夫婦でシネマ

夫婦で見た映画と、個別に見た映画について感想をかいてます。全て映画館で見た映画で、ミニシアター系の映画をたくさん紹介!

SOMEWHERE

2011年09月03日 | さ行の映画
Story
ハリウッドの人気俳優、ジョニー・マルコ(スティーブン・ドーフ)は、かつて伝説のスターたちも暮らしていたホテル“シャトー・マーモント”で暮らしている。享楽的で華やかだが、空虚な日々だ。腕を骨折し、ギプスを余儀なくされたジョニーのところに、11歳の娘・クレオ(エル・ファニング)がやって来た。前妻・レイラが「しばらく家を空ける」と出て行ったため、彼女を預かる事になったのだ。ジョニーとクレオはシャトー・マーモントで穏やかな親子らしい日々を過ごす…。(goo映画より)
2010年/アメリカ/ソフィア・コッポラ監督作品



ものすごーくご無沙汰してしまいました。。半年以上ぶりの更新になります!
私生活では2歳の息子が今年の4月から幼稚園の2歳児保育に通うこととなり、以前よりも自分の時間が持てるようになったりはしていたのですが、結局、何かと雑用に追われる毎日で、忙しい日々を過ごしていました。
映画もコンスタントに観に行ってはいたのですが、なかなかブログに向かう時間が持てなくて、やっとこうして記事をアップできた次第です。
そして、その久しぶりの第1弾がこのソフィア・コッポラ監督の「SOMEWHERE」!普段は、3Dのアクション映画を観ることが多いので(夏公開の映画は特にそういった映画が多いような気がしませんか?)、やはりミニシアター系の映画好き夫婦としては、この作品のレビューをいちばんに書こうと思いました。
これからは時間があったら、ぼちぼち更新していこうと思っています♪
良かったらまた遊びにきてくださいね。





評価 ★★★★

前作「マリーアントワネット」では暴走してしまいましたが、この作品では本来のソフィア・コッポラワールドを楽しめました。
やたらに長い長廻しシーンがこの映画の持ち味で、マルコのセレブ生活の虚しさが醸し出されてきます。彼と娘とのなんとなく噛み合ない共同生活も多くを語らず、ソフィア的なタッチで良い感じでした。

娘との日常を淡々と切り取って物語は進行しますが、ジョニー・マルコが腕のギプスを外すところがメタファーになっています。これで両腕で娘を抱きしめられるという意味かな。
それまでは、フェラーリがぐるぐる回るシーンやポールダンサーのシーンなど不安定に切り取った構図が多かったのですが、二人でプールサイドに寝そべって静かにカメラが引いていく安定した構図のシーンは、父と娘の心が初めて触れ合った瞬間を捉えて感動的ですらありました。

娘が去った後、ホテルをチェックアウトしてフェラーリも捨てて歩き始めるマルコ。彼の行く末を観客にゆだねるラストも余韻を残して良かったです。





評価 ★★★☆☆

この映画を絶賛するwancoですが、私は「ロスト・イン・トランスレーション」の男性版という印象が強くて、同じ人生の虚しさを描いた作品なら「ロスト・イン~」の方が断然好きかな。おまけに、やたらと長廻しシーンが多いので、普段から映画に慣れ親しんでいる人ではないと、この映画は退屈に感じてしまうかもしれないですね。。この映画は、ヴェネティアでグランプリを取った作品みたいですが、好きな人と嫌いな人に思いっきり分かれるタイプの映画ではないかな?

この映画に登場するジョニー・マルコは、ハリウッドで活躍する中堅どころの人気俳優で、芸能人御用達のホテルにずっと滞在しています。離婚歴があり、前妻に引き取られた娘が一人いるという設定なので、自宅ではなく、ずっとホテルで根無し草のような生活を送っているんですね。人気スターらしい華やかでセレブな生活を送る一方で、家族に去られた孤独感からか、ホテルで一人お酒を飲むような自堕落な毎日を送るマルコ。前述した「ロスト・イン~」でもホテル暮らしで虚しい毎日を送る女性の物語でしたが、今作もある意味、同じタイプの作品で、ソフィア・コッポラはこういった孤独感、虚無感に苛まれた人物を描いたら、本当に右に出る者がいないと言ってもいいくらい上手いですね。

ただ、「ロスト・イン~」とは違うのは、マルコがひょんなことから一定期間、前妻から娘を預かることになるのですが、娘との明るく楽しい共同生活が、彼の人生に忘れていた何かを取り戻すきっかけとなり、変化をもたらします。父と娘との共同生活のシーンになってから、急に画面も明るくなり、物語の運びもテンポ良く描かれるので、この辺りから物語に惹き込まれた人は多いんじゃないかな。私もその一人でした。

なんというか、ソフィア・コッポラの作品はいつも思うのですが、物語の面白さを味わうよりも、その作品に漂うお洒落な空気感を楽しむ方が正解かもしれないですね。作品に登場する小道具、洋服、家具など、ひとつひとつがソフィアらしいこだわりの感じられる知的でお洒落なものばかり。役者にいたっても、スティーブン・ドーフとかエル・ファニングを起用するあたり、なんだかお洒落な感じがしますもんね。コーヒーを片手に、一時の日常を忘れてお洒落な映画を楽しむ!そういった鑑賞の仕方がこの映画を楽しむ秘訣かもしれないです。


映画『SOMEWHERE』公式サイト


(「SOMEWHERE」2011年5月 名古屋市 ミッドランドスクエアシネマ にて鑑賞)

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは。 (白くじら)
2011-09-16 17:58:41
wanco & nyancoさん、復活おめでとうございます。(^^)/
私も本日から復帰ですが…月末引越しが迫っているのでまたしばらく消えると思います。(T T)
なにはともあれ、戻ってこられて嬉しいです。

えっと…この映画自体は観たことがないので感想がまったくかけないのですが、最近はあまりのんびりしたのを観ていると寝てしまうかもしれません。(^^;
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ありがとうございます。 (wanco&nyanco)
2011-09-23 11:38:58
白くじらさん、こんにちは。
コメントして頂いてありがとうございます。

白くじらさんも、復帰おめでとうございます。(^^)
もうそろそろ引っ越しですか?
台風も去ったし、良い引っ越し日和になるかと思います。
新天地で落ち着いた頃、また記事を楽しみにしています。

ところで、SOMEWHEREですが、まじめに観るよりもインテリアの一部として流しておくのに適した映画かと思います。(笑)
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