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後だしじゃんけん日記

古い革袋に新しい酒?

 映画 「フジコ・ヘミングの時間」

2018年06月24日 | 観た&聴いた

 フジコ・ヘミングのフアンにとって大変嬉しいドキュメンタリー映画ですが、

 惜しむらくは上映館が極端に少ない。 この日(6月23日)も満席でした。

 

 ベルリンで生まれ、母は日本人のピアニスト。父はロシア系スウェーデン人の

 グラフィック・デザイナー。やがて日本で暮らしていた父は仕事を求め

 渡欧して戻ることはありませんでした。

 

 映画は幼い時から付けていた絵日記にそって暮らしを追い、ワールド・ツアーを

 追って世界を駈けるそのステージを紹介してくれます。

 

 演奏会ごとにステージでのドレスが異なり、それも見ものでありましょう。

 あの誰も真似出来ないフジコ・ファッション。日常着も似たり寄ったりの雰囲気。

 

 自宅での愛猫に囲まれた独特の雰囲気の生活を見られます。

 

 演奏会ではお得意の曲が沢山聴けますが、さわりだけチョッピリ・・・・

 

 中年過ぎてからブレークして真価を世に認められましたが、苦難の連続でした。

 ピアニストの道を迷わず歩みながらも生活苦・聴覚の絶不調・国籍の難題

 映画はそれも手短に知らせております。

 

 今回初めて見た「フジコの絵日記」  日本語時々英語。

 絵はデッサンもですが、色彩が素晴らしい

 あの色彩感覚は生まれつきなのネ

 フジコと言えば、あの独特な奇抜ともいえるステージ・コスチューム。

 髪には必ず飾りがつけられ、過剰とも云える取り合わせで身を包む。

 誰も真似出来ず、だれも真似しません・・・・

    そして誰も批判しません・・・・

 

 「魂のピアニスト」

 

 彼女は言っていました。「間違いがあっても名品の陶磁器に欠けがあったところで

 値打ちに問題はないでしょう大量生産の品とは違います」

 

     観られて好かった・・・・

 

 


 映画 「羊と鋼の森」

2018年06月17日 | 観た&聴いた

 原作 「羊と鋼の森」宮下奈都

 監督 橋本光二郎

 キャスト 外村:山崎賢人  板鳥:三浦友和  柳:鈴木亮平

      和音・由任(上白石姉妹)

 

 「羊」の毛で作られたハンマーが「鋼」の弦をたたく。

  ピアノの音が生まれる。

  生み出された音は、「森」の匂いがした・・・・・

 

 「はぁ  どういう事」  私は原作を読まないまま映画を観ました。

 場所は北海道の高校の講堂。2年生の外村はピアノの前に一人の男性を案内した。

 講堂の外に出ようとした時、ピアノの音に足を留められた・・・・

 男性はピアノの調律を依頼されて来たのでした。

  外村は結局2時間ほど調律が終わるまで傍で観ていた。

 調律師 板鳥の名刺を頼りに江藤楽器に行ってピアノを眺め

 「僕を弟子にして下さい!」というと専門の学校があると知らされる。

 

 進路のなかった外村は調律の道をまっしぐらに歩むことにする。

 家は北海道の山の集落にあり、深い森はすぐ側だった。

 専門の学校を卒業し、幸運にも江藤楽器の調律師の見習いから始まる。

 

 こんな青年が今時居るの?と想う位彼は真面目で真摯で一片の

 チャラさも迷いもなく調律道?を歩んでいく。

 周りには調律の先輩が3人にて夫々キャラは違うが、色々な形で学ぶ彼を

 育てていく・・・・

 

 調律を依頼する家庭もみな雰囲気が違う。

 調律の内容も異なる。

 外村は一事一言も見逃さず聞き漏らさないようメモする。

 依頼人の家庭の雰囲気。

 依頼人との関わりや対する先輩板鳥・柳の姿勢

 ピアノの調律のやり方の違いのエピソード

 

 そして「ピアノ」と「森」の外村の中での関わり・・・・・・

 登場人物のなかで、和音・由仁という2人の姉妹とのふれあいが

 語られるシーンが多い。

 

 最期に「コンサート・チューナー」を目指す自分に気づく外村。

 

     森の音とピアノ。美しい深い森の樹々のそよぎ。

     よく判らないけれど いい感じ と想った私でした。

 


  映画『万引き家族』

2018年06月12日 | 観た&聴いた

 

【公式】『万引き家族』大ヒット上映中!/本予告

 第71回カンヌ国際映画祭 パルム・ドール賞

    監督 是枝裕和 

    リリー・フランキー   安藤サクラ   樹木希林   松岡茉優

    池松壮亮   城桧吏  佐々木みゆ

 

   スーパーで万引きした親子は帰途、家から外に出されていた少女を連れて帰る。

   見つけて思わず持っていたコロッケを食べさせ背負って自宅に帰る姿が

   この家族の姿の原点を物語っている。

   家には樹木希林のおばあさんと安藤サクラのかあさん、娘の松岡が居る。

   とうさんリリー・フランキー 息子の少年・城桧吏の5人家族。

   そこに幼い少女みゆも加わる事に・・・・・

 

   一軒家だけれどこれ以上ない貧乏家族。わずかな樹木の年金と日雇いのリリー

   パートの安藤の金、父親と少年の万引きでやっとこ暮らしている。

   しかしお互いを雑に思いやる気持ちがこのとっ散らかった家族にはあって

   なんとか食っていけている・・・・・

         そしてそれぞれに血縁はないのでした。

    (実は私、時々ウトウトしてしまっていました。たぶん観たくなかったのかも)

   家族で海に遊びに出かけたのが唯一の救いかなぁ。

 

   おばあさんの樹木が寝ている間に急死してしまう。

 

   それからが急転。 家族がまともな社会の仕組みに正体を晒されてしまう。

   これ以上お話はいたしません。パルム・ドール賞もらった作品らしい

   展開があるのです。   俳優の演技を感じることのない自然な存在。

   私にはそう思えました。リリー・フランキーの裸もサクラの乳房も・・・

 

   少年は自分で未来の舵を取り始め、少女は自宅に戻されます。

   そこに希望があるのか?  無いのか?

 

      自分に問いかけて帰るより仕方がないのでした。


映画『友罪』

2018年05月27日 | 観た&聴いた

『友罪』本予告

   原作 薬丸岳 ・ 監督 瀬々敬久 ・キャスト 生田斗真(益田) 瑛太(鈴木)

  禍々しい子供の事件「神戸連続児童殺傷事件」現在でも一般市井の人は決して忘れられないでしょう。

 少年Aと呼ばれた彼は成人して一般社会にまぎれ、やがて「絶歌」という著書を出版しましたね。

 その後もブログを公開し、やがて世間の風が自分に厳しくなると出版のきっかけを与えた見城氏に

 刃向う結果となり、再び地に潜りました。

 この映画は彼をモデルにしておりますが、事件後の彼の生き様はフィクションです。

 

  罪を犯した人達のその後の人生。 犯した罪への向き合い方。 世間の対彼ら。

  町工場で働くことになった益田(生田斗真)と鈴木(瑛太)

  映画は2人の劣悪な生活を追いながら、その周辺で贖罪に苦しみながら生活している人々を

  追っていきます。 彼ら2人は親しくなりながらも、お互いの犯した罪を知ろうとします。

 

  元ジャーナリストだった益田は、中学生の時いじめにあっていた友人を見殺しにした

  トラウマに現在も翻弄されながら、同じ過ちを鈴木に対しやってしまう・・・・

 

  鈴木は許されない事象には敢然と立ち向かいますが、相手の攻撃には決して反撃しません。

    二人の心は離れては惹きあっていきます。 最後は少し救われるかな・・・・


            人は犯した罪にどう向き合って生きていくのか?この映画はその色々を

     描きながら、観る人達に少し心休まる結論をくれたのかなぁ。


  瑛太の演技力   もの凄いです。   観ていて鳥肌が立ちます。

  きっと他のキャストもガンバッテいたと想うのですが、瑛太が凄すぎて・・・。


 映画 「モリのいる場所」

2018年05月22日 | 観た&聴いた

 

モリのいる場所 - 映画.com

 上をクリックして下さると映像がみられます。

 YOU TUBE からですが、映画の紹介が爽やかに広がります。

 是非是非 ご覧ください  映画の雰囲気がよく解ります。

 監督 沖田修一  撮影 月永雄太 

 キャスト 山崎努・樹木希林

 熊谷守一  これ以上ないシンプルな具象画家

       形と色 がその人を語るとしたら限りなく品よく深い絵

       言葉は要りません・・・・・

 昨日 渋谷のユーロスペースという映画館に観に行きました。

 観客動員の難しい素敵な映画の上映館です 

 実はかなり以前に主人がこの熊谷守一のおうちに伺っております。

 s百貨店に勤務していた時、熊谷守一展が企画され、挨拶に伺ったのです。

 帰宅した主人は興奮して「仙人だなぁ・・・奥さんと碁打ってたよ・・・」

 商売人を自称し、芸術に興味のない主人がすっかり虜になっていました。

      あの絵は欲しい・・・・と心から申しておりました。

 

 「熊谷守一」が映画化されるなんて 94歳の熊谷守一でした。

  私は映画の中で彼の一家、集う人々、茂った庭と愛する生き物たちを

  観られて幸せでした。 主役の山崎努 奥さんの樹木希林 

  その他のキャストもぴったりで風の吹き渡る庭にふさわしかった・・・

  奥さんが着ていた「刺し子」のワンピースは樹木希林の自前と聞きました。

     さすが・・・・・

 


3人展 呼友館(川越)

2018年05月01日 | 観た&聴いた

    

 

    平井明氏             木田詩子氏             篠田館長

 

 4月30日 川越の呼友館というアートギャラリーで展示されている3人展を観ました。

 彫刻の木田詩子・風景画のさきやあきら・フォトアートの佐々木英豊

 それぞれ異なった表現の世界が、そこに繰り広げられておりました。

     篠田館長の構成は独特な雰囲気を醸し出して、この古い蔵のギャラリーを

     アートで息づかせているように思えました。

 この日は女流彫刻家の木田詩子さんのお父上・平井明氏が得意の歌を

 歌われ、集った人等はその後夕食を共にいたしました・・・・

 

    実は平井家と我が家は隣同士で木田詩子さんは幼少の時から

    よくよく存じ上げており、私の手料理の味も知っているのでした。

 

  川越では超有名な「いも膳」のお料理も頂けて昔話に花が咲きました。


仁和寺と御室派のみほとけー東京国立博物館ー

2018年03月04日 | 観た&聴いた

 

 

         

 心にかかりながら、天候やら用事でいよいよ終了間近の昨日、上野の東京国立博物館に友人と

 行ってまいりました。混雑は予想しておりましたが、10時半には入館まで40分の待ち・・・

 友人がそのまた友人情報で手短に鑑賞するワザを教えてもらっていて、まぁ短縮鑑賞コースで

 廻りました。写真可の会場もありました。とても見やすい展示でした。

    この御仏様達は、公開がとても珍しく写真でも今回初めての御像が多く

    しかも日本の仏師の作品ばかりらしく、本当に心に副う御姿ばかりでした。 南無

 

  博物館周辺は春近くを思わせる陽気で、大樹のユリノキを仰いだり遠くにスカイツリーを

  望んだり・・・・・いつまで此処に来られるかなぁ・・・・・

 


映画『blank13』

2018年02月27日 | 観た&聴いた

映画『blank13』予告編【2018.2.3公開】

 

 この映画の宣伝のため、斎藤 工 と 高橋一生 があまりに沢山TVに登場するので、

 「はい はい 観ますよ」となった訳です。

 父 リリー・フランキー 母 神野三鈴 兄 斉藤 工 弟 高橋一生の家族。

 父は麻雀に入り浸ってる典型的貧乏家族。借金取りに追われる毎日。

 遂にある日父親は家出をする!  そして過ぎた13年間・・・・

 blank13   というタイトルがそれです。

 母親の苦労を見ながら兄弟も生活を支えるのに働き続けて成人する。

 13年経って、父親が入院中の知らせが入る。

 母も兄も会うことを拒絶する・・・・

 弟だけが黙って病院に行ってみる。  気は進まないが父とはキャッチボールを

 した思い出が残っていた。 そして父親は死ぬ・・・・

 大きな寺院の側のささやかな会場で父親の告別式があって、

 弟の恋人松岡ミ優が受付に立ち弔問を受ける。

 弔問客は父親の生前の交友の人達らしいが、夫々は知り合いではないらしい。

    やがて読経が済み、客の挨拶になると彼らは生前の父を語る事になる。

  ・・・・・・その話があってこの映画が成り立つのだが・・・・

 客役の俳優は・・・・曲者ばかり・・・・観る方も胸がつまるのだ・・・

 母親は喪服を着たものの式場には行かない。

    blank13 父親の人柄の優しさだけが語られる

 

     愉しい映画ではなく、面白いとも言い難い。

     いい映画だった?  う~ん・・・・

     観て損したとは思はない 


    蛇足 映画「空海」は2.3日前に観ました。

                    これとは真逆の映画でした。

       とてもこのブログに書く気にならなかった。

       友人に真言密教とは違うからネ。

       其のつもりで観ると愉しいかもと言いました。

       あの猫  どうやって撮ったの


映画「嘘を愛する女」

2018年01月22日 | 観た&聴いた

「嘘を愛する女」予告2

 

  監督 中江和仁

 長澤まさみ(川原由加利) 高橋一生(小出桔平) 吉田剛太郎(海原匠)

 DAIGO(助手キム)

 2011.3.11日 東北大震災の日の東京で川原由加利は、混乱の帰途で調子を崩すが

 親切な男性に助けられる。その時辛うじて聞いた彼の名は「小出桔平」

 彼女はバリバリのキャリアウーマン

 彼と同棲する流れになって5年経って結婚を視野に入れ始めた時、

 彼はくも膜下出血で倒れ意識不明に・・・・・

 病院に保護された彼の免許証も研究医の身分証明書も偽物であった!

    彼女はどうしたか・・・・

    それを追ったのがこの映画です。

 

 混乱した彼女は自分の会社でのアイデンテティも揺らぎ、彼との生活は

 何であったのかと追跡する・・・・・使ったのが探偵・海原匠・・・・

 この探偵さんも家庭からはみ出しかけていた。

 

    観ていて「この映画好きだナ」と何度も思った!

 話は途中から小出桔平探しのロードムービーになってしまなみ海道へ。

 彼女と探偵は、小出桔平の書いた小説の原稿を頼りに車で灯台の夕日の風景を

 一つ一つ潰してゆく・・・・

    あのね。 フランス映画みたいと何度も想ったよ・・・・

 

    でも話が煮詰まってくると、やはり日本映画だったね。情緒的というか・・・

 それって、いい意味で救われるのね。彼女のキャラクターが日本女性離れしていて

 初めの方の雰囲気がね。 高橋一生の小出桔平は初めから好感度の高い男で

 意識不明になったら、嘘で固まっていた人生だったとは彼女と一緒に観客も

 追っかけざるを得ないのだよね。

 

    俳優みんな好演でした。DAIGOにはだまされた

 

    やっぱり「好きな映画」でした。

    沢山のしまなみ海道の小さい灯台見せてくれてありがとう


 おまけ

   この物語は、現実にあった事を辻仁成が書いたエッセイから監督中江和仁が

   大学生時代に見つけて、何時か映画にしようと思い、約10年間で

   100稿位書いていたものなのだそうです。

     う~ん 確かに素敵な味の映画でしたね・・・・