おしょうしな日記 Thanks 101

科学・技術をわかりやすい言葉で解説。「おしょうしな」とは、山形おきたま弁で「ありがとう」の意味。

ハミング符号の原理(5) -グレイ・ハミング符号-

2008-12-29 16:22:15 | 科学・技術
シンドロームがグレイコード(グレーコード、交番2進符号)となるグレイ・ハミング符号の作成方法。
◆グレイ・ハミング符号(グレイコード・ハミング符号、GH符号)の作成方法は次のとおり。

     (1**)(*1*)(**1)
001 a         a
011 b     b   b
010 c     c
110 d  d   d
111 p1 p1  p1  p1
101 p2 p2      p2
100 p3 p3
-------------------
      s1  s2  s3

s1 = d+p1+p2+p3
s2 = b+c+d+p1
s3 = a+b+p1+p2

(s1,s2,s3)=(0,0,0) となるように p1,p2,p3 について、式を解くと。

0 = d+p1+p2+p3 (式1)
0 = b+c+d+p1  (式2)
0 = a+b+p1+p2  (式3)

(式2)より、
p1 = b+c+d

この p1 を(式3)に代入して、
p2 = a+b+p1 = a+b+(b+c+d) = a+c+d

(式1)、(式3)より、
p3 = a+b+d

よって、検査ビット(パリティビット)は、
p1 = b+c+d
p2 = a+c+d
p3 = a+b+d

◆拡大グレイ・ハミング符号(拡大グレイコード・ハミング符号、拡大GH符号)の作成方法は次のとおり。

      (1***)(*1**)(**1*)(***1)
1001 a  a            a
1011 b  b        b   b
1010 c  c        c
1110 d  d    d    d
1111 p1 p1   p1   p1  p1
1101 p2 p2   p2      p2
1100 p3 p3   p3
1000 p4 p4 
----------------------------
      s0   s1   s2   s3

グレイ・ハミング符号に、下記の単一パリティ検査符号を追加すると、1ビット誤り訂正ができ、かつ、2ビット誤り検出が可能な、拡大グレイ・ハミング符号の作成ができます。

s0 = a+b+c+d+p1+p2+p3+p4
0 = a+b+c+d+p1+p2+p3+p4 (式0)

(式0)に、上記で求めた p1,p2,p3 を代入し、

p4 = a+b+c+d+p1+p2+p3
  = a+b+c+d
   +(b+c+d)
   +(a+c+d)
   +(a+b+d)
  = a+b+c

よって、検査ビット(パリティビット)は、
p1 = b+c+d
p2 = a+c+d
p3 = a+b+d
p4 = a+b+c

ハミング符号の原理(1)
ハミング符号の原理(2)
ハミング符号の原理(3)
ハミング符号の原理(4) -拡大ハミング符号-
ハミング符号の原理(5) -グレイ・ハミング符号-
ハミング符号の原理(6) -巡回ハミング符号-


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