先週、六本木のサントリー美術館に「BIOMBO 屏風-日本の美」に行った。東京ミッドタウンは、どれだけショッピングしているのか分からないが、新名所見物のおばはんたちで大した賑わいだったが、美術館のほうは比較的落ち着いて観られた。
屏風は、近世の画家、画工たちにとって自らの腕を振るう格好の空間であり、襖絵と並んで日本画の最高の技術が結集されている。できるなら、盗みたい。それくらい好きな表現形態なのだ。折りたためて持ち運べ、どこにでも広げられる。こんな美術品、欧米人が見逃すはずないよね。
だいたいが、六曲一双の左右の画面に、春夏秋冬が描かれることが多いけれど、これだけ屏風が並ぶと、屏風絵の多様性に触れることができたのは収穫だった。とりわけ、室町時代に描かれた重要文化財「日月山水図屏風」(六曲一双)は、まるで俵屋宗達ではあるまいかと思うフォルムにすっかり魅せられた。重要文化財「レパント戦闘図・世界地図屏風」(六曲一双)、 同じく「泰西王侯騎馬図屏風」(四曲一双)などの西洋絵画との奇妙な融合は、安土桃山の時代の独特の国際性が表出されていて、琳派に代表される、閉ざされながら開花する江戸の洗練とは異なった美を堪能することができた。
屏風の展示に絞って無駄がないのは好感がもてたが、残念なのは、屏風絵は展示スペースを必要とし、一度に数を展示できないので、展示替えが必要となり、予定されている全ての作品を観るには、3~4回足を運ばなくてはならないことだった。
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