環境法令ウオッチング

2006年7月から2007年12月までの環境法令情報・行政情報・判例情報を掲載。

産業廃棄物が埋められている土地の売買 土壌汚染防止法と廃棄物処理法

2007-11-29 07:20:08 | 土壌汚染
2007年11月29日 
 廃棄物の最終処分場が廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)によって位置づけられたのは1976年の同法改正によってです。したがって、それ以前は、自分の敷地に廃棄物を埋めるような処分がなされており、そうした土地は全国至るところにあると考えられています。もちろん、法改正後は、たとえ自社の敷地であろうとも、廃棄物を最終処分(埋立て)することは許されません。

 市街地の土壌汚染に対しては、2002年5月に『土壌の特定有害物質(鉛、砒素、トリクロロエチレンその他の物質(放射性物質を除く。)であって、それが土壌に含まれることに起因して人の健康に係る被害を生ずるおそれがあるものとして政令で定めるもの)による汚染の状況の把握に関する措置及びその汚染による人の健康に係る被害の防止に関する措置を定めること等により、土壌汚染対策の実施を図り、もって国民の健康を保護すること』を目的とした土壌汚染対策法が制定されています。
 土壌汚染対策法で調査・汚染の除去の対象となるのは、水質汚濁防止法の特定施設の使用の廃止時及び土壌汚染により人の健康に係る被害を生ずるおそれがあるとき、であるため、上記のような場合は射程に入っていないことになります。また、土壌汚染対策法では、調査・汚染の除去は土地の所有者(占有者)、汚染原因者とされており、行政による代執行的な措置は規定されておりません。

 一方、廃棄物処理法による場合(不適正処理、不法投棄があった場合)には、生活環境の保全上の支障の除去として(人の健康被害よりも広い範囲)の措置命令が可能ですが、不法投棄者等(不法投棄者が無資力な場合、委託基準・マニフェスト義務違反等があった場合、適正な価格を支払っていない場合の排出事業者を含む)が判明している必要があります(不明の場合は行政が実施)。また、前述の通り1976年改正以前であれば、『この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による』とされているため、遡及しません。

 土地は環境問題のなかでも特別な位置づけにあると言えます。その最大の理由は、大気や水と異なり、所有権等の私権の対象であることにあります。それゆえ、予防策まで踏み込めず、事後の対策を中心とした法政策がとられているのが現状です。

【官報ウオッチング】
新しい情報はありません。

【行政情報ウオッチング】
国土交通省
社会資本整備審議会都市計画・歴史的風土分科会歴史的風土部会 第3回歴史的風土の保存・継承小委員会議事要旨
社会資本整備審議会 都市計画・歴史的風土分科会 歴史的風土部会第2回歴史的風土の保存・継承小委員会議事録
社会資本整備審議会環境部会建設リサイクル推進施策検討小委員会交通政策審議会交通体系分科会環境部会建設リサイクル推進施策検討小委員会「建設リサイクル推進に係る方策について中間とりまとめ」に関する意見募集について

厚生労働省
有害物ばく露作業報告について

【判例情報ウオッチング】
新しい情報はありません。

ISO14001
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「11月19日から11月25日までに公布された主な環境法令一覧」を更新しました/2007.11.25
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「11月19日から11月25日までに発表された改正予定法令一覧」を更新しました/2007.11.25