
Story
修道院付属学校で育った孤児のガブリエル・シャネル(オドレイ・トトゥ)。“ココ”と呼ばれる彼女は、洋裁店で助手の仕事をしながら、姉(マリー・ジラン)とカフェで歌を歌い、生活の糧を得ていた。そこで出会った裕福な貴族、エティエンヌ・バルザン(ブノワ・ポールブールド)の家で暮らし始めた彼女は、様々な上流階級の人々と出会っていく。そして、そこで彼女はアーサー・“ボーイ”・カペル(アレッサンドロ・ニボラ)と出会い、愛を育む。彼は彼女の才能を見抜き、彼女が帽子店をオープンするための資金を援助する…。(goo映画より)
2009年/フランス/アンヌ・フォンテーヌ監督作品

評価 ★★★☆☆
この映画は、サクセスストーリーの新しい描き方とでも言うべき構成になっています。
ココ・シャネルの半生を描いたとくれば、誰でも華やかなファッション業界を背景に華麗なシーンが展開されると期待しますが、この作品は、その予想を見事にひっくり返してしまいました。
ファッションショーの華やかなシーン(それでもかなり抑えていますけど)は最後だけで、シャネルが如何にして自分のデザインを作り上げて行ったのか、という内面に焦点を当てています。
当時の慣例を破った革新的なデザインが生まれるきっかけが、日常描写の中にさりげなく散りばめられています。あまりにさりげないので見落としがちですが、例えば、乗馬の後で、コルセットをもどかしそうに外す場面などがそうですね。
また、孤児院時代、毎日曜日に父親を待っていたエピソードから、機能的な彼女のデザインが父親への憧憬から来たものではないかと想像させられたりしました。
シャネルが頂点に達したファッションショーのシーンで、若い頃の彼女が舞台のカーテン越しに客席を見つめる場面が一瞬挿入されます。あの頃の想いが遂に結実したんだな、と妙に感じ入ってしまいました。
地味な作りですが、記憶に留めて良い作品だと思います。

評価 ★★★★☆
『アメリ』のオドレイ・トトゥがココ・シャネルを好演!
wancoの言うように、この映画は今のシャネルになるまでのサクセス・ストーリーを描いた作品ではなく、どちらかというとシャネルのプライベートや恋愛の部分に焦点を当てた内容の作品でした。というわけなので、華々しい展開を期待して観に行ってしまうと、見事期待を裏切られてしまうと思います。でも、わりと地味な展開でも、女性監督らしい細やかなタッチでシャネルの半生を丁寧に描き出しているので、観終わった後は色々考えさせられるというか、とても心に残る作品に仕上がっています。
この映画を観て面白いなと思ったのは、シャネルは最初から今のようなデザイナーを目指していたわけではないんですね。もともとずば抜けたセンスと才能を持つ人物だったことは間違いないですが、当時の女性たちが身にまとうカーテンのようなゴテゴテとしたデザインのドレスを忌み嫌っていたことで、その反骨精神から今の時代にも通じるような、彼女のシンプルで機能的なデザインのドレスが生まれたわけです。
そして、彼女のデザインするドレスが生まれたきっかけを作り、その夢を後押ししたのが、彼女の愛人や恋人たちの存在でした。まだこの時代の女性は男性の従属物という意識が根強く、男性からの援助がなければ女性が夢を実現させるというのは、かなり難しいことだったみたいですね。
生きていくために男性の愛人になったシャネルですが、彼女のデザインするドレス(女性らしさを省いた男装的なファッション)からも分かるように、シャネルという女性は、本当なら誰の力も借りたくなかったその自立心の強さが窺えます。
女性は結婚することで幸せになる、という考えが当たり前だった時代に、生涯、独身を貫き、仕事に身を捧げたシャネル。彼女は今で言うキャリア・ウーマンの先駆けとも言える存在だったんですね。なんというか、同じ女性から見て、彼女の生き方ってとても自由で、固定観念に縛られていない、なんだかとても羨ましいと思いました。
彼女のデザインするドレスって本当に黒を基調としたドレスが多いんですけど、一見、地味とも言えるデザインがかえって品があり、エレガントでとても素敵でしたね。今の時代に身に付けても充分にお洒落なドレスばかりで、その変わらぬ機能性とデザインには凄いの一言です!
映画『ココ・アヴァン・シャネル』公式サイト
(「ココ・アヴァン・シャネル」2009年9月 岡谷スカラ座にて鑑賞)
修道院付属学校で育った孤児のガブリエル・シャネル(オドレイ・トトゥ)。“ココ”と呼ばれる彼女は、洋裁店で助手の仕事をしながら、姉(マリー・ジラン)とカフェで歌を歌い、生活の糧を得ていた。そこで出会った裕福な貴族、エティエンヌ・バルザン(ブノワ・ポールブールド)の家で暮らし始めた彼女は、様々な上流階級の人々と出会っていく。そして、そこで彼女はアーサー・“ボーイ”・カペル(アレッサンドロ・ニボラ)と出会い、愛を育む。彼は彼女の才能を見抜き、彼女が帽子店をオープンするための資金を援助する…。(goo映画より)
2009年/フランス/アンヌ・フォンテーヌ監督作品

評価 ★★★☆☆
この映画は、サクセスストーリーの新しい描き方とでも言うべき構成になっています。
ココ・シャネルの半生を描いたとくれば、誰でも華やかなファッション業界を背景に華麗なシーンが展開されると期待しますが、この作品は、その予想を見事にひっくり返してしまいました。
ファッションショーの華やかなシーン(それでもかなり抑えていますけど)は最後だけで、シャネルが如何にして自分のデザインを作り上げて行ったのか、という内面に焦点を当てています。
当時の慣例を破った革新的なデザインが生まれるきっかけが、日常描写の中にさりげなく散りばめられています。あまりにさりげないので見落としがちですが、例えば、乗馬の後で、コルセットをもどかしそうに外す場面などがそうですね。
また、孤児院時代、毎日曜日に父親を待っていたエピソードから、機能的な彼女のデザインが父親への憧憬から来たものではないかと想像させられたりしました。
シャネルが頂点に達したファッションショーのシーンで、若い頃の彼女が舞台のカーテン越しに客席を見つめる場面が一瞬挿入されます。あの頃の想いが遂に結実したんだな、と妙に感じ入ってしまいました。
地味な作りですが、記憶に留めて良い作品だと思います。

評価 ★★★★☆
『アメリ』のオドレイ・トトゥがココ・シャネルを好演!
wancoの言うように、この映画は今のシャネルになるまでのサクセス・ストーリーを描いた作品ではなく、どちらかというとシャネルのプライベートや恋愛の部分に焦点を当てた内容の作品でした。というわけなので、華々しい展開を期待して観に行ってしまうと、見事期待を裏切られてしまうと思います。でも、わりと地味な展開でも、女性監督らしい細やかなタッチでシャネルの半生を丁寧に描き出しているので、観終わった後は色々考えさせられるというか、とても心に残る作品に仕上がっています。
この映画を観て面白いなと思ったのは、シャネルは最初から今のようなデザイナーを目指していたわけではないんですね。もともとずば抜けたセンスと才能を持つ人物だったことは間違いないですが、当時の女性たちが身にまとうカーテンのようなゴテゴテとしたデザインのドレスを忌み嫌っていたことで、その反骨精神から今の時代にも通じるような、彼女のシンプルで機能的なデザインのドレスが生まれたわけです。
そして、彼女のデザインするドレスが生まれたきっかけを作り、その夢を後押ししたのが、彼女の愛人や恋人たちの存在でした。まだこの時代の女性は男性の従属物という意識が根強く、男性からの援助がなければ女性が夢を実現させるというのは、かなり難しいことだったみたいですね。
生きていくために男性の愛人になったシャネルですが、彼女のデザインするドレス(女性らしさを省いた男装的なファッション)からも分かるように、シャネルという女性は、本当なら誰の力も借りたくなかったその自立心の強さが窺えます。
女性は結婚することで幸せになる、という考えが当たり前だった時代に、生涯、独身を貫き、仕事に身を捧げたシャネル。彼女は今で言うキャリア・ウーマンの先駆けとも言える存在だったんですね。なんというか、同じ女性から見て、彼女の生き方ってとても自由で、固定観念に縛られていない、なんだかとても羨ましいと思いました。
彼女のデザインするドレスって本当に黒を基調としたドレスが多いんですけど、一見、地味とも言えるデザインがかえって品があり、エレガントでとても素敵でしたね。今の時代に身に付けても充分にお洒落なドレスばかりで、その変わらぬ機能性とデザインには凄いの一言です!
映画『ココ・アヴァン・シャネル』公式サイト
(「ココ・アヴァン・シャネル」2009年9月 岡谷スカラ座にて鑑賞)
>彼女は今で言うキャリア・ウーマンの先駆けとも言える存在だったんですね。
捨てたものをあるけれど、かっこいい生き様は女性のあこがれですよね。
最後のショーはさすがシャネル提供、すばらしかったです。
サクセスストーリーを期待して観に行ってしまうと、この映画楽しめないかもしれないですね。
フランス映画らしい恋愛重視の展開でしたが、私もココの洋服に対する強い信念が伝わってきて、それなりに楽しめた作品でした。
あんな封建的な時代なのに、人と違うスタイルを貫き通したシャネルは本当に格好いい女性でしたね。
こんなに時代が進歩した今でも、充分に見習う点はいっぱいあるな~とすごく感心してしまいました。
ラストのファッションショーはとっても素敵でした!
このシーンはもっとじっくり観たかったです~。