つれズレ愚抄

つれ：「度々引き合いに出すのは恐縮ながら、井上選手のボクシング４団体統一チャンピオン達成はサムライブルーの奇跡にも勝る壮挙じゃないかぃ」

 
ズレ：「圧倒的な実力からすればむしろ順当なくらいだけど、個人戦だけに偉業は一層際立つわな」

 
つれ：「その割にW杯に比べると、熱狂と言うほどには世間が沸き立ってない感じだよねぇ」

ズレ：「かつて日本の選手が世界チャンプの過半も占めようかてぇ勢いを知る世代としちゃ、いささか口惜しいようでぃ」

つれ：「その後階級も団体も増えてタイトルが幾つあるかも分からないほどになったのが、もう一つ熱狂を呼びこさない所以かねぇ」

ズレ：「ボクシングファン数を遥かに上回る勢いでタイトルだけ増殖すりゃ、関心が分散して一つ一つのマッチの感興は薄れる理屈かもなぁ」

つれ：「逆コースで俄かファンが増殖するほどゲームの値打ちは上がるから、W杯が異様に盛り上がるのも道理だねぇ・・」

つれ：「ウクライナ紛争が長引いてる中じゃ、今年の一字が”戦”になるのも当然かねぇ」 

ズレ：「W杯サッカーの奮闘がもそっと早い時期なら、”蹴”とか”青”とかになってたかもしれないけどよ」 

つれ：「日本中が興奮したのも今は昔で、紛争の方は一向に収まる気配がなくてこのままじゃ来年の一字も”戦”が続くんじゃないかぃ」

ズレ：「極超音速弾部隊も新設するとか、本邦も欧米連合の側で立つべく着々と臨戦態勢を整える気配だしなぁ」

つれ：「露中朝の反米枢軸側にはイランさんが加わったみたいだし、世界的な対立の構図も厳しくなりそうだよ」

ズレ：「W杯じゃドイツ・スペインによもやの連勝なんて大番狂わせも起きるんだし、来年の今頃には手打ちに至ってる奇跡を願うばかりでぃ」

つれ：「鬼には笑われるけど、そうなりゃ来年の一字は”和”で決まりだろうねぇ・・」

つれ：「急拵えの不備は指摘されつつも、迅速な被害者救済法の成立は概ね好評らしいよ」 

ズレ：「一番反対しそうな公明党さんが与党だし、救済と銘打たれちゃ野党も徹底抗戦はできねぇからなぁ」 

つれ：「それで法案が流れたら、岸田さんの失点てより野党の自殺点にされそうだもんねぇ」

ズレ：「テロに屈したとは言わないまでも、一命を投げ打った刺客の直訴を聞き届けた格好だわな」

つれ：「いささか忸怩たるものがあるとしても、人気商売の代議士がこの状況で何もせず皆でトボけりゃ怖くないって訳にゃいくまいに」

ズレ：「いわばそのアリバイのための与野党合作だから、実効性を高める努力なんてのは喉元過ぎればトボけられちまうんじゃねぇか」

つれ：「水俣病特措法で健康調査を義務付けながら１３年経っても実施してないくらい、法を作って魂を入れないのはお手のものだしねぇ・・」

つれ：「サムライブルーの熱戦から醒めてみると、ウクライナ紛争はロシア領内を攻撃するほど一段と熱を帯びてるみたいだねぇ」 

ズレ：「侵攻に対して領土防衛に徹するうちは紛争でも、敵の領土を攻撃し出せば互角の戦争だわな」 

つれ：「防衛のための攻撃ってことだと、本邦の反撃能力保有と重なるようだけどさ」

ズレ：「プーチンさんは核の先制使用をチラつかせてるし、反撃するからには一層戦火が拡大する覚悟が必要なんじゃねぇか」

つれ：「航空宇宙自衛隊やら陸上自衛隊認知戦部隊やらを強化したり、安保３文書とかで勇ましい姿勢を示したりってのがその覚悟なのかもよ」

ズレ：「国民意識そっちのけで増税までして装備充実を急ぐ裏には、例によってアメリカさんの産軍複合体に絡んだ差し金が働いてる気配も漂うようでぃ」

つれ：「防衛意識が高いウクライナさん支援の返す刀で、意識が低い日本には軍備増強に金を出させる先制攻撃を仕掛けてたってのかぃ・・」

つれ：「事前の情報とR15指定を併せて推測するに”注文の多い料理店”実写エグイ版じゃなかろうかと身構えつつもコメディティストもアリのグルメ映画風の滑り出しに油断してると、徐々に不穏な空気が立ち込めて中盤以降はジェットコースターが頂点から急降下する如き展開で息つく間もないくらいだょ。
　作風としては不条理サスペンス的な趣で、シェフを演じる役者さんの風貌がそこはかとなくビートたけし師匠を彷彿とさせるせいもあってか師匠が主演したバトルロワイヤルとか北野武監督のバイオレンス作品を思い起こすようじゃないかぃ。
　行き過ぎたグルメへの批判もテーマになってるようだけど、本邦の時節柄からすると登場人物がカルト教団の狂信性に翻弄される信者やそこに否応なく巻き込まれる家族縁者みたいに見えてくるのがタイムリーかもしれないねぇ」

つれ：「お江戸界隈は２年続けて木枯し１号が吹かなかったんだってさ」

 
ズレ：「風の強い日もあったけど、この秋は観測史上最高の平均気温をマークしただけあって総じて暖かめに推移してたからなぁ」

 
つれ：「さすがに師走に入るや否や一気に真冬の寒さになってきたねぇ」

ズレ：「まるで節電要請を見計らったかのようなタイミングだわな」

つれ：「暖秋との帳尻合わせで、観測史上最高レベルの冷え込みが厳しい冬にならないことを祈るばかりだょ」

ズレ：「おカミの呼び掛けに乗っかって、重ね着ルックなんてのが流行るかもしれねぇぜ」

つれ：「マスクに加えて室内でもコートにマフラーてのがこの冬の正装になるのかねぇ・・」

つれ：「ドイツ機甲師団やスペイン無敵艦隊を撃破した騎虎之勢を以てしても、サッカーW杯ベスト８の壁は厚かったねぇ」 

ズレ：「クロアチアさんには前回準優勝の次点バネがあるし、予選を突破したチームはどこも勢いがあるから一筋縄じゃいかねぇやな」 

つれ：「そんな強豪とPK戦にもつれこむほど互角の戦いを演じたんだから、サムライブルーの実力は既にベスト８クラスなんじゃないかぃ」

ズレ：「技術戦術はさることながら、決勝トーナメントを勝ち上がるには時の運みたいなPKも勝ち切る勝負強さが必要なんだろうよ」

つれ：「前半に先制点を上げたところでこれはイケると期待しつつも、後半で逆転したこれまでの展開との違いに一抹の不安を覚えた方も少なくはなさそうだしねぇ」

ズレ：「優勢な布陣を保ち続けるよりは、追い込まれた背水の陣の方が力を出し易いのは古来合戦の常道だからなぁ」

つれ：「後がない敗戦からの高度成長で経済大国と呼ばれるまでの優勢を築いたものの、そこからのジリ貧を脱せないのはチーム日本が勝負弱い所以かもねぇ・・」

つれ：「日本中がW杯に沸いてる隙を縫うように、反撃能力保有の与党合意が成立したそうだよ」 

ズレ：「公明党さんとすりゃ被害者救済法案の累が及ばなかった借りを返した格好なんじゃねぇか」 

つれ：「当初は難色を示しても最後は自民党さんに迎合するのがお家芸になって、だいぶ以前から公明党さんの政権内での抑止力てぇお題目はすっかり空念仏だしねぇ」

ズレ：「専守防衛のお題目をそのままに先制攻撃は許さないってんじゃ、反撃能力も保有してたところで抑止力にはなりゃしねぇやな」

つれ：「反撃すりゃまた攻撃されるてぇ将棋の利かし合いみたいなもんだから、敵の総力を上回る反撃能力でなけりゃ徒に被害を重ねるばかりかもねぇ」

ズレ：「漁夫の利を占めるのは大量のミサイルを売り込めるアメリカの軍事産業と大統領ってこったろうよ」

つれ：「そのダシにされる日本庶民の救済法案も用意しといて貰いたいもんだょ・・」

つれ：「サッカーは嬉しい方のビックリだったけど、渡辺徹さんの訃報は悲しい方のビックリだよねぇ」 

ズレ：「とことん朗らかなイメージだったし、きょう日還暦そこそこでの他界はあまりに早過ぎるわな」 

つれ：「大病もなさってたようだし、若い頃より激太りしてる方は我が身を案じるようじゃないかぃ」

ズレ：「病歴や体形に関わらず誰しも明日をも知れない身の上と思えば、少なくともコロナなんぞで動揺しててもしょうがなさそうだぜ」

つれ：「そう斜に構えた訳じゃなかろうけれど、感染症法改正でコロナ分類の見直しが明記されたんだってさ」

ズレ：「”速やかに検討する”ってだけじゃ、検討すれども結論は出ずてなガス抜きに終始するんじゃねぇか」

つれ：「それじゃ痩せようと思いつつ大食を続けるのと同じだろうに・・」

つれ：「ほぼ絶望の淵に沈みかけたのが一転してW杯サッカー予選１位通過たぁ、冥途の土産にすりゃ閻魔様も魂消るような奇跡が起きるもんだねぇ」 

ズレ：「時間が時間だしむざむざスペインさんの凱歌を聞くのも業腹と、ナマ観戦を断念したのが痛恨の極みでぃ」 

つれ：「プライムタイムの放送だったら、日本中が狂喜乱舞で梨泰院みたいな大騒ぎになったかもねぇ」

ズレ：「そもそも予選の組合せが決まった時に誰しも口には出さないものの今回の決勝進出はないと諦めただろうから、その反動で歓喜の興奮も大爆発しようってもんさな」

つれ：「事情通ほどコスタリカさんに負けてドイツさんスペインさんに２タテを喰らわすなんて展開は夢にも思わなかったんじゃないかぃ」

ズレ：「こうなると否が応にもベスト８以上の期待が掛かるし、世界のサッカーファンからは一目も二目も置かれるのは間違いないだろうよ」

つれ：「叶うことなら日本の政治もそんな期待や刮目を集めるくらいの奇跡が起きるといいのにねぇ・・」