夫婦でシネマ

夫婦で見た映画と、個別に見た映画について感想をかいてます。全て映画館で見た映画で、ミニシアター系の映画をたくさん紹介!

アンナ・カレーリナ

2013年04月23日 | あ行の映画
Story
19世紀末、帝政末期を迎えているロシア。サンクト・ペテルブルクで社交界の華と謳われる美貌の持ち主アンナ・カレーニナ(キーラ・ナイトレイ)は、政府高官を務める夫カレーニン(ジュード・ロウ)に愛情を持てずにいた。モスクワへ向かう中、騎兵将校のヴロンスキー(アーロン・テイラー=ジョンソン)と出会ったアンナ。二人は一目見たときから恋に落ちてしまう。自制心を働かせようとするも、舞踏会で再会したときには燃えさかる情熱を止めることができなくなっていた。アンナは社交界も夫も捨てヴロンスキーとの愛に身を投じるが、それは同時に破滅へと向かうことになっていく……。(Movie Walkerより)
2012年/イギリス/ジョー・ライト監督作品






評価 ★★★★

ジョー・ライト監督と言えば、前作「つぐない」で脅威のワンショット超長廻しシーンで驚嘆させてくれましたが、本作品での映像サプライズは、現実のドラマが舞台上(と客席も)で進行するところですね。
しかし私は、ヴロンスキーと初めて出会う舞踏会のシーン、アンナ、ヴローリン、キティのクローズアップを積み重ねて三者の感情の動きを追う場面が非常にスリリングに感じました。
舞台を使った演出は意見の別れるところかと思いますが、劇場は現体制を、外の世界は来るべき世界、革命後のロシアを暗示しているようでした。

アンナは18歳で結婚したと言ってましたから、ヴロンスキーとの出会いが初めての身を焦がす恋だったのだと思います。
しかし、彼女の不貞を一概に非難することは出来ず、いわば当時の体制が生んだ犠牲者か。
その後、ロシア革命で特権階級が消滅し、労働者の世界が到来するわけですが、サブストーリーとして描かれるリョーヴィンとキティの物語にそれが表されているようです。
そして、アンナの死は帝政ロシアの崩壊を予言しているようで、ラストシーンで舞台上に花畑が広がるのは貴族社会へのレクイエムに映りました。





評価 ★★★★

『プライドと偏見』『つぐない』のジョー・ライト監督がキーラ・ナイトレイと三たびコラボした「アンナ・カレーニナ」。
てっきり、豪華絢爛なコスチュームプレイの世界が繰り広げられるのかと思いましたが、舞台型の演出で物語が進行したのにはビックリしました。
舞台と現実の世界が錯綜して描かれる様は、そのまま「つぐない」の虚構と真実の交錯に繋がるものがあり、とても興味深かったです。

俳優陣では、『キック・アス』で冴えないオタクを演じたアーロン・ジョンソンが少女マンガから抜け出たような美形のプレーボーイを演じていたので、その演技の幅の広さにビックリ。
主演のキーラ・ナイトレイは演技はともかく、とにかく綺麗!。ジュード・ロウの熱演も良かったです。特に彼は、本当はハンサムなのに、こんな冴えない風貌の役柄(実際は政府の要職なんですが)を非常に押さえた演技で表現しているのに感心しました。

意表をついた演出と映像に大満足の一編でした。


映画『アンナ・カレーリナ』公式サイト


(「アンナ・カレーリナ」2013年 4月 東宝シネマズ甲府 にて鑑賞。)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 地下室のメロディー | トップ | 屋根裏部屋のマリアたち »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

あ行の映画」カテゴリの最新記事