ニュージーランド・ラグビー:オフ・ザ・ピッチ

ラグビー王国からのそのまんまレポート。子どもラグビーからオールブラックスまで、見たこと感じたことをお送りしています。

ポジション争い

2005-10-03 | NPC
今頃は、あちこちのラグビー・ブログでジョナ・ロムーが7ヶ月の期間限定とは言え、ウェールズの「カーディフ・ブルース」と契約した話で持ちきりでしょう。(あまり他所にお邪魔しないのでよくわかりませんが)彼の話は際限なく長くなりそうなので、また別の機会に。

もう1人、ポジションをかけ今年一大決心をした選手がいます。
オールブラックスのウイング、14番のリコ・ギアです。
彼は国代表の実力でありながら、所属していた「スーパー12」の「オークランド・ブルース」、NPCの「ノースハーバー」、果てはオールブラックスでもダグやジョーたちとポジションを争っていました。

そのため、より確実に出番を確保できるよう、「スーパー12」の「クルセイダース」に移籍することに。ところが、「クルセイダース」の下部組織であるNPCの「カンタベリー」には空きがなく、大どんでん返しで、NPC2部の「ネルソンベイ」に移ったのです。

「オールブラックスがNPC2部@@?」
というのが、どういうことかというと、大リーグで活躍しているような超有名選手(=リコ)がどうしても日本のプロ野球にも登録していなければならず(ホントはこんなことありませんよね)、「巨人」(=ブルース)はいっぱいなので、「阪神」(=クルセイダース)に行くことに。

ところが、「阪神」でプレーするには地区大会に出場する地元チームに所属していなければならず、強豪1部の「大阪」(=カンタベリー)には空きがないため、仕方なく2部の「岡山」に移籍して・・・というような、アメリカから岡山までの壮大な話なのです。妙な例えですが、突拍子のなさがおわかりいただけるでしょうか? 

そのリコがとうとう先週末、初めてネルソンベイの試合に出ました。
オールブラックスで忙しかったとはいえ、シーズンの終わりも終わり。相手はポバティーベイ、結果は50:22のダブルスコア。

観客は地方球場に突如現れた現役オールブラックスを観にきたようなもので、ちびっ子たちがサインに殺到。リコ本人、彼の両親のなんとも複雑な戸惑った表情が印象的でした。チームとしては高い移籍金を払っているのですから、たっぷり働いてもらいたいでしょう。「ギア・ルーム」なる専用控え室まで作って気を使ってます(笑) 

リコの当初からの目論見であったはずの、本チャン「カンタベリー」への来年の再移籍は、カンタベリーがたった1人の枠に別の選手を採ることにしたため、失敗に終わってしまいました。これも複雑な表情の一因でしょう。幸いネルソンベイは来年から1部昇格が決まっているので、「2部のリコ」は今年の数試合で終わりです。
これもあなたが選んだ道。しっかりね! 


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