http://awajiningyoza.com/index.html 淡路人形浄瑠璃座のウェブアドレスです。
淡路人形浄瑠璃北米ツアーの第6回目。
いよいよ最終回です。
前回はマサチューセッツ大学での公演とワークショップ、そして子供向け特別公演の様子をレポートしました。
http://blog.goo.ne.jp/nyadosu/e/e54d23d054ae33e75a34d4fe6919e0d6
マサチューセッツ大学での公演を終えた一行は雪降るなか、バスで陸路次の目的地、
同じくマサチューセッツ州にあるウィリアム・カレッジへと移動しました。
主催はウィリアム・カレッジ付属の非営利の芸術法人である'62 Center。
大学機関の一部ですが、独立して舞台公演の主催事業も行っている団体です。
アメリカの大学にはこういった付属でありながら、独自に主催事業を行っているところが多数あり、
特に地方の文化拠点としての役割を果たしていることが多いです。
劇場学部やダンス学科などがあり、学生のプロダクションや、学生がスタッフとして参加することもありますが、
学生にはメインステージは使用させず、招聘した団体の主催事業のみ行うところもあります。
大学の施設というと、古びた講堂を思い浮かべる人も多いですが、
実際、マサチューセッツ大学の劇場などはかなり年季の入ったものでしたが、
この'62 Centerでは劇場施設を2003年にリニューアルしたばかりで、かなり新しく劇場機能も充実しています。
下記アドレスで'62 Centerの劇場施設が見れます。
http://62center.williams.edu/62center/venue_explore.cfm
今回、淡路人形浄瑠璃座が上演を行ったのは、3つある劇場のうちのCenter Stageと呼ばれる劇場。
キャパ150席と、ちょっと小さめですが、キャパ550席のMain Stageとどちらが良いかと聞かれて
Center Stageの方を選びました。
Main Stageはちょっと大きすぎると感じたのでそうしたのですが、
正直言うと、今から思えばMain Stageでも良かったか、との思いもあります。
ツアー中、最もプロの劇場スタッフが揃っていた 前手すりを仮設するためのキット
'62 Centerの劇場スタッフ。仕事が速くて これがなかなかの優れもの。
知識も豊富。めっちゃ助かりました。 軽いし高さも調節可能でツアー向きです。
完成した前手すり用の仮設バー。右上の写真は劇場のバルコニーから撮影した
舞台の様子。人形浄瑠璃を上から撮影する機会はあまりないですよねー。
ちょっと見難いかもしれませんが、こんな感じで演じています。
真剣にリハーサルに臨む座員の皆さん。松井似の元ヤンキー座員同様、
ぱっと見は怖いけども、実は淡路人形浄瑠璃座で最も人の良い田村さん。
淡路に遊びに行ったら生キャラメルを買ってくれました。
淡路になぜ生キャラメルが売っているのかは不問に付しましたが・・・。
ウィリアムズ・カレッジでも学生に向けてのワークショップを開催しました。
上演中、演者たちはこの高下駄を履いて人形操作を行っています。
この下駄、重くて高いので、ただでさえ安定が悪いのに、人形遣いたちは
さらに爪先立ちで人形を扱うのだそうな・・・。卓越の技ですね。
山台の右手側に光っているのが字幕(プラズマ・モニター利用)と、もはやお馴染みとなった満席の客席。
雪降るなか、大勢の観客が来てくれました。
そして公演は無事終了。これまたお馴染みとなった人形使いによる客だしです。
どこの会場でもそうでしたが、人形が間近に見れて観客は大喜び。
めったにない、というか、この先、こんな体験ができるかどうか分からないですもねえ。
公演後の疲れをものともせず、毎回送り出しに出てきてくれる人形使いの皆さんに感謝です!
公演の後は、やはりばらし。そして搬出。雪の中オンボロトラックに荷物を積み込みます。
一行はこの後、いよいよニューヨーク公演となるのですが、淡路人形浄瑠璃北米ツアーのレポートは一応、これにて終了です。
以下、ツアーの日程のまとめです。
2月10日(火) バンクーバー着
2月11日(水) Firehall Arts Centreにて仕込
2月12日(木) リハーサルと公演(1)
2月13日(金) 公演(2)
2月14日(土) 公演(3)とバラシ・搬出
2月15日(日) 空路ロサンジェルスに移動
2月16日(月) REDCAT Theater にて仕込
2月17日(火) リハーサルと公演(4)
2月18日(水) ワークショップと公演(5)その後、バラシ・搬出
2月19日(木) 空路ニューヨークへ移動、その後陸路バスにてコネチカット州ミドルタウンへ移動
2月20日(金) ウェズリアン大学・World Music Hallにて仕込
2月21日(土) リハーサルと公演(6)
2月22日(日) 公演(7)、その後バラシ・搬出
2月23日(月) バス(5時間)でコーネル大学へ移動、コーネル大学・Bailey Auditoriumにて仕込
2月24日(火) リハーサルと公演(8)バラシ・搬出
2月25日(水) コーネル大学・Barns Hallにて仕込と公演(9)バラシ・搬出
2月26日(木) マサチューセッツ州アムハーストへバスで移動(5時間)・Bowker Auditoriumにて仕込
2月27日(金) 子供向け公演(10)、その後、ワークショップ
2月28日(土) 公演(11)、その後バラシ・搬出
3月1日 (日) マサチューセッツ州ウィリアムズタウンへバスで移動(2時間)・'62 Center内のCenter Stageにて仕込
3月2日 (月) ワークショップ、公演(12)、バラシ・搬出
3月3日 (火) バス(3時間45分)にてニューヨークへ移動
3月4日 (水) ジャパン・ソサエティにて仕込
3月5日 (木) 公演(13)
3月6日 (金) ワークショップと公演(14)
3月7日 (土) マチネ公演(15)とソワレ公演(16)、その後、バラシ・搬出
3月8日 (日) 日本に向けて出発
3月9日 (月) 日本着
今回のツアーでは、28日間で8会場、合計16公演+ワークショップを3回やったんですね。
国際渡航を除いて、ツアー中の移動は6回あったんですねえ。
どうもお疲れ様でした!!
ブログを読んだ知人から、「淡路のツアーは余程楽しかったんですね。文章からにじみ出てますよ。」と言われました。
そうなんです。めっちゃ楽しかったんです!!ツアーオーガナイザーがお仕事で同行してめっちゃ楽しむなんて!!
不謹慎な!!プロ失格!!なんて言われそうですが、いいんです。楽しかったんですから。
ツアーが楽しかったのは、もちろん同行した淡路人形浄瑠璃座の座員の皆さんが素晴らしい人たちであったからですが、
やはり舞台が素晴らしく、どの劇場でも気持ち良く、胸を張ってお仕事できたというのが一番です。
交流が大事だと、なんども書きましたが、やはり舞台あっての交流ですからね。
肝心要の舞台がいまいちでは、付随する交流にも力が入りません。
そういう意味では、非常にバランスの取れた良いプロジェクトだったと思います。
またいつの日か、淡路人形浄瑠璃座の皆さんとツアーに周れる日が来ることを祈っています!!
最後のおまけは、人形の髪を結う淡路人形座の松井こと、元ヤンの記虎さん。
どうも、お疲れ様でした!!