国際交流のススメ

舞台芸術・海外公演に関する情報をニューヨークから発信します。

田母神俊雄氏のニューヨーク講演会と懇親会って

2010年03月24日 | アメリカ徒然日記
 


NYには色んな人が来ます。
和田アキ子も香取慎吾も来たし、鳩山首相も来ました。
そういえば小泉さんも来たし、竹中平蔵も来ています。石原慎太郎なんて人も来てますね。
最近は落語家さんもよく来るし、ゴジラだってやってきてブルックリンブリッジや旧パンナムビルを破壊しました。
世界の大都市だし、長らく芸術文化の先端都市でもありましたからね。
本当に色んな人が来ます。そういえばアルフィーも来たにゃあ・・・・
アメリカの政治の中心はワシントンDCですが、NYは派手な大都市で注目度も高いし、
芸術文化だけでなく、金融や経済の中心でもありますからね。

そうそう、4月頭には河野太郎さんも来ます。河野さんには好感を持っています。
4月にいらっしゃったときには、ぜひ講演会にも行きたいと思っています。

さて通常、大使と呼ばれるポジションの人は各国1名ですが、アメリカには特別に3名います。
ワシントンDCの日本国大使館にいる駐米大使、国連代表部のトップ、国連大使。
そして、NY総領事館の大使の3名です。
通常総領事館のトップは総領事なのですが、NYだけ特別の大使という肩書きの人が来ます。
大使館は首都に1つだけあるのが普通ですが、総領事館は結構あります。
アトランタ、サンフランシスコ、シアトル、アンカレッジ(出張所)、シカゴ、デトロイト、
デンバー、ナッシュビル、ニューヨーク、ヒューストン、ポートランド、ボストン、マイアミ、ロサンジェルス、
それからホノルル、サイパン、グアムです。
NY総領事館もそんな17ある総領事館の1つです。



そして田母神さんです。
明日、3月26日(金)にNYで講演会を開催されるそうです。
明日の講演会に先駆けて、今夜はディナークルーズも開催されます。
講演会とレセプション・ディナーは当然としても、ディナークルーズって・・・
まあ、$290は翌日の講演会とレセプション・ディナーも含んでいますし
そういえば、高橋真梨子さんがカーネギーでコンサートしたときにVIPチケットが$500で、
翌日に高橋真梨子さんと行くディナークルーズ、というのがおまけで付いていました。
なので、$290が高いのか安いのかは不明ですね。
まあ、こういうのは価値のある人にはあるものですからね。





この企画、ツアー企画は近畿日本ツーリストの米国法人、近鉄インターナショナルNY支社です。
ただ、彼らはツアー部分を企画しているだけで、田母神俊雄海外公演会、オフィシャルサイトによると
企画者はNY公演実行委員会となっていました。

興味のある方は、ちょっとチェックされてみてはどうですか?

大蔵流狂言・山本家の北米ツアーって(4:ピッツバーグ)

2010年03月22日 | 海外公演
 


昨日は大蔵流狂言・山本家のピッツバーグ公演でした!
写真左は客席後方から舞台を撮ったもの。
舞台の左右にあるのが字幕です。
今回のツアーはボストンーピッツバーグーロングアイランドーフィラデルフィアーNYC-トロントの順ですが
字幕映写用のプラズマを含むセットはNYCで準備し、まずはボストンに送りました。
ただ、ピッツバーグが地理的に遠かったことと、現地に柱などのセットがあったことから、
NYCからのセットはボストン後、ロングアイランドに送ることとし、
ここピッツバーグでは現地でプロジェクターを準備してもらって字幕を映写することにしました。
そうすることで輸送費の軽減を図りました。
ということで、舞台の左右に出ているのが字幕です。
右の写真は、字幕の操作位置である、バルコニー席上手端から舞台を取ったものです。
つまり字幕をオペレートする私の視線で撮ったもの。
もっと、言えば字幕操作の合間に撮った写真です。


 


写真左上は舞台奥から客席と撮ったもの。
右はバルコニー席最上部から舞台を撮ったものです。
右側バルコニー席で光っているのが字幕オペ用のラップトップです。
キャパはバルコニー入れて、ざっと500席。7割から8割の入りでした。


 


写真左上は橋掛かりから舞台を撮ったもの。
右は劇場スタッフ。真ん中がテクニカルディレクターのクリス・ハワード。
ピッツバーグ在住のクリスは奥さんが日本人で日本語がペラペラです。
その上、ピッツバーグの様々な劇場でTDを勤め、数年前から芸術専門公立高校で舞台を教えています。
付き合いは古く、クナウカ、燐光群、青年団の公演でもお世話になりました。
手前のセクシー系は照明のミランダ(だったかな・・・ごめん)です。
いつもセクシータンクトップで作業しています。


 


ということで・・・ピッツバーグ公演も無事終了。
写真左上はロビーと公演告知のチラシ。
右は公演後のレセプションでの記念撮影。
明日はNY州ロングアイランドのあるNY州立大学・ストーブルック校にて公演ですー
最後におまけでピッツバーグの街の写真です。







大蔵流狂言・山本家の北米ツアーって(3:ピッツバーグ編)

2010年03月20日 | 海外公演
 


今日はピッツバーグの劇場でワークショップです。
ピッツバーグが一番日程にゆとりがあって、1日目は移動と下見、2日目がワークショップ、
そして明日3日目が公演という予定です。

ピッツバーグでの主催は名門ピッツバーグ大学のアジア研究センター。
日本文化の紹介にも熱心で、過去には燐光群が「屋根裏」を、青年団が「東京ノート」を
そしてク・ナウカが「天守物語」を同センターの招聘で公演しています。
今回のワークショップはピッツバーグ市内にある芸術専門の公立高校の学生たちです。
アメリカには公立高校で芸術専門の学校というのがあります。
立派な劇場も持っていて、燐光群はそこで公演しました。

上写真は山本則俊さんと通訳の江口さん。
まずは狂言のデモンストレーションを見てもらうための解説中です。
右写真は学生たちですが、120名ほどが参加し、非常に熱心に聴いてくれました。





恒例の正座と挨拶のあと、早速摺り足の練習。
これがね、上手くできる子もいるのですが、できない子は面白いほど上手くできないのです。
摺り足しただけで転んだりしますか?正座しようとしてひっくりかえったりしますか?
でもね、床に座りなれていないアメリカの子供たちはそういうことでひっくり返ったするんです。
面白いですよねー。

今回のワークショップのフォーマットは以下の通りです。

1、演者紹介 2分
2、デモンストレーション演目の解説 5分
3、デモ演目“柿山伏”抜粋上演 8分
4、狂言解説 5分
5、体験ワークショップ 1 基本姿勢や摺り足 10分
6、体験ワークショップ 2 独特な表現(笑い、泣き、動物) 10分
7、体験ワークショップ 3 謡いの練習 10分
8、装束の紹介と実際の着付け体験 10分
9、質疑応答 10分


 


上写真は泣きの練習ですね。
舞台上の子供たちだけでなく、客席の生徒たちも参加。
こういうところ、日本の高校生なんかよりも乗りが良いというか、素直ですよね。
結構、まじめに楽しんでいます。
あの狂言の高笑いが、かなり高校生たちに受けていました。
デモの“柿山伏”でも主人が高笑いする場面があるのですが、そのたびに場内は大爆笑となりました。
ワークショップでも、大きな声で参加してくれました。


 


狂言の面白い特徴のひとつに動物が登場するところがあります。
劇中では当然、狂言師たちが動物に扮装したり、“柿山伏”の中の山伏のように形態模写も出てきます。
ワークショップでは生徒たちに、狂言師たちが演じる動物の鳴き声を当てさせたり
また鶏のような動きの面白いものでは、一緒に演じてみたり。
上左写真は鶏を演じる生徒たち。客席の生徒たちも舞や模写にどんどん参加してきます。


 


そして最後はこれまた大好評の装束の着付けと解説です。
生徒の中から代表者1名に上がってもらって装束を着けながら解説していきます。
こういう機会は当然ながらめったにありませんからね。
なかなか一人を選ぶのも大変です。
選ばれたのは、なかなか可愛らしい顔の男の子・・・と思いきや女の子でした。
よく見れば、鶏の模写で飛び跳ねていた子でした。


 


うーん、なかなか決まってますね。

大蔵流狂言・山本家の北米ツアーって(2:ボストン編)

2010年03月20日 | 海外公演



ボストン公演(正確にはボストン郊外のウェルズリー公演ですが・・)は当日仕込みです。
日中にはワークショップもあるし、ツアー初日ですから字幕との合わせも必要です。
ということで、あまりのんびりということもなくツアーが始まりました。
以下、この日のスケジュールです。

8:00am Crew call            劇場入り
8:00-9:00am Dance Floor lay down     リノリューム敷き
9:00-12:00pm load-in and stage set up   搬入と舞台設営
12:30-1:30pm Workshop           ワークショップ 
1:30-2:30pm lunch              昼食
2:30-3:30pm Prepare for rehearsal   リハーサル準備
3:30-5:00pm Rehearsal with subtitle 字幕とのリハーサル
5:00-6:00pm Notes            手直し
6:30-7:00pm House Open    開場
7:00-8:30pm Performance      公演
8:30-9:30pm Reception & strike レセプション&片付け  
9:30-10:00pm Load out            搬出


会場はご覧の通り、普段は音楽ホールか講演会場として使われている小ホール。
照明はFOH(シーリング)は少々あるものの、あとはダウンライトのみです。
袖や幕類を吊るようなバトンもありません。
予算と時間の都合もあるので、とにかく簡潔な舞台設営とすることとしました。





ということで出来上がったのがこちらの舞台。
公演時には客席照明などが落とされ、舞台に照明が入るので、背景の壁などが沈んで
舞台がもう少し浮き上がるようになっていました。
右に輝くモニターが字幕を映写するプラズマモニターです。




私が両手首骨折からまだ完治していないので、現地に仕込み増員をお願いしたところ
力強い助っ人を派遣してくれました。上写真はお手伝いしてくれた現地女子学生のみなさん。
彼女たちは日本語クラスの学生さんで日本語が少々話せます。
女子学生ばかりなのは仕方ないですね、会場は女子大ですから。
まあ、和気あいあいと仕込みできました!

特に大きなトラブルはなかったのですが、1つだけ困ったのが字幕でした。
台本とビデオを頂いていて、その通りに字幕を作ったのですが、微妙に違う・・・。
ちょっとした違いが字幕の場合、結構困るのです。
たった2行ほどやり取りを飛ばされただけで、一瞬、どこをやっているのか分からなくなることも。
さらに大きな問題が・・・
普段はパワーポイントに字幕を入れていて、その下のオペレーターノートに日本語の台詞を入れてオペしています。
ところが、どういう訳か、このオペレーターノートが表示されない・・・。
全部表示されないならまだしも、表示されるページもある。
しかし、その設定の違いが分からない。
印刷してみたところ、全部のページにノートが印刷されているのに、画面にだけ出てこない。
とほほほ・・・
結局、急遽、全部のページを印刷し、それを台本として1ページづつめくりながらオペすることに。
初日でまだ公演にも慣れていなかったので、大変でした・・・。
しかしまあ、Show Must Go Onですからね。
どうにか公演は乗り切り、観客の反応も良かったので、安心しました。

あと、楽しかったのがワークショップ。
手伝ってくれた女子学生たちも含めた15人ほどの学生が参加。


 

まずは挨拶からワークショップ開始です。
正座ができないアメリカ人は多いのですが、彼女たちは若いからか、体が柔らかく正座もできます。
そして摺り足などの基本的な所作の練習から。
一般学生ですから、本格的な狂言訓練というよりは、文化交流的な側面が強くなりますね。
彼らは日本語を履修している学生でもありますから、様々日本文化を体験してもらうのも重要です。
今時文化は放って置いてもまあ入ってきますが、伝統的なことはなかなか経験できないでしょうしね。


 


盛りだくさんの内容に時間が足らなくなり、装束の解説を割愛することになったのですが、
数人の学生が装束を見たいということで、急遽着付けしながら解説をすることに。
学生の代表に狂言師の皆さんが装束を着せてくれました。感謝!感謝!
右写真は怒っている訳ではありません。「狂言師っぽく振舞って」とのリクエストに答えているだけです。
よく見れば膝が緩やかに曲がっているし、手も親指を内にして基本の位置にあります。
怒っているような表情は、それなりにまじめな顔をしようとしているのですね。


 

てな感じで楽しく過ごせたボストン公演。
到着翌日の仕込み+公演+ワークショップにも文句ひとつ言わずお付き合い頂いた
山本狂言ファミリーの皆さんに感謝です!

こうして無事ボストン場所は終了。
翌日はピッツバーグへの移動です。





大蔵流狂言・山本家の北米ツアーって(1)

2010年03月19日 | 海外公演
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えー実は3日前から大蔵流狂言・山本家の北米ツアーに同行中です。
3月16日(火)にラ・ガーディア空港からまずは単身ボストンへ。
利用便はUS Airways。ピッツバーグをハブに持つ航空会社です。
そう、あの“ハドソン川の奇跡”を起した航空会社です。
もっともあの時はシャーロット経由シアトル行きで機体もエアバスA320でしたが、
今回の機体はブラジルのメーカー、エンブラエル社製のE-190という100人乗りの中型ジェット機です。

一行は同日成田発で午後3時過ぎにボストンに到着予定だったので、
一行とボストンの空港で合流すべく、こちらは正午にNYと飛び立ち、午後1時過ぎに到着しました。
搭乗時間が1時間だけと短時間なのに加え、アルコール類はほぼ有料で割高です。
なんと缶ビールが7ドルもします。機内食も準備されていますが、美味しくないしこちらも割高です。
そう言えばこの間、エアーカナダに乗ったのですが、有料機内食にカップヌードルがあり思わず購入。
お湯付き(当然ですが)$2と非常に良心的でしたが・・・。






ということで機内は寝て過ごし、到着後の待ち時間を利用して、まずは腹ごしらえ。
空港内のレストランでガンボスープにボストンの地元ビール、サミュエル・アダムスをオーダー。
その後、合流地点となるバッゲージ・クレームに移動し、ほろ酔い気分で一行を待つことに。





予定より30分ほど遅れた午後4時前にボストン空港にて無事合流。
その後、主催者であるウェズリー大学手配のバン・サービスでボストン郊外にあるウェズリー大学へ移動。
この日はお疲れもあるので劇場での作業はなし。
到着後、主催者の皆さんと夕食にタイ料理屋さんへ。
翌日の予定や、狂言の話、さらには昔話などをして盛り上がる。
午後10時には時差ぼけのため、もうろうとなっている一行とともに宿舎へ。
翌朝は作業班(といっても僕とカンパニーマネージャーさんとの2人だけですが)が8時に劇場入り。
演者チームは11時半にワークショップ会場に入り、その後劇場に移動、準備をリハーサルを行うことなどを確認し解散。





ウェズリー大学は郊外の自然の中にある名門女子大学。
校舎もキャンパスもめっちゃキレイです。
宿泊したのは大学内の宿泊施設で、一般のゲストや学生は基本的にはいません。
ここもちょっとクラッシクな感じのお部屋でいい感じでした。
ベッドがね、アメリカはベッドが大きいから良いですよね。
やっぱりキングサイズはいいですよ。

てなことで、大蔵流狂言・山本家の北米ツアーは静かに始まりました。
この続きはまた明日ということでー。