後で考えます

多分映画の話題。でも映画好きで、これから見たい方は読まないほうがいいです。

COSI FAN TUTTE

2010-01-28 18:47:16 | オペラ
Conductor Julia Jones
Ferrando Charles Castronovo
Guglielmo Troy Cook
Don Alfonso William Shimell
Fiordiligi Sally Matthews
Dorabella Nino Surguladze
Despina Helene Schneiderman

今回ROHの会員になってからはじめてリハーサルにいった。朝の十時半始まり、ということで十時ごろいったら入り口は黒山(?)のひとだかり。本当は観客のほとんどは暇なジイサン、バアサンで白山のひとだかり、というほうがあっている。リハーサルというのはもうここ数年いっていなかったので、私にはものめずらしい。

売り出しのころホリデイにいっていたので、時期をのがし、席は右の天井桟敷。といっても私はいつも天井桟敷だから、なんのことはない。下を見るとオーケストラストールの前のほうはやはり関係者とかカメラマンとかが占めている。座席を見回してみると、席は満員ではなく、二階席などポツポツ開いている。目の前の左側の天井桟敷も少しあいている。ここら辺は4ポンドなので、下のいい席などいくらぐらいするのだろう。こんど試してみよう。

次の期のリハーサルの売り出しは二週間ほど前だったが、その時初めて気がついたことに、会員になってもひとつの期にリハーサルは一枚しか買えないのだ。私はうっかり前はひとつのリハーサルにつき一枚買えるのかと思っていた。もちろんあとになって余っていたら買う機会はあるのだけれど、ちょっとROHもケチじゃないかな。

舞台を見ると真ん中から左のほうにかけて三角形に張り出している。そこのテーブルと椅子がいくつか。左の舞台に一番近い席がいくつか取り払われていてそこにもテーブルと椅子がある。演出が一方に偏ったものはこの間のトリスタンでヘイコウしたので、今回もそうだったら、もしかしたら右に座ったのは運がよかったのかと思ったら、今回は平均的に左右真ん中どの座席でも不公平なくやってくれてよろしい。ただし左側にすわると例の奥まったテーブからオジサンがぴょいと飛び出てくるところはみえなかったろう。私たちの真下のあたりにはソファがあって、その上でも演技したとのことだが、私たちは見えなかった。椅子とかソファのほかは舞台は簡素で衣装は21世紀風。テレビの番組でマッチョのオジサンたちが車を作り直す番組がある(LA Chopper?)。彼らの衣装がいつも白のベストに黒の皮ジャンというもので、体中にあるイレズミを見せびらかしているのだが、このオペラの二人の若者の衣装がそれ。長髪にバンダナ。まあ話の筋はいつの世でもいいということでこう現代風になったのだろう。

歌手はみなうまいし、それよりカッコイイ。女性たちもすらっとして遠目には美人ぞろいだ。そのなかでもとびぬけているのがSally Matthews。彼女は最初から声量がすごい。うまいし、スタイルもよし、いうことなし。歌手たちにモンクはまったくないが、前半は楽しんでいたのだが、後半になってあきてきてしまった。どうも筋がたわいなさすぎる。もちろん含まれた意味があるとかかんぐればいいんだろうけれど、そこまで深く考えるのもいやになってしまう。もちろんメロディーはきれいだし、いいんだけれど、やはりわたしにはモーツアルトのコメディはいけない。私はオペラならもう少しどっしりしたひとがゴロゴロ死ぬヴェルディのほうがあっている。

というわけで、もう一度本番を見に行きたいというほどではなかった。

THE BOOK OF ELI

2010-01-23 06:15:26 | 映画
Director: Albert Hughes, Allen Hughes
Starring: Mila Kunis, Denzel Washington, Tom Waits, Gary Oldman



ハハーン。つまりMad Max+Fahrenheit 451+Denzel Washington + ZATOICHIといったところ。最終戦争が終わって30年もたち、生き残った人間たちはほんの少しだけ残った機械をのぞいては中世の暗黒時代みたいな暮らしをしている。そこにやたらつよいDenzelが現れ、悪いやつらをやっつける。彼の持ってる本を悪い頭がつけねらい、Denzelはその本を西方に持っていくのを生きがいとしている。途中で連れになった女の子と西方をめざす。

最初のほうでDenzelが店のオヤジが彼に向けた銃をあっという間に取るところが印象深い。ここら辺も+Zatoichiというところ。もちろんZatoichi が関係してくるのはここだけではないけれど。この種の最終戦争後というのは映画ではよく描かれるのだが、この映画では途中でとぎれたハイウウェーが印象的に描かれている。ハイウウェーの番号がでてくるので、実際アメリカに住んでいたら土地勘があって、もっと面白うだろう。

カラー映画なのに色が薄く、ほとんど白黒にちかいぐらいだ。空も青くなく灰色で、灰色の雲が飛んでいる。廃墟になったハイウウェーの遠景がでてくるが、こういうところもCGなんだろうか。結末がちょっと変わっていて、思いがけないことになる。途中はそうとうソンナバカナーの連続だけれど、悪くは無い。Denzelはフィラデルフィアのあたりではものすごく鮮明なハンサムだったけれど、最近彼も中年になってしまった。それでもHughほど見てガックリくることはないので、これからも彼の映画は見続けるだろう。この映画をみて、彼の若いころの映画をもっと見てみたいと思ったほどだ。

一部の新聞評でコキオロサれていたほど悪い映画ではないと思う。70点。

iPodが出てくるのだけれど、こういうものの電池は時間がたつにつれて持ちが悪くなる。私の数年前のMP3プレイヤーなど30時間は持つはずが最近では数時間しか持たない。30年も古いiPodが数日もつかえるとは信じがたい。一瞬だけれど女の子が悲鳴をあげるところで、彼女の口の中が見えてしまい、歯医者が虫歯を治して詰め物をしているのが見えてしまう。この子は教育など受けてもいないけれど、歯医者にはかかったということか。こういうところは映画製作者は気をつけてもらいたい。

DID YOU HEAR ABOUT THE MORGANS

2010-01-20 18:19:42 | 映画
Director: Marc Lawrence
Starring: Mary Steenburgen, Hugh Grant, Sarah Jessica Parker, Sam Elliott

Hugh Grantはいつも同じだけれど、軽いコメディとしてはいつも面白いので、今回もみたけれど、やはり彼もトシだなー。なにかちょっと顔まで太めになってしまっている。つまりしまりがなくなっている。体つきもシャープなところがなくなってしまっている。彼の演技が好きとはいえないので、これではこれから彼の映画にいく目的というのがなくなってしまったようだ。もっとも私は彼のごく若いときのラブコメではない映画はみたことがないのでこんなことをいってはいけないのかもしれないこれど、もうこれでは彼は引退したほうがいいのではないかな。数年前のAmerican Idolはとても楽しんだけれど、もうあれでお終いなのだろう。

相手役のSarahもやはりラブコメとしてはトシはかくせない。彼女の最盛期はやはりSex & The Cityだったのだろう。彼女のくせなんだろうけれど、画面にでている間たえず顔に手をやったり、髪の毛をいじくりまわしたり、一時もじっとしていない。これには見ているほうはイライラさせられる。演技はうまいひとだからHughみたいにこれから彼女の映画は見たくない、とはいわないけれど。次の映画はS&TCの2らしいけれど、ここら辺で新境地を開拓してほしい。

ところで映画の筋というと、夫の浮気で離婚寸前の夫婦が殺人を目撃し、目撃者として付けねらわれるので、FBIに田舎かくまわれることになる。もちろん予想通り二人はだんだん仲直りしていく。Hugh は見かけはおっさんになってしまったけれど、一言一言の台詞はおもしろい。もちろん脚本家がかいたんだけれど。それに実生活にこんなしゃれた一言をいい続ける人があるとは思えない。こういう一言は時たまふりかけるのがいいのに。つまりやりすぎ。

ということで、あまりいいところはないけどカネカエセーというほどひどくはなかった。65点。

殺人犯に居所を突き止められないためコンピューターも使わせてもらわないはずなのに、途中で歌をダウンロードする、というところがあるけれど、ヘンじゃないかな?犯人もなにかスケールが小さいチンピラ程度。そのわりにハイテク。ここもヘン。

SHERLOCK HOLMES

2010-01-04 07:52:53 | 映画
Director: Guy Ritchie
Starring: Robert Downey Jr, Mark Strong, Kelly Reilly, Rachel McAdams, Jude Law

2010年最初の映画はこれ。実はGuy Ritchieは苦手な監督だ。なんといってもSnatchがいけなかった。せっかくブラッドが出てるのに彼がなにを言ってるかさっぱりわからなかったのだ。あまりのことに最後まで見ることが出来なかった。その前後の映画も試してはみたけれど、ああいうギャングものは私にはダメだ。唯一我慢して見られたのがダニエル クレイグのでたLayercakeぐらいか(監督はちがうけれど)。もう最近はあきらめて見もしない。それがこの映画は見たかったのはやはり最近お気に入りの俳優の一人となったDowny Jrのおかげだろう。Judeのほうはあまり好きではないので彼が主役だったら見にいかなかったかもしれない。

ということであまり期待しなかったら、案外面白いじゃないか。ニュースでホームズをやるのがDowny Jrと聞いたときはまさか、と思ったけれど、やはり彼のこと、りっぱに自分のものにしてしまっている。英語はJudeの英語と比べると本当のイギリス英語とはいえないけれど、悪くは無い。米語ではなくまあ、インターナショナル英語というところか。最初からやけに行動的なホームズで、全編アクションの連続だ。カンフーみたいな武術を操ってまあ、強いこと。非常に現代的ホームズになっている。ロケーションがなかなかうまく、現代でも残っているイギリスの19世紀の風景を使っているのだけれど、たぶんCGもうまく使っていて、不思議に現代風19世紀(?)になっている。その中には私でもああ、あそこ、と分るところもある。こうして見るとイギリスの普通の風景には過去、伝統をうまく保存しているところが多い。

Judeも期待しなかったわりにはホームズを立ててすこし控えめになっているので、悪くない。この人は主役より脇役のほうがいいのかもしれない。この間のParnassusだって、このひとが出てるところは私は好きではなかった。そのおかげで彼の映画はそんなには見いない。ParnaはDepp、HolidayはCameron Diaz、AviatorはDicaprioと他に好きな俳優が出ているときだけ見ている。頭も薄くなっちゃってるし、脇役のDr Watsonとしては許せる。脇役といっても出る画面は相当多く、Houseの中でWatson役のWilsonより画面に出ている頻度は大きい。この映画でのWatsonの名前はJohnになっているけれど、Jamesという説もあり、ここではJohnを取っている。

ホームズの小説は日本にいた10代のころ全部よんではいるが、あまり昔のことで、是非もう一度英語で読んでみたい本ではある。Doyleの小説では最近Lost Worldを英語で読み返した。図書館にHomlesのAudio Bookがあったので、たぶん読まずに聞くことになりそう。最近本を読まずに耳で聞いてしまうことのほうが多い。そのほうがずっと楽だからだ。米語だったらいくらでもInternetのPublic Domainからダウンロードできるのだが、今きいているオスカー ワイルドの The Fisherman and His Soulはなにかとてもヘンな訛があって聞きにくい。

映画にもどって、この中の悪役はMark Strongでなにかオカルトがかった悪人という設定だが、この悪の目的というのがまた映画の常であいまいで分りにくい。とにかく悪人がいないことにはヒーローもやることが無いので、単にこれは悪人で悪いことをやるんだ、と頭に言い聞かせて、理由付けなどしてはいけない。

女優はRachel McAdamsでこの人はRed EyeでCillian Murphyを散々痛めつけた人で印象が深い。ここではあまり出場はなく、ちょっとかわいそう。ホームズとの絡みもあまり無い。今回の映画がヒットしたようなので、たぶん続編ができることだろう。期待している。

筋はなにか分りにくいし、ごちゃごちゃいろいろいれすぎてはいるけれど、それぞれの場面のアクションをたのしむにはよく出来ている。途中のドックとか建設中のタワーブリッジとかの場面はとても楽しめるものがある。Guyの監督もわるくはないではないか。75点。