岐阜/医大生が指導する明光義塾長良教室&芥見教室

医大生が個別指導する全国でも珍しい塾が明光義塾長良地区、芥見地区に登場。山県市、美濃市、関市からも通塾されています

★村上春樹『色彩を持たない・・・』を読んで

2013年05月19日 17時31分00秒 | 日記

★中間・期末テストまでもう時間はない

 久しぶりに今日5月19日(日)は雨になりました。実はこの雨が16日(木)に降らないようにと岐阜新聞の週間予報見ながら心配していましたが何とかいいお天気で終えたのでほっとしています。と云うのも15日(水)から岐阜県医療総合センターに検査入院をしていまして16日がカテーテルの検査だったのです。10年程検査、手術の繰り返しで一昨年手術しましたがその経過を昨年の2月と今年の5月に2年連続ですることになっていたのです。雨が降ると気分が沈むのですが結果は何とか良好ということでほっとしているところです。神様がもう少し頑張れと云っているのだと思います。

 病室ではじっくりする間もなかったのですが村上春樹の『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』をじっくり読んでみました。
 世代的には私とはよく似ています。従って読むことに対する抵抗はないのです。また彼は村上龍ともよく知っていてデビュー前から知り合いであったそうです。

 村上春樹について少し紹介しますと彼は1979年『風の歌を聴け』で群像新人文学賞を受賞し1987年『ノルウェイの森』でブレイクしました。アメリカ文学翻訳と云うこともあってアメリカ的、無国籍的とも称されます。現実世界から非現実の世界へと移行する作風は見事です。意識から無意識の世界へ・・・この一連の流れは多崎つくるという主人公においても非常に面白くリアルに書かれています。

 文体は日本的でなく翻訳的で句点をあまり使用しなくリズムを作っています。日本的でないといいますのは落ち着いたしっとり感がなくネチネチしたところが全くないのです。どちらかといいますとカラッとしてどんどん進むのです。多分にアメリカ的な翻訳書を読んでいる気に何時もされます。この辺が芥川賞を受賞出来なかった原因だとされているようです。
 今回の作品の中でも多崎つくるがレイプされ絞殺されたシロを自分が絞殺したのではないかと・・・、またフィンランドでエリ(クロ)が自分がシロを殺したかもしれないと意識は続いていくのです。

 登場人物は高校時代の仲がよい五人組で赤松と青海の二人の男性、女性は白根と黒埜の二人で多崎つくるだけ色がなかったのですがこの五人を巡って名古屋を出発点に物語は始まる。東京の大学に多崎だけが行くのだがある日突然4人から拒絶されることになる。そしてその謎を探して恋人の沙羅と話ながら意識を多崎つくるは求めて行くのだが彼を巡って色々な人物が出てくる。灰田、灰田の父、緑川やそして坂本、沙羅の年配の紳士の話など途中で切ってしまう手法はなかなか味のあるところで例えば緑川が死の論理を話していたのが何時しかいなくなりまた灰田の行方も深追いしない。こう云ったことは村上文学の中ではよくあることで根っこの部分がぐらつかないのであるから他は切り捨てても構わないのだというこの辺が日本文学特有のしつこさはないのが特徴なのだと思います。

 結局フィンランドまでクロを探しに行って全てが解決するのだが物語は結婚の申し込みをしようとしたが沙羅の恋人が気になり夜中に電話をするのだが3日待って欲しいと即答を避けられる。しかしどうしても3日が待てない多崎は夜中に電話をするが途中で止めてしまいますが、今度は沙羅から電話が掛るがつくるは出ない。

「すべてが時の流れに消えてしまったわけではないんだ」
そして
「僕らはあのころ何かを強く信じていたし、何かを強く信じることのできる自分を持っていた。そんな思いがそのままどこかに虚しく消えてしまうことはない」

 心と心の問題。与えるべきものがあり、受け取るべきものがある。悪い小人たちにつかまらないうちに・・・となって物語は終えるのです。

 村上春樹の文学はぜい肉を取った翻訳調ではありますが坦々とスピード感があって非常に面白く句読点の省略を必要以上に無くしリズム感を出しています。テーマは意識と無意識の狭間に自分を置いた場合どうなるか・・・。夢遊病者のように行動する自身の錯覚を感じてしまう。誰でもそう云うことはある。私においても想像の意識の中で考えていることが多い。そう云ったことを物語においてテーマをぶつけた久方ぶりの村上春樹の作品でした。非常に読みやすい作品です。

 まあそんなことを考えながら病院を退院したのですが急用が出来すぐに金曜日の夜から仕事に出ました。日曜日まで休もうかと思っていましたが何故か時間がなく余裕もなかったものですから教室に行く羽目になってしまいました。しかし、教室の匂いは何とも言えない癒されるような15年間の安らぎがあります(笑)。

 今月は中間・期末テスト対策と銘を打って生徒募集をしています。どこの教室でも同じでしょうが長良教室&芥見教室におきましても同じことです。
 
 凡そ塾を選択する時にはほとんどの方に無料体験をして頂いています。これは何処の塾でも同じことですが保護者の方は至極当たり前のように体験してもお返事は「すぐは出来ませんと」云う方と「分かりました」という両方の方がいます。どちらがいいかと云いますとどちらもどちらなんですが一応は結論を出された方がいいかと思います。以前はそう云う方はお断りをしていた時期もありますが最近はどちらにしても一応の結論は頂いています。本人が結論が出せないのでしたら仕方がないのではないでしょうか・・・。入塾してもすぐ辞めるのでは何のための入塾か分かりません。その為の費用を考えたら大変な無駄をした気になります。ですからお互いにしっかりした考えの中でご判断をして頂けたらと思います。たかが無料体験といえどされど無料体験なのです。

 そう云う意味では今回の特別料金はある意味4回体験のようなものではないでしょうか。勿論無料ではありませんが意義ある授業かと思いますし苦手な処を出来れば有難いものです。

 また、漢字検定や数学検定が近づいています。今年の公立高校は熾烈を極めました。そう云った中で検定資格を持っているということは内申点アップに非常に強みです。数学検定は実施する塾は少ないのですが昨年から5名から受験が出来るようになっています。漢字検定は本部経由ですから1名でも受験が出来ます。英検は10名からです。漢字検定は締切ましたが数学検定は6月1日が締め切りにしています。仮に塾外生でも受験を希望の方は申し込みは受付出来ますので教室まで申し込み金を添えてご提出ください。

 一方高校生の志望校判定シニア記述模試におきましても6月1日(土)の締切が迫っていますが塾外生でも可能です。詳細は教室の方までお問い合わせてください。

 今日のYouTubeはJUJUの『奇跡を望むなら・・・』を選びました。
http://www.youtube.com/watch?v=dkzJvtdgrOM

<今週の言葉>
『完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね』
                       村上春樹「風の歌を聴け」より

中間・期末テスト対策募集中<下記詳細から申し込み出来ます>
長良教室&芥見教室
<詳細>
http://mm.visia.jp/dozan/

長良教室 058-210-1730
芥見教室 058-244-0170


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