中国不滞在記 in 神戸

行って見て聞いて考えた中国のこと

この国で蛇蝎の如く嫌われているある国の首相について、および隣国のこと

2015年05月24日 | 歴史問題
市内を貫通して流れる婺江の中州から。水は濁っていますが、臭いはしません。最近、下水道工事が進捗しているそうです。


先日の「187人の知日学者の声明は真っ当だと思いますけれども」に対してお二人の方からご意見をいただきました。まずはお礼を申し上げなければならなりません。お二人とも中国で日本語を教えておられる先生で、ブログをリンクさせていただき、毎日楽しみにして読ませていただいています。そしてお二人の軽妙洒脱な文章力にいつも感心しつつ、目を開かれる思いをしつつ、自分の情けないそれと想像力のなさにがっかりする。

それはそれとして(←すみません、パクらせていただきました。たしかに便利な言葉です)

わたしが安倍首相を「アホ」と評したことについて、海南島さんは、そうではない、と指摘されている。でもでも私は「アホ」とは言っていない。「軽い」と言ったのであります。
最後に、隣国の大統領を引き合いに出して、同じぐらいアホだ、と書いたので、結局アホと言ったのと同じなのですけど。

だからアホと言ったことにしておこう。大阪弁のアホにはいろんな意味がある。軽いものから東京弁のバカまで。爆笑問題の太田は、ラジオで安倍首相のことをあのバカが、と言ってはばからなかった。これはきつい表現だと思いますが、思わず拍手したくなった。彼の見解に同意したからではなく、それを公共の場で堂々と言えることに、だ。この国でおなじことを言ったらどうなるか。

それはそれとして。。。

バカとアホは同じではない。わたしが安倍をアホと言ったとしたら、それは彼があまりに軽率だからである。その意味では隣国の大統領とはアホの程度が違う。隣国の大統領は、父親が親日派だからかどうかは知らないが、歴史問題に凝り固まり、ことの成り行きもわきまえず、おのが国家の在り方に反省もなく、日本が反省していないと言い続けて、反省しないなら会ってやらないわ、と息巻いている。子どものケンカではないのだ。政治家としては、右手でコブシを振り上げるふりをして見せながら、左手で握手を求めるのが本当だ。そういう意味でかの親日派の娘は政治的に完全なアホである。

一方、極東の島国の首相は、「戦後レジームからの脱却」という言葉の重みをよく理解せず、侵略の定義は定まっていないと言って欧米からも要らぬ疑念を招き、近隣2か国に日本非難の口実を与えるだけの靖国参拝を行い、アメリカ議会では、民主主義を教えていただいたとはいつくばる。ほんとうに戦後レジームを脱却したいのなら、深く静かに戦略を練って、まず近隣の国々の反応に細心の注意を払うべきなのに、まったくそんな気配もなくいたずらにはしゃいでいるように見える。つまり心情倫理に傾斜し責任倫理に乏しい(ヴェーバー「職業としての政治」)これは非常に危険だ。深い考えがないから、憲法改正せずに安保法制を議論できるし、バブルを招きかねない金融政策もできる。安易なマネタリズムは必ずしっぺ返しが来るのである(お〜こわ、早く売っておこう)。もし彼のやっていることが計算づくであるなら、海南島さんが示唆されるように、アホどころではないのだけれど。いやそんなはずはない、やっぱりアホです。

それはそれとして。。

もう一つのchinamychinaさんからの、韓国のことを、「我々が相手にしているのは真実を都合よく書き換えて恥じない国だ」と書いたことにたいしてのご意見について。

韓国という国はそういう国だというのは、ここ10年以上、ひそかにウオッチしてきたわたしにとっては確信事項です。だが韓国という国家をそのように考えるということは、韓国人がみんなそうだということではない。中国式に言うと、国家と人民は別物であります。中国では、日本に対する感情は決してよくないが、だからといって日本人が好戦的で残酷だと必ずしも思っているわけではない、むしろその逆であることが多い。そして中国人は日本がひどい国だと思っていてもそんなことを日本人には言うわけがありません。だからこそ、国家レベルとは別に文化交流を広範囲に展開する必要があるのではないでしょうか。私たちもその端くれの存在であるわけですし。

問題は、朝鮮日報や中央日報のような韓国世論をリードするメディアと挺対協のような反日を是とする圧力団体、そしてそれらに迎合して権力基盤を維持しようとする政府にあります。それらを総称して韓国国家と考えています。日本側もある程度同じことが言えますが、その程度はくらべものにならない。その意味では、歴史の真実はいつも反日というまな板の上で捻じ曲げられて加工されてきたといえると思います。いちいちつまびらかに書こうとは思いませんが、日本の行った賠償も援助も、慰安婦の方々への謝罪の念も、ほとんどすべてのことが否定的にしかとらえられていないように思えます。

現大統領の父親は、反日を掲げながらも、まず、そのような状況に至った韓国の歴史を直視し、克服していこうと述べました。そのような自省の念はかの国が先進国に這い上がる過程で、いつの間にかなくなってしまったのではないでしょうか。そして彼の国の膨れ上がった自負心ーメディアに「韓民族の優秀性」みたいな時代錯誤がよくあらわれるーこれは、韓国が自ら戦うこともなく唯々諾々と植民地になり、他人の力で解放されたことの裏返しではないか。

インドネシアは、日本の敗戦後、再び植民地支配を行おうとしたオランダと苛烈な解放戦争を戦って独立を勝ち取りました。オランダの300年にわたるインドネシア支配は、日本の35年の朝鮮支配に比べてどうであったか。そしてオランダはインドネシア独立に際し、オランダ資産の賠償まで要求しました。オランダが謝罪したのは、独立戦争でのオランダ軍の虐殺行為についてであり、植民地支配については謝罪すらしていません。それでもインドネシアはオランダと和解したのであります。(→ユドヨノ元インドネシア大統領の談話)

韓国が日本と和解しようとしないのは、もちろん日本の植民地支配に対する反感もさることながら、彼の国の恨(ハン)の精神、儒教的な大義名分論、歴史的にいつも他国に屈従したという鬱屈した感情等、さまざまな要因が絡まっているように思えてなりません。

それにしても安倍の犯した外交の失敗は大きい。彼の本心が見抜かれているから中韓は歴史問題を堂々と国際社会に訴えることができる。そして彼のために、日本は謝罪していない、賠償していないなどとあらゆるウソを世界中に宣伝されている。もう少し彼が本心を隠して慎重に事に当たっていたなら、中韓が日本を歴史問題で批判してもこれほどの問題にはならなかっただろうと思うのです。政治家の資質には、目的を達成するための狡さや汚さも必要であると、かのヴェーバーも言っています(ホンマか?)

倫理的に正しいことだけ言って政治がうまくいくなら政治家なんていらないのであります。
政治家とは、正しいと信じていることを、如何にうまく成し遂げられるか、またその成果が国民の幸福につながるかどうかで評価されるべきであり、愛人がいようが、酔って誰とキスしようが、言葉遣いが間違っていようが、どうでもよい。

ルーピー鳩山、聞いてるか。


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