徒然日誌

映画、演劇の感想はおそらく例外なくネタばれ注意!です。

コリオレイナス/愛知県厚生年金会館

2007-03-11 | 演劇等(舞台もの)
うっかりすっかり忘れていた「コリオレイナス」日本公演楽日。中日対楽天のオープン戦に行こうと水曜日まで思ってたんだけど、友達の指摘でようやく思い出した。
あちゃ、しまった(苦笑)。
そんなこんなで、あんまり力の入っていない観劇と相成りましたとさ(苦笑)。はじめはそんなこともなかったんだけどねー。

で、蜷川幸雄氏演出のシェイクスピアシリーズ「コリオレイナス」。ストーリーは、まあ、おなじみとはいいがたいかな。シェークスピアの中でもそんなに有名ぢゃないんじゃない?なんて思ってるけど、どうさ?シェークスピアのローマ史劇もの5本の中の最後に書かれたものらしい。
ローマ貴族ケイアス・マーシアスは腕の立つ武将で、ヴォルサイ人との戦いでも見事な功績を残している。執政官コミニアスはマーシアスを称えて、ヴォルサイ人の都市コリオライからとって「コリオレイナス」という名を与えた。コリオレイナスが執政官の候補にあがったとき、平民達は彼の就任に賛成した。が、コリオレイナスは元々平民を見下すような教育を受けていたため態度が傲慢になりがちだ。そこをついて、平民代表の護民官である2人が煽動し、コリオレイナスをローマから追放してしまう。それを恨みに思ったコリオレイナスは、敵方であるヴォルサイ人の将軍オーフィディアスを訪ねる。そして、ヴォルサイ人側について、ローマに攻撃を加える。ローマの友人たちは攻めてきたコリオレイナスを説得しようとするも挫折。最後に母親に説得されて彼はこの戦いをやめてしまう。最初は下手に出ていたコリオレイナスがだんだん傲慢な態度をとるようになってきたことが気に入らないオーフィディアスは、戦いを勝手にやめたことを理由にコリオレイナスを殺してしまう。しかし、ヴォルサイ人の貴族は、コリオレイナスを手厚く葬るよう指示する。みたいな、こんな話かな。

幕があがるとまず舞台が鏡の壁があった。それが開くと蜷川さんお得意な階段状の舞台。鏡といい、階段といい、まさに蜷川ワールドといったところか。この階段状の舞台を使うときっていつも思うんだけど、上下に段差があるせいか、空間の広がりをすごーくキレイに使っていて、役者たちの配置が美しいと思ってしまう。どこをとっても絵になる。
で、舞台始まって最初は平民たちのシーンなんだけど、気になったのは声が枯れてること。ガーっと叫ぶようにセリフを吐くのだけど、発声が悪いのかな?なんかえらい枯れてて聞き取りにくい。おまけに客席に背中を向けてセリフをいうと、本当に聞き取りにくい。そのうち、メニーニアス役の吉田鋼太郎さんが現れて同じように叫び調でセリフをいうんだけど、ここでまず、やっぱりうまい人の声は聞き取れる!と体感する(苦笑)。で、そのうち護民官役の瑳川哲朗さんが出てきて、ああ、この人も聞きやすいと思うのさ。なんだかんだいって、今日は日本公演楽日。まあね、こんなに叫び調でずっとセリフをしゃべってたら声も枯れるよねーと思わなくもないが、この枯れ方で声の出し方がいいか悪いかが明確になるのではないか、と思われる。その後出てきた主役コリオレイナスの唐沢寿明さんは、すごい下手ではないんだけど、やっぱり枯れててしかも響きが悪い。オーフィディアス役の勝村政信さんが非常にいい声で響いているので、二人の掛け合いではちょこっと唐沢さんが不利だ。ここで同じぐらいの掛け合いができると迫力なのだけど…と少しだけ残念な気分になった。掛け合いのリズムとか、話し方とかは別に全然違和感もないのだけど。
いや、しかし、前半は特に結構単調で。しかも、叫び調な舞台がえんえんと続くので、少し退屈だった。体が疲れているせいか、眠気が…(苦笑)。
面白いのは、コリオレイナスの母親役の白石加代子さん。いやー、さすがだねって感じの存在感。まあ、いろんな表情でよかったんだけど、一番面白かったのはコリオレイナスが追放されて護民官にクダを巻くところ。いかにも、嫌なおばちゃんっぽくて、また対応している護民官の態度もなんだか面白おかしくやっていて笑えた。

しかし、コリオレイナスという人はどうさ?ローマを追い出されたかもしれないけど、母や妻や友人たちがいるローマに攻撃したりできるもんかね?恨みが強いのはわかったけどさー、それじゃあまりにも自己中心的だよ。と少し呆れた。コリオレイナスの尊大な態度がすべての発端なのかもしれないけど、よくよく話を聞いていると一概に悪い人ではないのかもしれない、彼は。と思えてしまうのは、唐沢さんのせい?(笑)
とにもかくにも、復讐なんて考えてもいいことないよねーというのが結論か(苦笑)。←そのまんま、だけど。

ま、とにかくあんなに声が枯れてて英国公演は大丈夫なの?なんてちょこっと心配。




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