夫婦でシネマ

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ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語

2020年07月05日 | さ行の映画
Story
しっかり者の長女メグ(エマ・ワトソン)、活発で信念を曲げない次女ジョー(シアーシャ・ローナン)、内気で繊細な三女ベス(エリザ・スカンレン)、人懐っこく頑固な末っ子エイミー(フローレンス・ビュー)。女性が表現者として成功することが難しい時代に、ジョーは作家になる夢を一途に追い続けていた。性別によって決められてしまう人生を乗り越えようと、思いを寄せる隣家の青年ローリー(ティモシー・シャラメ)からのプロポーズにも応じず、自分が信じる道を突き進むジョーだったが……。(映画.comより)
2019年/アメリカ/グレタ・ガーウィグ監督作品





評価 ★★★★

グレタ監督の初監督作品『レディ・バード』も完成度の高い作品でとても良かったのですが、こちらの監督・脚本を担当した2作目の『ストーリー・オブ〜』も期待を裏切らない素晴らしい作品でした。この映画は、主人公の次女ジョーの目線で、現在の小説家を目指すジョーと少女時代のジョーの2つの時代が交互に描かれるのですが、長尺にもかかわらず、無駄なシーンが一切無く、最後まで一気に楽しめました。

「若草物語」で有名なおなじみのシーン、例えば、長女メグの華やかな社交界でのダンスシーンや、ジョーと幼なじみローリー、末っ子エイミーとの三角関係のシーン、三女ベスの病に倒れるシーン、そして、ジョーが好きな彼を追いかけて駅へ走るシーンなどなど、若草ファンにとっては観たかったシーンが映画のストーリーの中に巧みに盛り込まれていて、いつのまにかこの物語にどっぷり入り込んでいる自分がいました。

私が特に良かったと思ったのは、ジョーが仕事も恋も上手くいかなくなった時に、改めて自分を見つめ直し、自分の本当に書きたいものに気づいて、小説に真摯に取り組むシーンです。この時代は女性が経済的に自立するのが難しく、結婚が女性にとって経済であると言われていた時代であったので(劇中のエイミーのセリフにありました)、ジョーが男性に頼らず小説という得意分野を生かして自分の生き方を貫こうとしたのが、今の時代にも通じる格好良い女性像がそのシーンに感じられました。

「若草物語」は今までたくさん映画化されてきましたが、今作の『ストーリー・オブ〜』が深い感動を呼ぶのは、この小説を書いた作家オルコットの女性と結婚、そして、女性の社会との関わり方について、彼女が作品に描きたかったテーマをグレタ監督がきちんと映画に盛り込んだところにあるのではないかと思いました。グレタ監督は、まだこの作品が2作目にも関わらず、とても腕のある女性監督さんで、これからの活躍に期待したいです。

話は変わりますが、コロナで3ヶ月以上も映画を観れなかったので、久しぶりにこういう良質な作品を楽しめたことは、映画ファンにとっては本当に嬉しい一時でした。






評価 ★★★★

かなり時間軸を錯綜させて描いているのが今回の若草物語の特徴です。
人間の感情は過去の経験と共鳴して発露するものなので、各キャラクターの情感がより身近に感じられたと思います。
ジョーを演じたシアーシャ・ローナンですが、「レディ・バード」や「ブルックリン」では、私的には今ひとつ魅力が伝わらなかったのですが、今回はとても良かった。
端正な顔立ちなので年代物の方がしっくり来るのかもしれませんね。
一方のローリー役ティモシー・シャラメの優男っぷりはこの映画ではいまいち。
最近、公開されたウディ・アレンの現代劇「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」の方がはまっていましたよ。




映画『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』公式サイト


(「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」2020年 6月 立川シネマ にて鑑賞。)

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