つれズレ愚抄

つれ：「毎度お馴染みのハードボイルドぶりで逆境のスーパーヒーローが善意を背負いつつ暴虐のカタルシスの限りを尽すてぇ相変わらずのお約束ストーリーにも、第一作を思い起こせばランボーも齢を重ねたもんだてぇ感じが滲み出てて、”最後の”と銘打つ以上はこれがシリーズ最終作だって雰囲気がラストシーンまでヒシヒシと伝わってくるようじゃないかぃ。
　寅さんとは役どころこそ異なるものの、スタローンさんにはランボーの他ロッキーてぇ時間が継続する当たり役があって、そのどちらもスタローンさんの実年齢に重なるように歳をとるストーリー展開になってるところが独特のリアル感を醸し出してるのかもしれないねぇ。
　リアルと言やぁ映像技術もＣＧの発達に伴って一作目の頃からは隔世の感があるようで、ランボーでＲ１５？と訝りつつ見てみれば５０口径の着弾シーンの凄まじさは確かにＲ１５級かもと、そんなところにも時代の推移を感じさせられたよ」

つれ：「アメリカさんのリップサービスこそあれ、北朝鮮さんのテロ指定があっさり解除されたんじゃ日本は立つ瀬がないよねぇ」

ズレ：「国際政治の鉄火場のうち東亜は適当なとこでケリをつけてサッサと手仕舞いしたいってのがアメリカさんの本音だろうから、属国日本の事情に斟酌するよりは敵国北朝鮮の懐柔に擦り寄る方が勝負は早いってなもんよ」

つれ：「借りるべき虎の威がなくなっちゃ、拉致問題も煙に巻かれる一方になるんじゃないかぃ」

ズレ：「これまではいわば子供の喧嘩に親を頼ってたようなもんで、見放されたんでなくむしろ独力で何とかすべき一丁前の大人として認められたと受け取って腹を括るしかねぇやな」

つれ：「子供の喧嘩というには対手の将軍様御一統さんはアメリカさんをも凌ぐ老獪ぶりだろうに」

ズレ：「非道を重ねても揺らぐことのない天下御免の大極道と親にも頼らずサシで対峙するからには、朝鮮半島まで吹っ飛ぶような自決用のどデカイ核爆弾を一発懐に仕込んで臨むようじゃねぇか」

つれ：「こっちも核を晒に巻いたとなりゃ、頼まなくとも親が慌ててしゃしゃり出てくるかもねぇ・・」

つれ：「何かと槍玉に上がる厚労省のテコ入れで厚労相を副首相に格上げするみたいだよ」

ズレ：「桝添さんが一気に副首相に駆け上がるのかと思えば、次の内閣改造の折にはてぇ注釈付きだったぃ」

つれ：「併せて副大臣２名も閣僚扱いにするってんだから、かなり手厚い体制だねぇ」

ズレ：「副首相格の厚労相が他省庁に跨る問題に指導力を発揮するなんてなぁ、何やら戦前の内務省を彷彿とさせる話じゃねぇか」

つれ：「副大臣に担当業務の国会答弁や予算編成も任せるってことなら、小回りが利くように厚労省を分割したってよさそうなもんだけどさ」

ズレ：「縦割り行政の弊害からニッチ的な問題が多発することを考えりゃ、むしろ本当に国交省から警察庁まで内務省として統合したうえで権限を大幅に地方に移管するって手もありそうだぜ」

つれ：「鳩山内閣時代には内政省てな構想もあったそうだから、孫のお兄さんの方にってことで補助金全廃とかも打ち出してる民主党さんの施策としてお勧めしてみたらどうだぃ・・」

つれ：「公務員制度改革法に合わせるように騒ぎになった霞ヶ関のタクシー濫用はまだくすぶってるみたいだねぇ」

ズレ：「褒められたもんじゃないにしろ、それが世間の金回りにもなるんだし多少の役得は大目に見てもいいんじゃねぇか」

つれ：「それが税金で賄われてるってとこが問題だろうに」

ズレ：「深夜のタクシー帰りが常態になるような仕事の段取りを役所に強いる国会や政治家にも責任の一端はある訳で、それを糺そうとするならまず国会運営から始めよってなとこでぃ」

つれ：「確かに官僚が皆定時に帰ってタクシー利用自体が目立つようになりゃ、便乗した私用チケットなんかは自ずから使いにくくなるかもねぇ」

ズレ：「役所がお得意様でなくなりゃ運転手の皆さんの米の付け届けやら車内バーやらの涙ぐましい営業も必要ないし、配車が減りゃ温暖化ガスの抑制にもならぁな」

つれ：「或いはタクシー濫用とかを目くらましにしつつガソリン高騰を野放しにしとくことで、貧乏人の温暖化ガス排出を抑制しようてな深謀遠慮もあるのかねぇ」

ズレ：「他愛ない不祥事を叩いていれば、ややこしい危急存亡の課題には触れずに済むってのが野党やマスコミの役得かもなぁ・・」

ズレ：「前半の笑いを絡めた宇宙物理学超入門的なイントロから後半のアクション・スペクタクルのクライマックスまで、存外に長尺ものながら長さを感じさせない一気の展開はお見事で、言葉の微妙な機微も伝わる日本語作品だけに上映時間以上に堪能させていただいた感じだわな。
　失礼ながら原作には当たっていないのであくまで映画だけでの印象ながら、物理の天才少女と物理には全く無縁のテンプラ学生ってぇかスシ学生を組み合わせることで、門外漢でも耳にすることのある宇宙の成り立ちに関する素朴な疑問の部分が面白く分かり易く伝わる辺りは教育映画としても使えるんじゃねぇか。
　全編を通じて軽いタッチでまとめられてはいるものの、そもそもの学問の成り立ちとして最後は哲学の問題に突き当たることが多い科学が題材になっているだけに、笑いの要素を取り除いてみると随所に深遠な哲学的テーマがちりばめられてて読後ならぬ観後の余韻を長いこと楽しめそうだぜ」

つれ：「鳩山法相が朝日新聞での死神呼ばわりに激怒なさったんだってねぇ」

ズレ：「死刑執行の断を下すのが法務大臣の仕事である以上、実直に職責を全うすることに批判を浴びるんじゃ間尺に合わぇやな」

つれ：「死刑制度に異論があって在任中死刑を執行しなかった大臣もいる中じゃ、当代のハイペースが目に付くのは確かじゃないかぃ」

ズレ：「死刑自体の是非は別として、他の刑は確定すれば即執行されるのに死刑だけ法相の裁量を認めるとなれば司法の独立に抵触する面だってあるんじゃねぇか」

つれ：「こんな騒ぎになったのはアキバ事件を受けてか、宮崎さんちの勤くんの執行が意外に早かったてぇ印象があるせいかねぇ」

ズレ：「衝撃的な事件ほど記憶に新しいし、まだ解明できない部分もあったとか言われるとそんなに急がなくともってな気にもなるけど、そういう迷いが生じないうちに実行行為に疑義がない限り即時執行するのが社会秩序ってもんだろうよ」

つれ：「そんな迷える衆生を導いた麻原尊師の時はまた大騒ぎになるんだろうねぇ」

ズレ：「いつになるかは定かならねど、その暁にはまた鳩山さんに法相をお願いするようさな・・」

つれ：「話が続くようだけど、日中共同ガス田開発の合意には賛否が渦巻いてるねぇ」

ズレ：「境界線問題を棚上げのまま資金を投入するんじゃ、いざって時にはあっさり召し上げられて終わりってなことにもなりかねない不安があるからなぁ」

つれ：「かと言って手をこまねいてちゃ、バスに乗り遅れてみすみす資源を逃しちまうだろうに」

ズレ：「あちらはあちらで日本に譲歩し過ぎだって突き上げがあるようだし、慌てて乗り込んだバスも指導部の風向き次第で行き先が怪しくなろうてぇもんよ」

つれ：「ガス田は日本に花を持たせた分、それこそ釣魚島じゃ中国の主張を呑めみたいなことにもなるってのかぃ」

ズレ：「近頃は中国さんでもネットが喧しくなってるとはいえ、基本的には世論を統制できるお国に比べれば日本の方が風見鶏になりがちだから、目先の利益が絡む話ほど実は釣り針が仕込まれてないかって警戒が必要なんじゃねぇか」

つれ：「ガス田なら餌もついてるけど、拉致調査なんてなぁ食えない毛鉤だもんねぇ・・」