夫婦でシネマ

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地下室のメロディー

2013年04月12日 | た行の映画
Story
五年の刑を終って娑婆に出た老ギャングのシャルル(ジャン・ギャバン)は足を洗ってくれと縋る妻ジャネット(ヴィヴィアーヌ・ロマンス)をふりすてて、昔の仲間マリオを訪ねた。マリオはある計画をうち明けた。カンヌのパルム・ビーチにあるカジノの賭金をごっそり頂こうという大仕事だ。相棒が必要なので刑務所で目をつけていたフランシス(アラン・ドロン)と彼の義兄ルイを仲間に入れ、綿密な計画の現金強奪作戦が始まった。(goo映画より抜粋)
1963年/フランス/アンリ・ヴェルヌイユ監督作品






評価 ★★★★

塩尻市の名画座、東座でのリバイバル上映です。
この映画を観に行ったのは、プールに札束が浮かぶ映画史に残るラストシーンをこの目で確かめたかったから。

犯罪を実行するまでのシャルルとフランシスの背景を丹念に描いていますが、名優二人の魅力に惹き込まれ、特にギャバンの貫禄はそこにいるだけで存在感がありました。
綿密な計画を立てて、いざカジノの売り上げ強奪作戦を実行に移すのですが、最近の映画みたいにハイテクに頼らないところが現実味があります。行動中にさまざまなアクシデントに遭遇し計画通りに行かないのがまた緊迫感を盛り上げる。それにしても、通気ダクトを潜って移動するところは、アクション・サスペンスの原点を観ている感じで感慨深いものがありました。

シャルルが相棒にフランシスを選んだのは、自分の若い頃の姿をフランシスに観たからだと思います。実際、シャルルが妻の浮気を疑って罵ったことがあったという台詞があるのですが、それをそのままフランシスが恋人に対して行った場面がありました。
そして、プールに札束が浮かんで来て完全犯罪が水泡と帰すラストシーン。ここは、プールを挟んで現在と若い頃の二人の自分が対峙しているからこそ、これまでのピカレスク人生が全否定されたような絶望的な虚脱感があります。だから、心の底にズドンと落ちてくるのでしょうね。
ともあれ、犯罪映画の名作を見ることができて満足でした。



(「地下室のメロディー」2013年3月 塩尻市 東座 にて鑑賞)

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