していて、右には町のショッピング街、左に行けば大きな店が並んでいるショッピングセンター、と便利なところだが、両方でこういうことが起きると家の前の道をパトカーがピーピーと行き来して騒がしい。もう今日は木曜日でさすが少しは収まったらしいがそれでも昨日もパトカーの音が何回もしてそのたびにビクッする。月曜日に町にいってみると、町の真ん中のショッピングセンターへの道はいかれないようになっていた。私の職場はそこから数軒のところにあり、幸いなにも被害はなかったがそこまでの道の薬屋などがやられていた。いったいどうやってあのシャッターをこじ開けられたのかな。もっとも私はチャリティーショップで働いているので、モブ達もこんなボロの置いてあるところなど関心はないだろう。

火曜日にはもう店は開いていたが目的で行った銀行はしまっていた。ショッピングセンターの店もあいていたが、何件かは窓が板で応急処理してある。噂ではHMVなどカラにされたということだが、もう店は開いていて商売をしている。HMVはそれでなくても最近売り上げが落ちて困っているとのことで、一日でも閉店はしたくないだろう。隣近所のモーバイルの店はいくつも窓は板張りで閉店している。私はまだいっていないが、私の家の左のほうにあるショッピングセンターではコメットとかスポーツ店がやられてからっぽになったということだ。コメットの隣に今アメリカ資本のもっと大きな電気屋が建設中で、持ち主はまだ完成していなくてほっとしたことだろう。ここであいているのはおもちゃ屋のトイザラスだけということだ。

私のいく映画館は私の家とこのショッピングセンターの間にあり、わたしはまだ行っていない。噂ではやはり窓が割られたということだが、いったい映画館からなにを盗むつもりなのだろう。映画を見ている間に襲われて焼き討ちにでもなったら死ぬから怖くて今のうちは映画にもいけない。映画館はガラ開きだろう。

一番おどろいたことは、もう略奪で逮捕された人数は千を越すとのことで、たぶん略奪者など数人に一人しか捕まらないと思うと、ここイギリスではこういうキチガイは数千、数万もいるということだ。日ごろ若者の振る舞いにはあきれかえることが多かったけれど、この人数はいったいどういうことなのだろう。毎日テレビのニュースにかじりつてあきれかえっている。火曜日の夕方から家の前の道を主には白人の男共が続々と町に向かっているのが見えた。もう人々は黙って見ていないで自警するしかないと気がついたのだろう。うちのテイシュでさえちょっと行ってみる気になったみたいだ。これでもう少し血の気のおおい中若年だったら我慢できないところだろう。

昨日水曜日のニュースでは彼らのことがかなりのニュースになっていて、わたしの家の前ではないけれど、少し町よりのところをこの人々が集まってきているのが報じられていた。ロンドン市長のボリスが来ていてわたしの店のまん前で人々に囲まれてインタビューされているのがニュースになっていた。こうあまりにも身近なところをテレビで見ると、なにかすごくヘンな気がする。しかしかれらをインタビューするとあまりにも頭にきてかっかとしすぎていて、むしろ彼らのほうが危険だ。

どうしてこういうことになったか。以下はわたしの独断偏見の推理。
①ニュースコーポレーションの陰謀:この暴動ですべてのイギリス人はその前の大ニュースだったNCの盗聴事件はすっかりきれいさっぱい忘れてしまった。あれだけ数千人の携帯電話を盗聴できたし、いくつかの携帯にはにせのテキストも送っていたらしいので、たとえばロンドンの15歳から25歳に若者たちだけにこっそり、たとえば今晩はハックニーを襲え、とかテキストを送るのは簡単だろう。
②若者だけを襲う、というか警察に記録のある若者たちだけをねらう黴菌が発生した。これらは彼らの元々あまりない良心をマヒさせ、その近くの若者共にもあっという間にうつった。数年前にはShaun of the Deadでゾンビー菌に襲われたのだから、ありえるだろう。
③これのおきる1,2週間前に必要があってガラスを買いにガラス屋にいった。あまりにも暇そうでビックリしたのだが、こん回の暴動で割られたガラス窓は数限りないことだろう。ガラスの需要を高めるための策略。

こんなことを冗談でも考えてはいけないんだけれど、わたしの想像は先走るばかりだ。本当はここには若者、中、高年もふくめて大バカモノが沢山いる、ということなのだろう。もう日本にいた年月の二倍近くをここですごしているので、もう私の内面はイギリス人になってしまっていて、こん回の事件ではほかの国々の人たちにはずかしい、という気持ちが強い。来年のオリンピックへの影響も甚大なものがあるだろう。