HAYWIRE

Director: Steven Soderbergh
Starring: Gina Carano, Channing Tatum, Michael Fassbender, Ewan McGregor, Michael Douglas, Antonio Banderas, Bill Paxton

主演のGinaは今後Angelinaに続くアクションスターになるだろう、といわれている。たしかに全てのアクションは彼女がやってる。まあ前格闘技のチャンピオンかなにかだったときいた。たしかに身のこなしは軽くてパワーがあるし、よろしい。顔も磨けばきれいになれる顔だろう。今のところはまだドロがついてる感じだ。印象としてはアンジェリーナというよりレイチェル　ワイズといたっところか。

最近よく出るFassbenderがまたまたでてきた。最近彼がとても気に入ってる私なので、さっそく見に行ったら、なんとかわいそうなことにGinaにしことまやられてしまった。それでも、この危機は危うくにげて、また後にも出てくるのかと思ったら、あっという間にGinaにころされてしまった。あーあ、このいい男を監督もとっておいたらよかったのに。そのほかEwanだのAntoniaだのいい俳優、いい男をあつめたのに、みんなGinaにやられてしまった。ただひとりいい目をみたのはMichael　Douglasだ。

ということで、いい男が全員討ち死にした映画。残念ながら、そのおかげでスケールが小さくなった。

６９点

THE DESCENDANTS

Director: Alexander Payne
Starring: George Clooney, Shailene Woodley, Beau Bridges, Robert Forster, Nick Krause, Amara Miller

とてもよくできた映画。筋といい俳優といい、とても調和のとれて映画、とでも言おうか。だれが見ても、どの新聞の評でも四つ星確実の映画だろう。ただ、そこが問題で、驚き、とかいうことはあまり無い。主演のクルーニーもとてもいい。ただ彼があまりにも見栄えも性格も頭もいいので、奥さんは彼のどこが不満で浮気に走ったのかわからない、という点では驚きだろうか。もうひとつ思いがけなかったのは娘のボーイフレンド。一見ちゃらんぽらんでどうしようもない男の子としてでてくるのだが、話が進むにつれて、彼の好もしい点がでてきて、あらっ、これなら娘の将来をたくくせるかも、なんてちらっと考えたりした。この１７歳の娘になる女の子がとてもかわいくて、将来有望かもしれない。しかし感じがトワイライトに出てくる女の子によく似ていて、この年頃のちょっと美少女とはこんなものだろう。その点ではボツ個性かもしれない。

奥さんの浮気相手がでてくるのだが、どうみてもジョージにはかなわない男で、彼のどこがよくて奥さんはひかれたのだろう。それとも男女の仲なんて言葉とかでは言い表せないところがあるのだろう。後半のジョージの判断は予測がつくもので、これも驚きはなし。

８３点

THE SITTER

Director: David Gordon Green
Starring: Sam Rockwell, Jonah Hill, Max Records, Erin Daniels, Method Man, Landry Bender, Kevin Hernande

最初はやけに大人向けにはじまるのに、話が進むにつれて子供っぽくなっていき、なにかとてもしりつぼみ。Jonahは最近大スターのつもりだけれど、やはり彼だけではもたない。ちんちくりんのデブをわざわざ見るからには、なにかほかに添え物がなくてはいけない。その点では少し前のMoney　Ballはプラッド　ピットのほうが中心でつりあいはとれていた。映画はやはり画面に出ているだけでひきつけるところのあるスターがほしい。Jonahの将来はどうだろうか。彼は最近努力してそうとうやせたのだけれど、こんどはデブでうるわけにいかないので、むしろうまくいかないんじゃないかな。彼の同僚のセスも最近かなりやせたけれど、まだセスのほうが主演スターといえるだろう。グリーンホーネットはそうとうひどかったけれど。

まったく面白くないというわけではないけれど、６０点。

　
超デブのころ　　　　　　　痩せてもたいして見栄えはしない　　　

THE ARTIST

Director: Michel Hazanavicius
Starring: James Cromwell, John Goodman, Penelope Ann Miller, Jean Dujardin, Berenice Bejo

やけに評判のいい映画だけれど、私はもうすこしさめた目で見た。筋は無声映画のスターが映画がトーキーになったのに乗り遅れて落ちぶれたのだが、彼を愛する新進スターに助けられるというもの。いくつか読んだ評では、これを見るといい映画には音は必要ではない、とかあった。ここでちょっと私がモンクを言いたいのは、それではなぜ落ちぶれた俳優がまた人気を得るためには音を使う必要があったのか。ということはやはり映画には音は必要ということになり、これは矛盾じゃないかな。私は物事はまあほとんどの場合、時が進むにつれて進化していく、ということを信じたい人なので、「昔はよかった」なんていう話はわたしにはマユツバモノなのだ。昔はコンピューターもインターネットもなかったし、医療も進んでいなかった。テレビも無かったし、暇な時間だけはたくさんあっただろう。本をもっと読む暇はあっただろうけれど、私みたいにebook　readerが無かったから、本好きな人は家が本で占領されていたことだろう。私など、９５％以上の本はチャリティーショップにあげてしまって、すっきりした。しかしebookでは読み終わってもあげるわけにいかないし、チャリティーショップはこまるだろう。今のところは本はショップでの売り上げの数十パーセントを占めている。

ここで映画がトーキーになった、と書いたが、昔は私はトーキーという言葉は日本産英語だとばかり思っていたら、これはりっぱな英語なんだということを最近発見した。いやこうしてブログなんて書いているといろいろ勉強するものだ。

年末年始にテレビでずいぶん映画をみたけれど、これだけは昔ながらの映画館でみたほうがずっといい。幸い映画館に歩いて一、二分というところに住んでいるので、これからも映画館通いはやめないだろう。

映画の話にもどって、この映画フランス映画らしいけれど、脇役にはハリウッドの俳優がかためていて、とくにJames　Cromwellがいい。それと犬がでてくるのだけれど、このワンちゃん、可愛いだけでなく、演技もとてもうまく、アカデミーもそろそろ動物演技賞をつくってほしいものだ。

主役はいいけれど、Bereniceという女優の口がおおきいのであきれてしまった。

73点


これではそんなに大きく見えないけれど、実際はもっと巨大

THE ENCHANTED ISLAND

Conductor: William Christie; Production: Phelim McDermott; Cast: Danielle de Niese, Lisette Oropesa, Joyce DiDonato, David Daniels, Anthony Roth Costanzo, Placido Domingo, Luca Pisaroni

都合があって今期のMET　LIVEはだいぶ見逃してしまった。これは見たかったのだが、切符を買い損なったもの。偶然切符が手に入って、いったのだが、これはいってよかった。オペラとしてはつぎはぎだらけで、いいとこだけ盗んできてしまったようなものだ。だから最初から最後まですばらしいアリアの連続。ただしいくらすばらしくてもずっとそればかりではメリハリがない。それでも各歌手陣はすばらくし、これをロンドンで上演したら、これだけの名歌手がそろうのだろうか、いまから心配になってしまう。特によかったのがダニエルズ、Joyce、ドミンゴもたのしそうに歌っていた。

来期は逃さず切符を買っておこうと決心した。

WAR HORSE

Director: Steven Spielberg
Starring: Jeremy Irvine, Tom Hiddleston, Benedict Cumberbatch, Emily Watson, David Thewlis, Peter Mullan

イギリスの田舎で少年に育てられた馬が第一次大戦につれていかれてヨーロッパでの艱難辛苦のはなし。もちろん最後には成長した少年と再会してめでたし、めでたし。なんだけれど、なにかあまりにもこの馬の境遇がすごくて信じがたい。ただし馬の演技はすごい。どうやって馬にいろいろやれせることができるのだろう。ハリウッドの映画にはよく犬とか動物がでてきて人間以上の演技をする。もうアカデミーにも動物演技賞をつくったほうがいいのではないかな。この馬（というか何匹か似たようなのを使ったらしい)とかThe　Artistにでてきた犬のどちらかに賞をあげよう。

話があまりにも信じがたいので、どうも私には感動するほどの映画ではなかった。もっと素直にうけとめれば、ケイトみたいに涙をながすだろう。ケイトもウィルもあまり映画にはいってないな、と思ったものだ。スピルバーグというと最近こういう正攻法の大作作家になってしまったようだけれど、私は彼のインディーシリーズみたいなちょっとひねった冒険モノのほうが好きだ。

７５点

SHAME

Director: Steve McQueen
Starring: Michael Fassbender, Carey Mulligan

セックス狂の男の日常生活。朝から晩まで考えることはただひとつ。これでよく会社勤めができているものだ。もっとも会社のコンピューターのハードディスクまでポルノでいっぱいにしてしまって、怒られてる。そこに妹がころがりこんてきて、すったもんだの末最後には家族愛に目覚める、と筋はありきたり。しかし、これだけ最初から最後までひとつのことに専念する映画も珍しいものだ。ひとつ思ったことは、この映画の監督も主演者もみんなイギリス人で固めているのに、舞台はニュウーヨーク。よくハリウッドの映画でイギリス、特にロンドンが舞台の映画があって、私はこういうのを好んで行くほうだけれど、その理由はアメリカ人のヨーロッパ観というか勘違いが面白いからだ。ということはこのShameをアメリカ人がみてどう思うだろうか。やはり根本的な勘違い、なんてあるのだろうか。そこらへんはやはりいくらイギリス生活が長いからといって、私はやはり日本人、こまかいところまでは分らないものだ。

この間沢山DVDをみたけれど、そのひとつがラッセル　ブランドのGet　him　to　Greekで、ラッセルはもちろんイギリス人だけれど、ちらっと彼の父というのがでてくる。これが酒飲みのアイルランド人という設定で、映画館で見たときはわたしはこの俳優は演技といい、訛といい、うまいものだと思って、てっきりこの人は最初からアイルランド人だと思っていた。そしたらうちのツレアイがいっしょに見ていて、やはり彼の訛はおかしい、という。やはりアメリカ人がまねしている訛なんだ、というのだ。そういわれて調べてみると、たしかにこの俳優の祖先はアイルランド人だけれど、彼はアメリカの俳優だ.

年末年始にかけていくつもDVDを見たが、そのひとつが３００で。前に見たときはそんなに注目しなかったのだが、この映画の主演のFassbenderがでていた。彼は最近売り出しの注目株だ。この映画の中では３００ほど筋肉隆々というわけではないけれど、細身だけれど、肩幅の広い、とてもいい体を見せてくれる。Milliganは歌手ということで中ほどで歌を披露してくれるけれど、これが長々しくてあきてしまった。歌はあまりうまいとはいえない。

Fassbenderががんばっている、というより、とても自然な演技で、よろしい。他にもっといい演技がなかったらアカデミーあげてもいいらい。

73点。もう一度見たいという映画ではないけれど。ガラスばりの窓際でやってるシーンが印象に残る。

THE IRON LADY

Director: Phyllida Lloyd
Starring: Meryl Streep, Anthony Head, Jim Broadbent, Richard E. Grant, Harry Lloyd, Alexandra Roach, Olivia Colman, Roger Allam

私はこれはサッチャーさんの映画かと思ったら、全く違う。これは徹頭徹尾Meryl　Streetpの映画だ。私は特にサッチャーの政治が好きだったわけではなく、むしろポールタックス（人頭地方税）などひどい政策だったと思うぐらいだから、この映画に足を向けるのが困難だったとも言える。それでもMerylのウマさはよく分っているので、彼女を見るのが目的でエイヤッと行ってみた。

見ているうちにもうあまりにMerylの演技がすごいので、サッチャーさんご自身はどこかにすっとんでいってしまった。これは実在の人物の伝記なんていうものではなく若く正義感に燃える女性が勇気で政界をのし上がっていく話だ。彼女のかたくなさが年とともにボロボロになっていき、周囲の人々を傷つけているのも気がつかず、とうとう裏切られる。それから後はもう頭脳も身体も急速に下り坂になる。

ごく若い時は他の女優が演じ、Merylは下院に当選する時から始める。そこから勇気をもって保守党の党首になり、首相の時期ぐらいまでは輝いていた彼女がだんだんその輝きを失っていく過程がすごい。ただ、現実には彼女はまだ生きている。この映画の製作者は彼女の同意を得てこれを造ったに違いないのだけれど、あまりに晩年の彼女が痛ましくて、まだ彼女が生存しているなんて信じられないくらい。数日前の新聞では、もう彼女のボケはひどくて今の首相がキャメロンだということも分っていない、とのことだ。それだったら、映画の製作者は彼女が死ぬまでこの映画をつくるのは待ったほうが良かったのではないかな。彼女自身は見ないとしてもその周囲の人々はこれを身ってなんと思うだろう。とくに彼女の娘のキャロルはどういう思いでこれを見るのだろう。あまりに残酷だとおもうのは私だけだろうか。

俳優としては皆とてもいい。Merylのほかには特に夫になるBroadbentがとてもいい。政治には関心の無い私でもほかの人たちも、ああ、これはこの人と分る人たちが沢山いる。特にうまいのがRichard　E Grantのへセルタイン。見る前までは外見は全く似ていないと思っていたが、映画を見るとそっくりでうまい。サッチャーさんが蹴落とすエドワード　ヒースは、彼が死ぬ数年前にローヤル　オペラ　ハウスで見かけたことがある。もうヨロヨロでああもう長いことはないなと思ったものだ。

それにしてもMerylの演技はすごい。これではアカデミーをとるのは保障付き。それにメークのすごいこと。Baftaの候補にもなっている。

暮れから正月にかけていえでDVDお見る習慣がついてしまって、今年のシネマ通いは二週間もたってからになってしまった。毎年もっとしばしば行かなければと思いながら、週一本、多くても二本しかいっていない。各映画賞の時期になるとああ、あれも見過ごした、というものが多くて毎年後悔している。もっとがんばらなければ。

Merylはすごいけれど、すきな映画とはいえない。とてもベスト映画とはいえない７３点。

ARTHUR CHRISTMAS

Director: Sarah Smith
Starring: James McAvoy, Hugh Laurie, Jim Broadbent, Bill Nighy, Imelda Staunton, Ashley Jensen
クリスマスのお子様向けアニメ。筋は、サンタの息子が二人。兄はハイテクを駆使して、世界中の子供にプレゼントを送り届ける。弟は気が弱くて、子供たちから来る郵便係り。間違いから一人にプレゼントを渡すことが出来なくなり、他の皆があきらめて一人ぐらいならいいや、というのに、弟は何とかして届けようとする。もちろん艱難辛苦の果てに成功。というもの。主役のJamesより悪役の兄のHughのほうがうまい。サンタには奥さんもいて、先代のサンタだったおじいちゃんもいる。一体この人たちはどこからくるのだろう。年頃になったら奥さん探しに世界中をめぐるのだろうか、なんて心配してしまった。

悪くはないが、絵がテレビでみるロイズバンクとそっくり。長々しい宣伝を見ているような気がしてきた。切れ者の兄がたった一つの間違いで弟に出し抜かれる（結果としては）とはちょっと気の毒なて思っちゃいけないのかもしれない。

６９点


アーサー

ロイズの宣伝