つれズレ愚抄

つれ：「暑さ寒さも彼岸までとはよく言ったもんで、記録的な猛暑からの残暑も落ち着いて秋めいてきたねぇ」

ズレ：「中秋の名月に合わせてあちこちでススキが目に付くようになったし、北国じゃ着々と鮭も遡ってきてることだろうよ」

つれ：「鮭と言やぁ北大さんとかの研究グループが鮭の皮から抽出したコラーゲンで人工血管を開発したってな話もあったっけかねぇ」

ズレ：「大昔から着物や履物にも使われてたしサケ缶の骨は絶品だし、正に骨の髄まで役に立ってくれる何とも有り難い魚じゃねぇか」

つれ：「水産加工で廃棄される皮が年２０００トンとすると、そこから６００トンのコラーゲンを抽出できるってんだから歩留まりもいいんじゃないかぃ」

ズレ：「そのままだと１９度で溶けちまうんで体温に負けないようにそれを５５度まで上げる手間は必要だそうだけど、牛や豚の四つ足もんより感染の心配がないって話で、魚食民族とすりゃ何とはなしに鼻高々ってもんよ」

つれ：「この上他の魚の皮も使えるようなら、いよいよ以て日本も資源大国だしねぇ」

ズレ：「バイオマスエネルギーとかも脚光を浴びてるし、２０世紀が石油由来の時代なら２１世紀は生物由来の時代てなことにもなりそうだわな」

つれ：「２０世紀が戦争の時代なら２１世紀はテロの時代なんて話よりは夢があって救われるねぇ」

ズレ：「石油由来の兵器が生物由来の兵器に化けるなんてのはご勘弁願いてぇけどよ・・」

つれ:「一風変わったいいとこのお嬢様だった作者の半生を美しい景観と素朴な人間模様を背景に綴ったピーターラビットの世界観そのもののメルヘンチックな作品だねぇ。
ほぼ１世紀前の階級社会までほのぼのと描き出されるてぇと、どこかに人間の悪意が潜んでるんじゃないかとついサスペンス調の穿った見方をしちまうけど、登場人物はあくまで善良で古き善き時代の雰囲気に心が洗われるようだよ。
２時間に満たない短尺で小細工やヒネリのない分かり易い展開ながら、構成の妙か監督さんの技量か役者さんの演技力の所以かは定かならねど、真っ向勝負の高めのストレートで小気味よく討ち取られたような爽やかな感動を味わえる仕上がりになってるんじゃないかぃ」

つれ：「救急タライ回し事件を受けての厚労省さんの夜間診療実態調査に医師会さんが色を成してるそうだよ」

ズレ：「休日夜間の診療報酬増額のためってお題目が、平日日中の減額を招くって裏読みされたようだぜ」

つれ：「出物腫れ物所嫌わずで休日だろうと夜間だろうと患者は出るんだから、診療体制は充実させて貰いたいもんだょ」

ズレ：「診療時間の延長が嫌われるなら、いっそ休日夜間専門の医師を養成したらどうでぇ」

つれ：「あったてよさそうな診療科目ごとの医師免許だって出来てないのに、休日夜間専門医なんてあるもんかね」

ズレ：「奨学金だ学部定員増だって地方医療のための養成制度に倣って、休日夜間でも働きたいてぇ有為な学徒を募ればなんとかなるんじゃねぇか、」

つれ：「年季奉公の若い先生ばっかりってんじゃ、地方医療同様あんまり状況は改善されないんじゃないのかねぇ・・」

つれ：「巷間不動産の復調が言われてるだけあって、１６年ぶりに商業地の基準地価平均が上昇に転じたんだってさ」

ズレ：「土地の値段も格差ばやりってことか、個別に見りゃ上がるところと下がるところで明暗は分かれてるようだぜ」

つれ：「使い勝手のいい土地に需要が集中すりゃ値が上がるのが自然な経済原則で、やたらと買い漁って躓いたバブルの教訓が活かされてるってことかねぇ」

ズレ：「実質的に土地本位制の日本じゃ、そこそこの値段で地価が安定してるのが望ましい姿だろうけどよ」

つれ：「だからって土地の値打ちを均すために鉄道を敷いたり道路を作ったりってご時世でもないだろうに」

ズレ：「土地に定価を付けて実勢価格が上回る分はほとんど税金で頂戴してから、その財源で実勢価格が下回るところの格差を補填すりゃ均衡がとれるんじゃねぇか」

つれ：「定価じゃ自由競争を阻害するってんで、希望小売価格からオープン価格になって元の木阿弥になるのが関の山だよ・・」